ラジオの製作
『ラジオの製作』(ラジオのせいさく、1954年創刊 - 1999年休刊)は、かつて電波新聞社が発行していた日本の月刊誌である。アマチュア無線(ハム)、パーソナルコンピュータ、オーディオ、BCL、エレクトロニクスの総合入門雑誌。略称は「ラ製」(ラせい)。ライバル誌として誠文堂新光社の初歩のラジオ(略称は「初ラ」)などがあった。
略歴・概要
ラジオ技術社(現在のインプレスコミュニケーションズ)の代理部、通称「ラジオ技術サービス・ステーション」が販売したラジオのキットの組み立て方法を説明したパンフレットとして、1954年(昭和29年)、同社によって創刊された。創刊当時は不定期刊であり、同年内に第2集まで発行されたが、同年末に発行された1955年(昭和30年)1月号から月刊化した。創刊号からタイトルの冒頭には「だれでもできる」と記されており、後にこのキャッチフレーズは「だれにもできる」と変更した。創刊当時は物品税が高価で、ラジオやオーディオ機器は部品を買い集めて自作した方が安く付いたため、当初は題名が示すとおりラジオなどの製作記事を中心にした編成となっていた。
その後、製作記事の範囲はエレクトロニクス全般に拡大し、レコードやCDの新譜紹介や音楽情報など、製作以外の記事も多数取り入れられるようになった。特に1970年代後半から1980年代にかけて(昭和50年代)のBCLブームでは、その情報量は他のラジオ専門誌を圧倒するものだった(当時他にはライバル誌「初ラ」と「短波」しか存在しなかった)。本誌は、市民ラジオ愛好家に対し、citizen bandを意味する「CB」から「CB'er」(シーバー)と命名し、編集部を挙げてイベントを開催するなどその健全化にも力を注いだ。
1970年代以降のエレクトロニクス趣味のコンピュータ化にも追随し、同社他誌とは住み分けつつ(マイコンBASICマガジンは本誌の別冊付録が発祥である)、パソコン関係の記事にも注力していったが、1999年(平成11年)3月発売の4月号の発刊を最後として月刊誌としての発行が終了。その号で「今後は春・夏・冬休みの期間に併せて発行するムック形式で刊行する」と発表したが、同年7月に発行された「デンパムック」シリーズの『ラジオの製作SPECIAL』以後続刊はされておらず[1]、事実上の廃刊となった。
同社からは2008年(平成20年)から、同誌の流れを汲むムックとして「電子工作マガジン」が出版されている。
ビブリオグラフィ
本誌
- 『ラジオの製作』、パンフレット、ラジオ技術社、1954年(第2集まで)
- 『ラジオの製作』、月刊誌、電波新聞社、1954年12月(昭和30年1月号) - 1999年3月(平成11年4月号)
- 『ラジオの製作SPECIAL』、ムック、電波新聞社、1999年7月(平成11年、1号) ISBN 4885548527 [1]
書籍
国立国会図書館蔵書、版元はすべて電波新聞社、編集・著作はすべて月刊ラジオの製作編集部[2]。
- 『たのしい電子工作 no.1』、1990年3月 ISBN 4885542456
- 『たのしい電子工作 no.2』、1990年8月 ISBN 4885542642
- 『たのしい電子工作 no.3』、1991年4月 ISBN 4885542901
- 『たのしい電子工作 no.4』、1994年5月 ISBN 4885544149
関連項目
- ジャンル
- 同ジャンル他誌
- 同版元
註
外部リンク
- 電波新聞社 - 版元の公式ウェブサイト