仮名草子

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仮名草子(かなぞうし)とは、江戸時代初期に仮名、もしくは仮名交じり文で書かれた、近世文学における物語・実用的な文章を総称したもの。

概略

御伽草子の延長に生まれ、仮名を用いた庶民向けの読み物として出版され、雑多な分野を含む。作者の多くは当時の知識人層であり、浅井了意鈴木正三(しょうさん)、烏丸光広らが知られている。

仮名草子の中から井原西鶴による『好色一代男』などの優れた文芸が著されるようになり、これは後に浮世草子と区別して呼ばれるようになる。

内容

啓蒙的な内容のものが多い。儒教的な教訓を含んだ物語や説話集、笑話のほか、名所案内記、また野郎評判記、遊女評判記のように実用的なガイドブックとして読まれたものもある。

主な作品

ほか多数

仮名草子の叢書として約200編を収める「仮名草子集成」(全70巻、東京堂出版)がある(2014年3月現在、51巻まで刊行。参考:[1])。

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