三者三葉

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テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible lists三者三葉』(さんしゃさんよう)は荒井チェリー4コマ漫画作品。作者の代表作である。芳文社発行の『まんがタイムきらら』で2003年2月号から連載中。同誌において2013年現在連載期間が最も長い作品である。

なお、姉妹誌の『まんがタイムきららキャラット』でも2003年12月号から2007年1月号まで連載された。

ストーリー

3人の女子高生とその周りの人達によるドタバタギャグストーリー。タイトルは四文字熟語「三者三様」から。本来の意味であるそれぞれ性格の違う3人ということに加え、3人ともに「」の字が名に付くことに由来する。


登場人物

小田切双葉(おだぎり ふたば)
本作の主要登場人物。16歳。常に元気いっぱいの大食い娘。外にはねた茶色(モノクロではベタ塗り)のショートカットが特徴。色々なところで大食いチャレンジに挑戦し、数々の記録を持つ。食べることに貪欲で、特に肉には目がない。第1話で照と葉子の通う高校に転入してクラスメイトの照と友達になる。趣味は食べることで、小遣いでよく買い食いをする他、料理(特に家庭料理)も得意としている。好きな食べ物は幽霊怪談が大の苦手。理由は「幽霊は殴れない(勝てそうにない)から」らしい。宇宙人などは実体があるから勝てるという自信があるらしく怖くもなんともないらしい。実は音痴である。大食い以外は本作で最も普通の立場の人間と言える。
葉山照(はやま てる)
双葉のクラスメイトで、金色の三つ編みメガネが特徴の委員長。12月25日生まれ。大人しそうな外見とは裏腹に腹黒く、さらりと毒を吐くことも。双葉や葉子には度々悪魔扱いされる。トレードマークの三つ編みメガネは先生やご近所さんから良い評価を得るために計算してやっているという。無類の動物好きで、葉山動物王国を作るのが夢。ベルという名前の猫を飼っている。成績は優秀だが、運動全般が苦手。マラソンなどをするとすぐに具合が悪くなる。怒らせると恐ろしいが、普段はけっこう優しい。そのため、他クラスや他校の生徒からは結構もてるらしい。裏表のある性格で毒舌の持ち主だが、周囲の人間がそれ以上の変人揃いなので最近はもっぱらツッコミ役に従事している。
西川葉子(にしかわ ようこ)
双葉と照の友達。元お嬢様だが、父の会社が倒産して今は貧乏。お嬢様っぽいカットのストレートヘアー(いわゆる姫カット。モノクロではトーン、カラーでは紫)が特徴。スタイルはよく3人(双葉・照・葉子)の中では一番である。愛称は葉子様。喋り方は今でもお嬢様っぽいが、だんだん貧乏生活が板についてきており、最近の好物はマヨネーズである。不器用な性格ゆえかクラスに友達は未だにおらず(双葉と照は違うクラスなので除く)、また葉子の過去を知る人間は、友達がいることを知ると驚愕する。料理が苦手で、以前は「肉など燃やせばいい」などと言い出すほどであったが、双葉に習うなどして少し上達している。山路には結構辛辣。お嬢様だったゆえか庶民的・世間的なことを知らないため、双葉に嘘をつかれても「なるほど」「やっぱり!!」とあっさりだまされることも(現在も山路が甘やかすため知らないことが多い)。まだ世間に馴染めていないところもあるがあきらめず前向きに頑張ろうとしており、後に薗部の経営する洋菓子店でアルバイトを始めることになる。しかし、父親が夢ばかり見ているため心配事が絶えない苦労人。
葉山光(はやま こう)
照の姉。ぼーっとしていてかなりのんびりとした人。金色のふわふわロングヘアーが特徴。スタイルは見た目よりはいいらしい。いつも笑顔でぽわぽわした雰囲気を持ち、実際にも優しい性格だが一般と思考がズレているため、悪気ゼロでさらりと酷いことを言ったり周りに迷惑をかけたりする。健康食がマイブームで、怪しげなミックスジュースや、状態異常を起こすおにぎりなどを作ったことも。料理は普通に作ることもできるが、健康になるだろうとサプリやきれいなキノコ(つまり毒っぽい)をよく入れるため犠牲者があとを絶たない。クジ運が良く、福引や懸賞などで変なものを当てることが多い。暑いのも平気であり、我慢大会では優勝している。妹の照のことが大好きで守ってあげたいと思っている。
山路充嗣(やまじ みつぐ)
通称山G。葉子のいる所ならどこにでも現れるストーカーっぽい人。元西川家の使用人。祖父亡き後使用人を継ぐが、西川家の没落により解雇され、現在フリーター。使用人になるために色々勉強しており資格も多数持っている。バイト先での働きもよいことから正社員登用の話を貰ったこともあるが、葉子を守ることが自分の使命と思っておりフリーターを貫く。常に葉子を敬い「自分よりも葉子様」が信条である。その行動を葉子の周りの人にも強いるためよく葉子に説教されている。葉子を中傷する言葉・行動を感じ取るとどこからともなく現れその相手に殺気などを飛ばす、葉子が呼ぶ・指を鳴らす・犬笛を吹くなどの行動をすると瞬時に現れる、気配を完全に消す、などの特技を持つ。あまりにも何でも器用にこなすが故に、周囲から気持ち悪がられている。バイト先の余り物や賞味期限ギリギリの商品をよく葉子に届ける。葉子に褒められることが至高の喜びである。マゾ疑惑あり。単行本のカバー裏には「スーパー使用人山路さん」というおまけ漫画が掲載されている(10巻を除く。タイトルは師走冬子の『スーパーメイドちるみさん』のパロディ)。
竹園優(たけぞの ゆう)
葉子の親戚のお金持ちの小学生。葉子のことをお姉ちゃんと呼び葉子に懐いている。葉子とは子供の頃からの付き合いで、婚約していると言い張る。が、葉子は子供の頃の口約束程度にしか考えていない。そのため、物をあげたり旅行に葉子を誘ったりして葉子の気を少しでも自分に向けようと画策するが、周囲の人間たちも一緒についてきてしまうため、なかなか思ったとおりに進まない。しかし、葉子のことは本当に好きなようでどんなに落ち込んだりヘコんだりしても葉子から感謝されるとすぐに立ち直る。葉子に付きっきりの山路を快く思っておらず、嫁姑のような陰湿なやりとりを繰り広げる。クラスメイトの桜が苦手。おそらく登場人物の中では実質的に一番被害にあっている(金銭的・身体的・精神的に)。
臼田桜(うすだ さくら)
双葉の従姉妹の女の子。優のクラスメイト。黒色のロングヘアー。とことんポジティブ。幸せはお金で買えると豪語し、優に猛烈なアタックをする。最初は照を怖がっていたが、腹黒いアドバイスを受けて以来、すっかり尊敬するようになった。そのため、行動がどんどんエスカレートしている。優に一番被害を与えているキャラ。優にとってはストーカー的存在。スイミングスクールに通っている為、泳ぎが得意。
なお優と桜は、荒井チェリーの別作品である『みおにっき』にも登場する。
辻一芽(つじ はじめ)
近くの高校(「東高」と呼ばれている)の生徒。双葉たちより年上。大食いが特技だったが、双葉にことごとく記録を塗り替えられたために、双葉を一方的にライバル視している。人より背が低いことを気にしている。照のことを「優しくて動物好きのかわいい女の子」だと思い込み(それ自体は間違っていないが)、彼女の本性を知らないまま惚れ込んでいる。荒井チェリーの別作品『ハッピーとれいるず!』にも登場する。
辻小芽(つじ ささめ)
一芽の妹で、葉子のクラスメイト。外見は兄とそっくり。かなり単純で騙されやすい性格。兄の唯一の特技である大食いで負かした双葉を敵視している。葉子に憧れを抱いているが、嫌われていると思い込んでいる。悪いことは大抵双葉のせいにする。
西山芹奈(にしやま せりな)
双葉と照のクラスメイト。委員長の座を狙っていたが、照によって阻まれたのと成績が一歩及ばないために照を目の敵にしている。ことあるごとに照に突っかかるが、口と腹黒さでは絶対に勝てずに返り討ちにあっている。意外にも照と同じく動物好きであり、猫を飼っていた経験があったため、敵視しているはずの照から捨て猫だった子猫を貰い受けた。以後その猫を溺愛しており、猫の話では照と気が合う場面も見られるようになった。占い師(葉子のお父さん)に言われたことを素直に信じてとても喜ぶなど意外にピュアな一面がある。
近藤亜紗子(こんどう あさこ)
西山芹奈の友達。芹奈とは小学校からの付き合い。照への対抗心に燃える芹奈をなだめる役回りが主だが、余計な一言を言ってしまいフォローになっていないことが多い。現在では芹奈と違って特に敵意を向けるようなことはしなくなったため、照や双葉との関係はそれ程悪くはない。
西川孝清(にしかわ こうせい)
葉子の父。まだ30代で外見も若い。事業で失敗して以来、行方は知れず葉子に仕送りするだけだったが、連載開始からしばらく経った頃(単行本であは4巻)登場。その間何をしていたかは不明だが、「何でもしていた」が正しいようである。その通りに仕事は選り好みしないようだが非常に飽きっぽい性格。人生経験ゆえに洞察力が優れていて、それを活かして占い師をしていたが、高価な水晶玉を買うためにローンを組むなど、家を没落させた張本人であることを随所に伺わせる。葉子にはとても甘い。
薗部篠(そのべ しの)
葉子がアルバイトとして働く洋菓子店のオーナー。西川家にメイドとして仕えていた過去があり、その縁で山路から仕事を紹介された。物静かで表情と口数が少ないため、愛想が悪く見えてしまう。表面上は非常に礼儀正しいが実はかなりの変人。かつて自分が仕えていた葉子を使う側になったことに快感のようなものを感じているが同時に上司として扱われることに違和感も覚えているようである。葉子を巡っては、山路としばしば争いを繰り広げる。外見年齢は双葉たちと大差ないように見えるが、実は三十代後半であるとか。本人曰く「義務教育の頃から体型は全然変わっていない」とのこと。
満腹さん
双葉や一芽の行きつけの食堂・「満腹食堂」の店主。しばしば大食いの「チャレンジメニュー」を提供している。協和語で話すなど中国人のように見えるが、実は日本人。同作者の別作品・『ゆかにっし』にも登場する。
佐久間雛子(さくま ひなこ)
葉子の母親。故人。小説版で存在が明らかにされた。

他作品との関連

以下のように、本作は荒井チェリーの複数の別作品と同じ地域を舞台にしていることが示唆されている。

  • 桜と優は、『みおにっき』の主人公である前田実音のクラスメイトである。
  • 双葉が『ゆかにっし』の前田結花の店で買い物をする。
  • 双葉と一芽の行きつけの店である「満腹食堂」では、結花の弟・前田克樹がアルバイトをしている。
  • 一芽は『ハッピーとれいるず!』の舞台「東高」の生徒であり、克樹とはクラスメイト同士である。
  • 一芽が所属する「便利屋」への依頼者として、『ハッピーとれいるず!』に登場する田所繭子が登場し、葉子と会話をする。
  • 山路が「昔はこの辺りに処刑場があった」と言っており、『みおにっき』で肝試しに使った公園と『ワンダフルデイズ』で岡田薫がよく利用している公園は昔は処刑場だったと言われている。
  • 葉子は『せいなるめぐみ』の主人公である刑部聖と同じ迷迭香女学院に通っていた。また、聖が現在通っている穂海高は本作の舞台である中央女子高校の隣の市にある。

書籍情報

芳文社より「まんがタイムKRコミックス」として刊行されている。また、芳文社KR文庫よりノベライズ作品が発売されている。

2013年6月現在、単行本が10巻まで、文庫本が1冊発行されている。

  1. 第1巻(2004年6月28日発売、2004年7月13日発行) ISBN 4-8322-7511-9
  2. 第2巻(2005年3月28日発売、2005年4月12日発行) ISBN 4-8322-7531-3
  3. 第3巻(2005年11月28日発売、2005年12月13日発行) ISBN 4-8322-7552-6
  4. 第4巻(2006年8月28日発売、2006年9月12日発行) ISBN 4-8322-7589-5
  5. 第5巻(2007年9月27日発売、2007年10月12日発行) ISBN 978-4-8322-7651-2
  6. 第6巻(2008年10月27日発売、2008年11月11日発行) ISBN 978-4-8322-7742-7
  7. 第7巻(2009年8月27日発売、2009年9月11日発行) ISBN 978-4-8322-7834-9
  8. 第8巻(2010年10月27日発売、2010年11月11日発行) ISBN 978-4-8322-7953-7
  9. 第9巻(2012年2月27日発売、2012年3月13日発行) ISBN 978-4-8322-4114-5
  10. 第10巻(2013年5月27日発売、2013年6月11日発行) ISBN 978-4-8322-4301-9

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