季節

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季節(きせつ)は、毎年規則的に推移する天体の運行やの長短、気温の高低や天候など気象条件、動植物の生長などに応じて一年を分けた単位を指す。などでは天文学的な指標によって季節を区分し、天気予報地理学などにおいては気象条件によって区分することが多い。両者は互いに関係しあう。

概要

温帯では年間の気温の変化による季節の変化が比較的明瞭での4つ(四季)に分ける[1]熱帯では年間の気温の変化は少なく雨量の変化が著しいため雨季乾季に分けられる[1]。寒帯では春と秋を欠き、特に高緯度地方では夏が極めて短い[1]

季節と天文

地球公転により、見かけ上天球上における太陽の位置が変化する。太陽が黄道のどの位置にあるかで季節を分ける場合、西洋では春分点、夏至点、秋分点、冬至点を基準にする。春分から夏至までの間を春、夏至から秋分までの間を夏、秋分から冬至までを秋、冬至から春分までを冬とする。

地球の自転軸(地軸)が公転面に対して傾いているため、時期によって日照時間が変化する。東アジアでは、昼夜の長短を基準に季節を区分している。昼が長い時期が夏、夜が長い時期が冬である。この基準で季節を区分すると、春分を中心として立春から立夏までが春、夏至を中心として立夏から立秋までが夏、秋分を中心として立秋から立冬までが秋、冬至を中心として立冬から立春までが冬となる。また、これをさらに細かく分けた二十四節気七十二候もある。

季節と気候

前述の日照時間や太陽の高さの変化が主な原因となって、年間の気候の変化が生じる。

天候の推移や気温の高低などによって季節に分ける場合、日本では西から低気圧と高気圧が交互に通過し雨天と晴天を繰り返す「春」、梅雨前線が停滞して雨天が続く「梅雨季」、高温湿潤で晴天が続く「夏」、秋雨前線によって雨天が多い「秋霖季」、春と似て雨天と晴天が繰り返される「秋」、北西からの季節風によって寒気が流れ込む「冬」の六季に分けることが多い。

季節と生物

植物においては、開花季、満開季、発芽季、紅葉季、落葉季、結実季などに分けられる[1]。また、動物においても、例えば渡り鳥について渡来季と去来季などの概念が用いられることがある[1]

日本の四季

日本の気象庁は、季節を表わす用語として、春は3~5月、夏は6~8月、秋は9~11月、冬は12~2月と公式に定めている。マスコミで報道される天気予報などでも、ほとんどの場合この気象庁の定義が用いられている。また、風習的あるいは便宜的にもそう定義されている感が強い。当然、実際の気温・湿度等の気候の変化とは、必ずしも一致しない場合もある。

日本の属する気候帯の性質上、連続可変的に寒暖が移り行き、気候の変化がヨーロッパ諸国のように「次の日に目が覚めたら(積雪し)冬になっていた」ということが無いため季節を四つに区切るのには無理があり、四季を重視しつつ伝統的な二十四節気を考慮するのが気候変動という季節の実態に即している。

夏至の時期は最も日照が長く、冬至は最も日照時間が短くなることから、太陽からの熱エネルギーの影響からもこの時期に最も暑く、あるいは寒くなりそうにも思うが、実際には地熱から影響を受けて、しばらくして大気の温度に影響が来るため、最暑期が立秋の頃や、最寒期が立春の頃にずれることになる。

このため、6月は梅雨入りまでは実質的には春の終わり(晩春)であり、12月も上旬頃は実質、秋の終わり(晩秋)であることも多い。また冬から春・夏から秋への過渡期には「暑さ寒さも彼岸まで」と例えられるように、これも北日本と南日本ではかなり差もあり、によって異なるが、3月の初頭は太平洋側や瀬戸内海側の平地でも降雪凍結冬日になる事もあるため、実質的には冬の終わりである。同じく9月の初頭は残暑があるため、同様に夏の終わりである事も多く、まだ真夏日熱帯夜にもなる。

テレビ番組ラジオ番組、特に定番ドラマ改編では春期を4月から6月、夏期を7月から9月、秋期を10月から12月、冬期を1月から3月と分けているケースがほとんどである(学校や官公庁・企業などの年度でもこのように区分している場合も多い)。これは、新年度の4月からの一年間を4等分するための日本の人為的な区分であって、社会通念・天文学的・気候学的な季節区分とは無関係である。

一方、二十四節気)の上では、春は立春(2月4日)以降、夏は立夏(5月7日)以降、秋は立秋(8月7日)以降、冬は立冬(11月7日)以降であり、冒頭の社会通念上の四季よりも1ヶ月ほど早い。気候的にも立春が寒さのピーク、立秋が暑さのピークの時期であり、一般的な社会通年とはズレている。そのためテレビの天気予報などでは、「暦の上では秋ですが、まだ暑いですね」「暦の上では春ですが、まだ寒いですね」といったコメントがなされる事がある。俳句季語も暦の上の季節に基づいている。

脚注

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関連項目

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  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 靑野寿郎・保柳睦美監修『人文地理事典』 p.177 1951年 古今書院