レジオン・ド・ヌール (ゲーム)

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テンプレート:Infoboxレジオン・ド・ヌール』(Légion d'honneur)は、Infinite-Justice制作の未発売のアダルトゲームソフト。ジャンルは「新世代バトルファンタジーアドベンチャーゲーム」。Windows98SE/2000/Me/XP対応。発売日は当初2005年12月頃とされていたが、公式ウェブサイト(http://www.amalgame.co.jp/infinite-justice)の更新は同年8月30日をもって停止し、2007年にはサイト自体が消滅した。なお、Infinite-Justiceというブランドは本作以前、2002年2月14日にも『リフレクティブハート』(Reflective Heart)というアドベンチャーゲームの発売を予定していたが、これも結局制作中止となっている。

2005年8月12・13・14日に開催されたコミックマーケットのミスリルブースでは、本作の音楽を手がけるPolyphonic BranchのボーカルコレクションCDの購入特典として、体験版DVD『レジオン・ド・ヌール -Preview Edition-』が無料配布された。

概要

タイトルの Légion d'honneur とは本来、ナポレオン・ボナパルトが制定したフランスの歴史的勲章である「レジオンドヌール勲章」のことであり、本作内にはそれらに由来する固有名詞が数多く登場する。例えばグランクロア、グラントフィシエはレジオンドヌール勲章の階級名であり、アウステルリッツアウステルリッツの戦い(三帝会戦)の舞台であり、ジョアシャン・ミュラはナポレオンの義弟の名であり、ゲルハルト=フォン・シャルンホルストもまた実在の人物名に由来している。

2005年7月に初公開された時点では『EREMENTAR LEGION-創聖の戦記-』(エレメンタル レジオン そうせいのせんき)というタイトルだったが、同年8月1日に公式サイトにて『レジオン・ド・ヌール』への変更が発表された。初期タイトル、世界観、ストーリー、キャラクター設定など、内容の多くが『EREMENTAR GERAD』(エレメンタル ジェレイド)に酷似している。

各登場人物の音声は女性キャラクターだけでなく、主人公を含む男性キャラクターにも存在する。

ストーリー

古き時代の文化と最先端の科学技術が共存する世界「ファーネリア」、そこには人間と契約を結ぶことにより己の肉体を武器へと変えることができる神秘の種族「レジョン」が存在した。

アウステルリッツ共和国の首都エイヴァンに暮らす少年レオンは、自らの育った教会の地下で長き眠りについていたレジョン人の少女フィーナに遭遇する。眠りから目覚めたフィーナは、伝説の大陸「レフガルド」へ続くとされる地「約束の丘カトル・ブラ」へ行きたいのだとレオンに語った。

フィーナの望みを叶えることを決意したレオンは、レジョン人保護組織「ミスリル」所属のミュラ、シャルン、ネーの3人を引き連れ、世界のいずこにあるとも知れぬカトル・ブラの地を探す旅へと出たのだった。

キャラクター

レオン
声:?
考古学者を志す少年で本編の主人公。本名はレオンハルト=フォン・ナパルテ。両親はおらず、エイヴァンの町の教会にて育った。一見すると気が弱そうであるが、冷静な判断力と強い探究心を併せ持っている。幻の種族レジョンの少女フィーナを長き封印から解き放ち、彼女のマエストロ(契約者)として共にカトル・ブラの地を目指す。
フィーナ
声:?
本編のヒロイン。本名はフィルミナ=ファーネリア・ランスロット。戦闘種族レジョンの中でも最高峰の聖剣七人衆「グランクロア」の一人。かつて大陸全土を焦土と化したほどの強大な力をもつレジョンで「黒衣の未亡人」と呼ばれており、その存在を恐れた者達の手によって、500年間に渡り封印されていた。戦闘時には契約者であるレオンの生命エネルギー「スピリチア」を糧とし、水を纏った大剣に変身(アルム化)する。
ミュラ
声:柏倉れん
レジョン人完全保護協会「ミスリル」で保護官を務める少女。本名はジョアシャン・ミュラ。階級はグラントフィシエ(2等級)。外見は可憐だが格闘技に優れ、服の下に隠した銃やミサイルによる遠距離攻撃も得意。その様子から「炎輝の公女」と呼ばれている。封印されているフィーナを求め、エイヴァンへとやって来る。
シャルン
声:?
人間の父とレジョン人の母との間に生まれた青年。本名はゲルハルト=フォン・シャルンホルスト。ミュラの後輩に当たるミスリル保護官。母親の種族であるレジョンを護るためミスリルに所属している。押しが弱く、ミュラや幼馴染のネーの尻に敷かれてしまうこともしばしば。
ネー
声:芹園みや
シャルンと契約しているレジョンで彼の従姉(母親の姉の娘)でもある。やや乱暴なところがあるが、ときには面倒見のいいお姉さん的な存在にもなる。空腹になると働かなくなってしまうのが欠点。アルム化すると、風の力を持つ武器へとその姿を変える。髪は初期設定では金髪だったが、後に黒髪に変更された。
クレベール
声:上杉響
フィーナを捕らえようとしている謎の組織「アマルガム」から送り込まれた人造レジョン。契約者を必要とせず、単体でアルム化できる。明るい性格を持つ少女であるが、あまり頭は良くない。「古代ハカタ語」という博多弁のような言葉を使う。
スルト
声:?
エイヴァンの町の聖サン・ジェスト教会でシスターを務めている女性。孤児だったレオンの育ての親でもある。
ランヌ
声:?
レオンと共に暮らしている鳥の姿をしたレジョン。人語を話し、非常に聡明で博識。俗世間を嫌い、日常の大半を寝て過ごしている。
クラウゼヴィッツ
声:?
レジョンを誘拐し、売り飛ばすことで身を立てている「レジョンハンター」の男。
スーシェ
声:?
クラウゼヴィッツと共に旅する幼生体のレジョン。メガネっ娘。
サン・ジェスト
声:?
レオンの前に現れた謎の老婆。「レフガルド」からレオンの身に災いが降りかかるだろうという予言を残した。フィーナが封印されていた聖サン・ジェスト教会や、フィーナ本人とも何か関わりがあるらしい。
ルーデンドルフ
声:?
ミュラ、シャルン、ネーにフィーナの捜索を命じたミスリルの総督。
レオパルド4世
声:?
50年前に滅亡した旧アウステルリッツ王朝の君主。500年前、フィーナが眠りにつく前に彼女のマエストロだった人物。生前フィーナに、レジョンの一族にもしものことが起こったらカトル・ブラに向かえ、という言葉を遺した。

スタッフ

『エレメンタル ジェレイド』との関連

テンプレート:独自研究 『エレメンタル レジオン』というタイトルで発表された本作は、発表当初から『エレメンタル ジェレイド』との著しい内容の酷似が指摘されていたが、脚本・プロデューサーとして本作を手がける杉本晃志郎(本名・掘江満)が、株式で得た豊潤な資金を背景とした、『エレメンタル ジェレイド』の出版元であるマッグガーデン社の第3位株主であることが判明すると、株の買占めを背景とした人気作品の非公式な18禁ゲーム化ではないかという疑惑が持ち上がった。その後、2005年8月1日に作品名が変更となり、これにやや遅れて8月5日、マッグガーデン社はホームページ上に(具体的な作品名などは挙げなかったものの)『当社出版作品を想起させる懸念のある著作物』の製作者に厳重な申し入れを行ったことを発表した[1]。なお、本作内に登場するミスリル、アマルガムといった固有名詞は、杉本の関連会社の名称と同一のものである。

参考資料

  • TECH GIAN』2005年9月号付録小冊子「SCOOP A GO!GO! SPECIAL」、P.34-37
  • PC Angel』2005年9月号、P.54-55
  • パソコンパラダイス』2005年10月号、P.149
  • BugBug』2005年10月号、P.116-117
  • 『TECH GIAN』2005年11月号、P.260

脚注

  1. http://www.mag-garden.co.jp/news_2005.html
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