ラ・マンチャの男

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テンプレート:出典の明記ラ・マンチャの男』( -おとこ、テンプレート:Lang-en-short)は、セルバンテス小説ドン・キホーテ』をもとにしたミュージカル作品。脚本デイル・ワッサーマン、音楽ミッチ・リイ。1965年にブロードウェイリチャード・カイリー主演で初演され、ニューヨーク演劇批評家賞などを受賞、5年6ヵ月のロングラン公演を記録した。その後も世界各地で公演されている。

日本では1969年より九代目松本幸四郎が主役を務める日本語版が名高いが、彼が六代目市川染五郎時代の1970年にはブロードウェイにわたってこの役を英語でもこなしている。俳優の二瓶正也は、当初は天本英世が主演を務める予定であったが、東宝の判断により人気のある松本に変更されたと証言している[1]

脚本は、セルバンテスが小説『ドン・キホーテ』を着想したのはセビリアで入牢している時だったという事実をもとにしている。セルバンテスと牢獄の囚人たちの現実、彼らが演じる劇中劇におけるラ・マンチャの田舎郷士アロンソ・キハーナの「現実」、そしてキハーナの「妄想」としてのドン・キホーテという多重構造となっている。当初はテレビドラマとして書かれた。これをミュージカルにすることを提案したのが製作者アルバート・シェルダンと演出家のアルバート・マールである。

あらすじと曲目

舞台は中世スペイン。劇作家ミゲルデ・セルバンテスはカトリック教会を冒涜したという疑いで逮捕、投獄される。牢獄では盗賊や人殺しなど囚人たちがセルバンテスの所持品を身ぐるみはがそうとする。セルバンテスは、自分の脚本を守るため、「ドン・キホーテ」の物語を牢獄内で演じ、囚人たちを即興劇に巻き込んでいく。

ミュージカル・ナンバーとしては、タイトル曲『ラ・マンチャの男~われこそはドン・キホーテ(Man of La Mancha - I, Don Quixote)』、ドン・キホーテが宿屋の下働きかつ売春婦のアルドンサを高貴な姫と信じて歌う『ドルシネア(Dulcinea)』などが知られる。なかでも『見果てぬ夢(The Impossible Dream)』は、本作品のテーマとして、中盤でドン・キホーテが歌い、ラストでも大合唱によって繰り返される。なお2001年に全米で巡業された公演では、1966年に『見果てぬ夢』をヒットさせた(ビルボードのチャート35位まで上昇した)歌手ジャック・ジョーンズ自身がドン・キホーテ(ミゲルデ・セルバンテス)役を演じた。

劇場映画

1972年にMGM社によって映画化された。監督・製作はアーサー・ヒラー、製作総指揮はアルベルト・グリマルディ。主な出演者は次のとおり。

役名 配役 日本語吹替
セルバンテス / ドン・キホーテ / アロンソ・キハーナ ピーター・オトゥール 金内吉男
アルドンサ / ドルシネア ソフィア・ローレン 此島愛子
マンセルバント / サンチョ・パンザ ジェームス・ココ 兼本新吾
牢名主 ハリー・アンドリュース 小松方正
サンソン・カラスコ/大公 ジョン・キャッスル
ペドロ ブライアン・ブレッスド
神父 イアン・リチャードソン 仁内建之

脚注

テンプレート:Reflist

テンプレート:トニー賞 ミュージカル作品賞

テンプレート:アーサー・ヒラー監督作品it:L'uomo della Mancha
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