京王デハ1710形電車
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テンプレート:出典の明記 京王デハ1710形電車(けいおうデハ1710がたでんしゃ)は京王帝都電鉄井の頭線、次いで京王線で使用されていた電車である。
概要
本来、東京急行電鉄(大東急)が同社品川線(京浜線。現在の京急本線)でデハ5300形と編成を組む制御車クハ5350形として投入する予定のものだったが、1945年5月25日の空襲で壊滅的被害を受けた井の頭線の車両不足を補う為に、本来東横線デハ3550形として投入される予定であった車両(後のデハ1700形)と共に、1946年に汽車製造で新造された5両を井の頭線にデハ1711 - デハ1715として投入したものである。
外観は窓配置d1D4D4D2の関東地方では当時標準的な17m級車体。前面は非貫通形で、デハ5300形と同様に裾の左右には短いアンチクライマーが取り付けられていた。
本形式はデハ1700形ともども標準軌用の長軸車軸を使用した台車を装備している。これはデハ1700形では本来の投入予定線区である東横線に標準軌への改軌計画があったため、本形式では元々が標準軌の京浜線用として予定されていたためである。
1948年6月の京王分離後も引き続き井の頭線で使用されたが、1965年に京王線の輸送力増強のため、長軸車軸台車を装備していた本形式はデハ1700形ともども1372mmへ改軌の上、京王線へ転用された。
京王線転用時、1712・1713が運転台を撤去され、また1711が電装解除されクハ1710形1711となり、1711 - 1714の連番による3M1Tの4両編成となった。一方、1715は両運転台となり、支線区や増結用に使用された。