ラップ現象

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ラップ現象(ラップげんしょう)とは、誰も関与しないまま、「誰もいない部屋や、何も存在しない(ように見える)空間からある種の音が発生し、鳴り響く」とされる現象で、超常現象心霊現象といわれるものの一つである。本来の超常現象的あるいは心霊現象的なラップ音以外にも、原因不明の音声が鳴る現象を、広義でこう呼ぶ場合もある。

概説

音自体は、を鳴らすような音、関節を鳴らす音、棒切れを折るような音、ドアをノックする音、足音、木造家屋がきしむ音など、人によって表現も異なるが、各ケースによっても異なる。

主に「死者の霊魂によって引き起こされるもの」であると、心霊現象研究家や、霊能者などの大部分は解釈している。

音が発生すると同時に、ある種の振動などが伴う事もあることなどから、ポルターガイスト現象の一つとして扱う研究者もいる。

だが、ラップ現象とポルターガイスト現象は別個の心霊現象として扱う研究者もいる。

また、音だけの現象のため、常に偽装説が唱えられる。

(親や親類の霊などが)「お別れを言う場合にも、ラップ現象が起きることもあるんですよ」と説明されることもある[1]

記録・確認・同定

この現象に含まれる音も様々で、反響する性格がある反面、瞬時に消えて残存しないために、科学的見地からの、客観的・合理的検証が、されづらい種類の現象でもある。

この現象を認知するには、その音を録音するのと同時に、現在では映像も同時に残す方法がある。しかしながら、撮影後の音声のミックス(オーバーダビング)などの作為もありうることから、併せて、第三者複数による現場での客観的確認も必要である。

例えば、「ある一枚のドア自体を構成する、中に空間のない均一の材質からの音の発生」や、逆に「何も存在しない空間から音が聞こえる」といった場合であっても、錯覚の結果である可能性は、常に考えられる。

また、ポルターガイスト現象同様、近年では、近くの工場などからの、肉体では感知不可能な低周波による振動や共鳴の結果であるケースもある。

新築住宅におけるラップ音

木造住宅において起こることが多いとされる一例をここでは取り上げる。住宅を建てる際、骨格となる柱に使う材木は普通ある程度乾かしたものが用いられる。しかし、中には乾燥が十分ではなかったため、年を経過させるにつれ徐々に乾きが進行し、木材が乾燥する時の割れにより「ミシッ」とか「パーン」といった音が室内に響くことがある。

歴史

この現象が、近代において広く知れ渡ったのは、1848年アメリカで起こった、フォックス姉妹にまつわるもので、これはハイズビル事件とも研究者に呼ばれている出来事である。その後、フォックス姉妹はインチキであると自白して決着したと、と学会の暴露本などでは説明付けられている。なお、フォックス姉妹は、暴露を撤回している。

関連書籍

  • 佐藤愛子『私の遺言』新潮文庫、2005

脚注

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関連項目

  • 『オーラの泉』2006年8月小池栄子出演回。江原啓之による説明