学校司書

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学校司書(がっこうししょ)とは、日本の学校図書館法により小 ・中や高等学校等に設置される学校図書館において司書にあたる業務を行う職員を指す用語。

概要

学校司書は、学校図書館の全ての運営を担当しており、業務を行うためには専門的知識・技能・経験が必要である。主には、学校図書館サービスと技術的な面を担当する。また、授業支援や学習内容に興味を持たせるための資料の紹介なども行っている。学校司書は法令で規定された言葉ではないが、図書館法に基づく司書と異なる点があることを明示するために用いられる。

歴史的俯瞰

1953年に成立した学校図書館法では、学校図書館の運営の主体となる職員として教諭をもって充てる司書教諭を想定していた。しかしながら、当初、司書教諭資格者養成期間の経過措置と説明されていた附則第二項の「学校には、当分の間、第五条第一項の規定にかかわらず、司書教諭を置かないことができる。」との規定が長期にわたって改正されず、2003年まで50年近く大部分の学校において司書教諭が発令されていなかった(法改正は1997年)。この状況において、実際に学校図書館の業務を行う職員の呼称として用いられてきたのが「学校司書」の語である。公立の学校においては何らかの公務員としての職種に属する。いずれの職種に属するかについては、設置する地方公共団体等により異なり、教育職である実習助手あるいは行政職である学校事務職員などの職にある。法令上規定された言葉ではないため、特別の資格を必要とするものではないが、図書館法に定める司書資格を有する者や学校図書館法に定める司書教諭の講習を修了した者もいる。近年、全国各地の保護者や住民による働きかけと自治体の努力によって、全国小・中・高校のほぼ半数(それぞれ47.8%、48.2%、67.7%。文科省平成24年度学校図書館の現状に関する調査)の学校に学校司書が配置されている。

指導要領上の位置づけ

学習指導要領においても言語活動の充実、探究的な学習など、学校図書館が教育に果たす役割がます ます大きくなっており、学校図書館がまずは図書館として機能し、児童生徒の学びや読書活動におけ る役割を果たすために、専門・専任・正規職員の学校司書が全校に配置される法制化が必要とされている。

  2013年6月には、「子どもの未来を考える議員連盟亅においても、「学校司書の法制化亅に関する請願、法律案(骨子案)が明記された。
  一、学校司書の職と配置を学校教育法、標準法等に規定し法制化を行うこと。
  二、全ての学校図書館に専任・正規の学校司書を配置すること。

外部リンク