心臓弁膜症
心臓弁膜症のデータ | |
ICD-10 | I05-I08, I34-I39 |
統計 | 出典: |
世界の患者数 | 人 (20xx年xx月xx日) |
日本の患者数 | 人 (20xx年xx月xx日) |
学会 | |
日本 | |
世界 | |
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心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう、テンプレート:Lang-en-short)は、心臓にある4つの弁のうちのひとつまたは2つ以上が機能障碍を起こす疾患の総称である。弁膜性心疾患と呼ぶ場合もある。
目次
概要
ヒトの心臓は内部が4つの部屋(心房・心室)に分かれている。各部屋の出口には膜でできた弁があり、血液の逆流を防いでいる。この弁が何らかの原因によって硬化もしくは破損すると、血液の通過障害や逆流が起きる。これが心臓弁膜症である。心臓には4つの弁があり、障害される弁によって出現する症状が異なる。
原因
種類
大動脈弁領域の疾患
大動脈弁狭窄症
テンプレート:Main 大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう; AS)は、左心室から大動脈へ血液を流す大動脈弁が狭まった病気。
- 病態
- 狭まった大動脈弁に血液を通そうとして左心室が頑張り過ぎて左心室に負担が掛かる。左心室に負担が掛かる事を左室負荷という。
- 分類
- 先天性
- 後天性
- に分けられる。
- 統計
- 先天性 (ICD-10: Q23.0)
- 後天性 (ICD-10: I35.0)
- 治療
- 手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術では石灰化など器質的変化の強い大動脈弁を人工弁に取り替える。開胸術による弁置換が一般的である。
大動脈弁閉鎖不全症
テンプレート:Main 大動脈弁閉鎖不全症(だいどうみゃくべんへいさふぜんしょう; AR)は、大動脈弁が締まり切らない病気。
- 病態
- 拡張期に血液が大動脈から左心室に逆流してくるために、拡張期に開くはずの僧帽弁をこの血流が押して、相対的僧帽弁狭窄が生じる。
- 分類
- 梅毒性 (ICD-10: A52.0)
- リウマチ性 (ICD-10: I06.1)
- (ICD-10: I35.1)
- 先天性 (ICD-10: Q23.1)
- に分けられる。
- 検査
- 身体基本検査
- 聴診
- III音 : 拡張早期に大動脈から勢いよく逆流して来た血液が心室壁を振動させる事で生じる。
- オースチン・フリント雑音(Austin-Flint雑音) : 狭窄させられた僧帽弁を血液が通過する際に生じる雑音。
- 聴診
肺動脈弁領域の疾患
肺動脈弁狭窄症
テンプレート:Main 肺動脈弁狭窄症(はいどうみゃくべんきょうさくしょう; PS)は、肺動脈弁が狭まった病気。
- 病態
- 狭まった肺動脈弁に血液を通そうとして右心室が頑張り過ぎて右心室に負担が掛かる。右心室に負担が掛かる事を右室負荷という。
- 分類
- 先天性 (ICD-10: Q22.1)
- 後天性 (ICD-10: I37.0)
- に分けられる。
- 症状
- 右室負荷によって右室の壁が厚くなる。右室の壁が厚くなる事を右室肥大と言う。
- 治療
- 右室圧が上昇してきたら手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術ではなく血管内カテーテル手術で行う。この血管内カテーテル手術は経皮的バルーン肺動脈形成術と言い、中心静脈からカテーテルを入れて、順行性に右心房、右心室、肺動脈へ向かい、バルーン(蒸留水で満たした風船)を膨らませてたり、ステント(金属等の網で出来た筒)を置いて狭まった部分を広げて、肺動脈弁を修復する。
肺動脈弁閉鎖不全
テンプレート:Main 肺動脈弁閉鎖不全症(はいどうみゃくべんへいさふぜんしょう: PR)は、肺動脈弁が締まり切らない病気。
三尖弁領域の疾患
三尖弁狭窄症
三尖弁狭窄症(さんせんべんきょうさくしょう: TS)は、三尖弁が狭まった病気。
- 概要
- 器質的; 右心房から右心室へ向かう血流が、三尖弁の狭窄により阻害される。
- 機能的; 三尖弁通過血流の相対的な増加により、三尖弁通過不全状態となる。
- 病態
- 器質的; 肺動脈および肺へ供給される血流が減少する。また右心房では血流が停滞し、右心房圧が上昇する。
- 機能的; 原疾患による症状が主。
- 治療
- 症状が軽度であれば、内服薬での治療を行う。重症であれば、内科的なカテーテル治療や外科的な切開・形成・弁置換などが行われることもある。
- 概要
三尖弁閉鎖症
テンプレート:Main 三尖弁閉鎖症(さんせんべんへいさしょう: TA; ICD-10: Q22.4)は、右心房から右心室へ血液を流す三尖弁が閉じている先天性の病気。
三尖弁閉鎖不全症
テンプレート:Main 三尖弁閉鎖不全症(さんせんべんへいさふぜんしょう: TR)は、右心房から右心室へ血液を流す三尖弁の閉鎖不全により血液が逆流する病気。
- 病態
- 心室が収縮時に右心室から肺動脈へ駆出するだけでなく、右心房にも逆流してしまうため、右心房にも負荷がかかるし、無駄な血流を補うだけ右心室も頑張らないといけないため右心負荷もかかる。
- 症状
- 右心不全により静脈血が心臓へ戻りにくくなるため、下肢の浮腫や経静脈の怒張、肝臓の腫大がみとめられる。
- 分類
- リウマチ性 (ICD-10: I07.1)
- 非リウマチ性 (ICD-10: I36.1)
- に分けられる。
僧帽弁領域における疾患
僧帽弁狭窄症
テンプレート:Main 僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう: MS)は、左心房から左心室へ血液を流す僧帽弁が狭まった病気。
- 病態
- 肺循環から戻ってきた血液が左房で鬱滞し、左房に負荷が掛かる。
- 分類
- (ICD-10: I05.0)
- 非リウマチ性 (ICD-10: I34.2)
- 先天性 (ICD-10: Q23.2)
- に分けられる。
- 治療
- 手術療法を行う。手術は、人工心肺下開胸術ではなく血管内カテーテル手術で行う。血管内カテーテル手術は、大腿動脈からカテーテルを入れて、逆行性に大動脈、心室と向かい、僧帽弁を修復する。
僧帽弁閉鎖不全症
テンプレート:Main 僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう: MR)は、僧帽弁が締まり切らない病気。
- 検査
- 身体基本検査
- 聴診
- III音 : 収縮期に心房へ逆流していた血液の分だけ拡張早期に心房から勢いよく血液が心室壁を振動させる事で生じる。
- 分類
- リウマチ性 (ICD-10: I05.1)
- (ICD-10: I34.0)
- 先天性 (ICD-10: Q23.3)
- に分けられる。
統計
リウマチ治療の進歩によって本症に至る症例は減ってきている。