山上の垂訓

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山上の垂訓(さんじょうのすいくん)とは、新約聖書マタイによる福音書第五章から七章にある、イエス・キリストが山上で弟子たちと群集に語った教えのこと。山上の説教とも。

概要

教えの最も有名な部分は、章頭(マタイによる福音書5章3節から10節まで)の「幸福なるかな」と8回繰り返されるところであり、幸福の説教、真福八端(しんぷくはったん)、真福詞等とも呼ばれている。正教会ではこれに5章12節前半にある「幸いなり、~天には爾等の報い多ければなり。」までを加えて9句の構成とし真福九端(しんぷくきゅうたん)と呼んで、主日聖体礼儀などに極めて頻繁に歌われる。

さらに、キリスト教の祈祷文である主の祈りや、「地の塩、世の光」、「右の頬を打たれれば、左も向けなさい」、「汝の敵を愛せよ」、「裁くな、裁かれないためである」、「何でも人にしてもらいたいと思うことは、その人にしなさい」(イエスの黄金律)、「敲けよ、さらば開かれん」、「狭き門より入れ」といった、キリスト教徒にとって中心的な教義が述べられており、これらは非常に有名である。日本語でも、豚に真珠砂上の楼閣といった言い回しはここから取られている。

場所

ファイル:Church of beatitudes israel.jpg
イスラエルの山上の垂訓教会

山上の垂訓が行われたとされる場所はよくわかっていない。福音書でイエスが布教を行ったとある、ガリラヤに山はないが、ガリラヤ湖の西には高い丘がいくつかある。現代のキリスト教研究者の何人かは、湖の北端、カペナウム近郊がその場所であると推測している。

その丘の一つは現在、祝福の山(Mount of Beatitudes)と呼ばれ、丘の上には「山上の垂訓教会」(Church of the Beatitudes)が建てられている。

構造

その他

脚注

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  1. ルカ伝6:37-38およびルカ伝6:41-42に該当する。