ラピテース族
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ラピテース族(Lapithes, 希:Λαπίθης)は、ギリシア神話に登場するテッサリアー地方の半神話的民族である。複数形はラピタイ(Lapithai, 希:Λαπίθαι)。長母音を省略してラピテス族とも。英語ではラピタ(Lapith)。
ラピテース(アポローンの子とされる)の子孫とされ、ゼウスの妻の女神ヘーラーを誘惑しようとしたためにゼウスの怒りを受けたイクシーオーンや、結婚式のさいにケンタウロス達と闘ったペイリトオスといった人物で有名。
イクシーオーンの伝説
詳細はイクシーオーンを参照
伝説によると、イクシーオーンは、その舅を殺したり、ゼウスの妻のヘーラーを誘惑しようとし、ゼウスのおくった雲で出来た贋のヘーラーとの間に、ケンタウルスが生まれたとされる。最後には、カミナリで殺され、永遠に回転する「地獄の火車」にヘビで縛られた。
ペイリトオスとケンタウロスの伝説
伝説によると、テーセウス(アテーナイの王)は、ラピテース族の王ペイリトオスと、とても仲がよく一緒に冒険や探検をする仲であった。よって、ペイリトオスが、美しいヒッポダメイアと結婚することとなり両家の親族、友人としてテーセウス、またケンタウロス等の他のテッサリアーの住民も招かれた。
しかし婚礼の途中、初めて飲むワインに酔ったEurito(スペイン語版のEurito または、 Euritiónを参照)(ケンタウロスの中でも荒っぽい性格だった)が、花嫁を誘拐した。その他のケンタウルスも他の女達や若い男達をさらっていった。
このことに怒った、ペイリトオスやラピテース族の人たちは、テーセウスの力も借りた、ケンタウロスとの戦争で、その多く(数百)を殺した。数頭のケンタウロスのみアルカディアの近くの山に逃げることができたとされている。