捕手術

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捕手術(とりてじゅつ)は、素手で敵を殺さずに捕り抑える武術取手とも書いた。

流派によっては補助武器として三道具十手捕縄などの捕具が使われ、こちらから先に掛かり、相手を殺さずに捕らえる事を目的とした武術である。江戸時代中期以降は下級役人が学ぶものと考えられる傾向があった。柔術の別称、または、貝原益軒『武藝十四事』中の武芸十八般に独立した武術として含まれる。現代の警察官の必修科目である逮捕術に相当する。

歴史

捕手術という名称自体の起こりは柔術より古く、室町時代頃から用いられている。また後世の柔術を謳う流派にも、捕手術に分類される技法が含まれている場合が多い。捕手術は多くの流派で不意をついて、あるいは当身を入れつつこちらから攻撃を仕掛け取り押さえる技法となっている。極意として様々な隠し武器を使用する事を教える流派もあった。

関口新心流制剛流竹内流など古い流派には小具足術や柔術、組討以外に捕手術の体系が含まれ、重要視されていた。制剛流ではまず捕手術より学びはじめ、その後に小具足術やヤワラを学ぶ事となっていた。また竹内流では、流祖が異人より授かった神伝捕手と言われ、奥義として重要視されていた。

流派

他にも多くの流派が存在するが、柔術流派が地域によって捕手術と呼ばれたものが多い。

関連項目

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