両性具有

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両性具有(りょうせいぐゆう)は、両性を兼ね備えた存在の事を指し、両性具有者(りょうせいぐゆうしゃ)、ギリシャ語よりandrogynosアンドロギュノス/アンドロギュヌス)とも称する。

ギリシャ神話では、ニンフサルマキスに恋されて強制的に一身同体にされたヘルマプロディートスの話が知られ、後世に豊かな乳房を持った少年、あるいは男根を持った女性などの形で後世の芸術作品で表現されている[1]

両性具有の逸話で広く知られた話に、プラトンの『饗宴』の中でアリストパネスが語ったとされる演説がある。この中でアリストパネスは、かつて男と女の他に「男女(おめ)」と称された両性具有者がおり、いずれも手足が4本ずつ、顔と性器も2つずつあったと説いた。ところが、ゼウスによってそれらを両断したため、手足が2本ずつ、顔と性器が1つずつの2人の「半身」となったが、それぞれが残された半身に憧れて結合しようと求め合った。そして元々男女であった男と女が互いの半身、すなわち男は女を、女は男を求める事になった。それが男女のであると説いたのである。

だが、原初の世界あるいは人間が両性具有であったとする神話は世界各地に存在し、原初への回帰を意図した儀式(成年式結婚式での異性との衣装交換などの形で残されている場合もある。

両性具有は哲学錬金術グノーシス主義などにおいてもシンボリズムとして取り上げられる場合があった。

脚注

  1. 平凡社『世界大百科事典 改訂版』25巻「ヘルマフロディトス」(執筆者:青柳正規)

参考文献

関連項目