ワイヤーアクション

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ワイヤーアクションとは、俳優スタントマンが2~4本程度のワイヤーロープによって吊られた状態で演技をする、映画舞台ドラマ特殊撮影の一種。

概要

俳優やスタントマンの身体にハーネスを装着し、カラビナなどでワイヤーロープを取り付ける。そのロープをリフターまたはトラベラーと呼ばれるスタッフが人力で(もしくは圧縮空気を利用した機械を使い[1])引くことで、空中に飛び(フライング)、回転する等といったアクション・シーンの撮影が可能になる。また、攻撃を受けた者が後方へ勢い良く飛ぶ、超人的な跳躍をするなどのアクションは、ワイヤーの他にショック・ロープと言う、主にバンジージャンプに使われるロープが併用される。

1954年のミュージカル『ピーターパン』ブロードウェイ公演で初めて使用された。元祖は歌舞伎の「宙乗り」とする説があり、日本の映画での初出は特撮で著名な円谷英二が監修(特技監督)を勤めた『大冒険』(1965年)の植木等と言われるが、生身の人間の吊り下げなら『地球防衛軍』(1957年)のミステリアンや、『宇宙大戦争』(1959年)の桐野洋雄があり、また『空の大怪獣ラドン』(1956年)では中島春雄がぬいぐるみをつけたままでワイヤーアクションを演じている。

香港映画武侠小説の世界における軽功などを表現するために盛んに使われ、発展してきた技術だったが、1999年ハリウッド映画マトリックス』がこの技術を用いて成功したことによって注目を集め、世界各国で盛んに使われるようになった。画面にワイヤーが見えないのは、ワイヤー消しと呼ばれるデジタル合成作業によって消されているためである。

香港および日本の現場では手引き式が主に使われ、アメリカ合衆国では機械式が主に使われる[1]。機械式は一方向にしか動かせないが、手引きと違ってタイミングがずれる事がないと言うメリットがあり、主に爆破シーンなどで使われる[1]

ワイヤーアクションの代表作品

脚注

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関連項目

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