レ・ボー=ド=プロヴァンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Communefra

レ・ボー=ド=プロヴァンス(Les Baux-de-Provence)は、フランス南西部ブーシュ=デュ=ローヌ県の小さな町。アルピーユ山脈の中にある、壮大な景観を持つ岩だらけの土地であり、南方の平野を見渡せる古城を頂いている。プロヴァンス語の baou (岩だらけの尾根、の意)に由来する町の名前は、その景観からつけられたものである。なお、ボーキサイト(bauxite)は、この町の名前にちなんでいる(後述)。

歴史

レ・ボー一帯は中世期に栄えた。ボーの領主は近隣の79の町村を支配下におさめ、プロヴァンスでその名が知られた。彼らは家紋にベツレヘムの星を用いていた。これは、彼らが東方の三博士の一人バルタザールの末裔を自称していたことによる(無論、史料的な裏付けのある話ではない)。この一族は最終的に15世紀に途絶えた。

その後、ボーの城はプロテスタントの牙城として利用されたため、1632年にはリシュリューによって破壊された。

この町は、1642年にモナコの領主グリマルディ家に譲り渡され、レ・ボー侯爵(Marquis des Baux)の名は現在でもモナコ大公家に受け継がれている。この称号は、伝統的に大公の一族が襲名することになっており、現在の称号の保持者はカロリーヌ王女である(ただし、この称号は名誉上のものであり、レ・ボーは行政上は完全にフランスに属している)。

1822年にはレ・ボー付近で地質学者ピエール・ベルチェによって、ボーキサイトが発見された。以降、この一帯で広く採掘されたが、20世紀末に完全に枯渇した。現在のフランスは、ボーキサイトの大半を西アフリカからの輸入に頼っている。

現在のレ・ボー=ド=プロヴァンス

かつては4000人いた人口も約500人となっており、フランスの市町村の中でもかなり小規模なものとなっている。かつての栄華を偲ばせる城は廃墟となっているが、このような歴史的遺跡や景観は、現在のレ・ボーの収入源である観光業にとって重要なものとなっている。

外部リンク

ファイル:Baux.arp.750pix.jpg
レ・ボー=ド=プロヴァンスの景観

テンプレート:Sister