ヤマハ・FG

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ヤマハFGは、日本の楽器メーカーヤマハ1966年より製造している、日本国産初のアコースティックギターのシリーズ名である。第1号機は1966年10月に発売されたFG-180とFG-150の2機種。主に普及価格帯が中心であり、フォークタイプとウエスタンタイプのボディがある[1]。2008年現在も生産は続けられているが、現行ラインナップではFG-150の様なフォークタイプのボディシェイプのギターはFSに改称されFGと区別されている。

概要

ヤマハのFGは日本の楽器メーカーの量産アコースティックギターの中では最も歴史が古いものである。FGという名称は「ヤマハの『フ』ォーク・『ギ』ター」が由来である[2]。 独特の音色、オリジナルのボディやヘッドの形状が特徴。1966年に最初のモデルFG-180とFG-150[3]が「国産フォークギター第1号」として発売された。

ファイル:Yamaha FG-365SII label.jpg
ボディ内のラベル。

初期のFGには、ボディ内のラベルの色により最初期型の通称ライトグリーンラベルと後期の赤ラベルがある。また、ギターのヘッドも変化し1968年までは「YAMAHA」の横ロゴでロッドカバーは釣鐘型、1969年から1972年はロッドカバーの形が変わり、音叉を組み合わせたヤマハのマークが付く。

最初のFG以後、マイナーチェンジを繰り返しながらシリーズ化して販売され、緑ラベル、黒ラベル、オレンジラベル、ベージュラベル等に区別される。

マーティンギブソンなどの高級品とはまた別の良さをFGに見る愛用者も多く、「マーティンも持っているが、昔買ったFGが今でも一番のお気に入りだ」という感想も散見される(外部リンク「FG Stories」参照)。

現行品

2014年1月現在ではThe FG、FG750S、FG730S、FG720S、FG720S-12、FG720SL、FG700Sが販売されている。 また、The FGはゆず岩沢厚治が使用しているFG-Customをもとに作られたと言われており(メーカーからの発表はない)表板、側裏板、スケールが同じであり、現行しているFGで音や外見が一番近いと言われている。

フォーク・ブームとFG

1960年代から1970年代における日本のフォークムーブメントのなかで、三上寛中川五郎といった多くのミュージシャンがこのFGシリーズに触れ[4]、それ以降もゆず岩沢厚治[5]坂本サトルらが使用している[6]

FGを使用した主な演奏家

国内ではゆず岩沢厚治遠藤賢司福山雅治らが、日本国外でもボブ・ディランジェイムス・テイラーらが使用した[7]

中古市場の動向

FG-180等に代表される初期の赤ラベルのギターは低価格ながら丁寧な作り、ラッカー塗装、鳴りの良さなどから銘器と呼ばれる。(しかしオール合板にしてはということ)初期FGは近年中古市場での評価も高まってきており、インターネットオークションなどで定価の数倍の値段で取引されている。また国外に目を向けると、1980年代初期以前のモデルは「赤ラベル」や「日本製」に限らず、新品時の定価とさほど変わらない値段で取引されている。

参考文献

西垣成雄編集『エイムック506 Vintage Guitars Vol.6 丸ごと一冊YAMAHA FG』枻出版社、2002年。 (ISBN 4-87099-637-5)

出典

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外部リンク

  • 白井英一郎「YAMAHA FGをもっとよく知るための用語集」(前掲『丸ごと一冊』)110ページ。
  • 編集部(インタビュー)「FG開発者・植田秀男さんが語るFG誕生秘話」(前掲『丸ごと一冊』)58ページ。
  • 1966年~1972年販売。FG-180は1995年に一度再発売された。
  • 編集部(インタビュー)「対談 三上寛×中川五郎」(前掲『丸ごと一冊』)88 - 91ページ。
  • 椎名耕平「インタビュー & ライブリポート 岩沢厚治(ゆず)」(前掲『丸ごと一冊』)44 - 49ページ。
  • 椎名耕平「インタビュー  坂本サトル」(前掲『丸ごと一冊』)84 - 87ページ。
  • 椎名耕平「海外のFGプレイヤーとその作品」(前掲『丸ごと一冊』)50 - 55ページ。