メメント (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:Infobox Filmメメント』(原題:Memento)は、2000年に公開されたアメリカ映画クリストファー・ノーラン監督作品。監督の弟であるジョナサンが書いた短編『Memento Mori』[1]が元になっている。内容はストーリーを終わりから始まりへ、時系列を逆向きに映し出していくという斬新な形式を取っている。

インディペンデント・スピリット賞にて、作品賞、監督賞を受賞した。アカデミー賞ではオリジナル脚本賞、編集賞にノミネート。ゴールデングローブ賞では最優秀脚本賞にノミネートされた。

あらすじ

ある日、主人公・レナードの妻が、自宅に押し入った何者かに強姦され、殺害されてしまう。レナードは現場にいた犯人の一人を銃で撃ち殺すが、犯人の仲間に突き飛ばされそのときの外傷で、10分間しか記憶が保てない前向性健忘になってしまう。

復讐のために犯人探しを始めたレナードは、自身のハンデをメモをすることによって克服し、目的を果たそうとする。出会った人物や訪れた場所はポラロイドカメラで撮影し、写真にはメモを書き添え、重要なことは自分の体に刺青として彫り込んだ。しかし、それでもなお、目まぐるしく変化する周囲の環境には対応し切れず、困惑し、疑心暗鬼にかられていく。

果たして本当に信用出来る人物は誰なのか。真実は一体何なのか。

登場人物

役名:俳優(ソフト版吹き替え)

レナード・シェルビー:ガイ・ピアース(吹替:小山力也
物語の主人公である男。事件以前は保険会社の調査員をしていた。妻が強姦・殺害される現場を目撃し、その犯人により受けた外傷で、事件後の記憶が10分間しか保てなくなってしまう。
そのために物語の中では、自分がどんなつもりで今何をしているのか、今話している会話の趣旨は何なのか、解からなくなってしまう場面がしばしば見られる。
テディ:ジョー・パントリアーノ(吹替:後藤哲夫
レナードの犯人探しを手伝う男。レナードに対して妙に親しげで、たびたび助言や忠告、手助けをしてくれる。
彼の死が物語の始まりであると同時に結末でもある。
ナタリー:キャリー=アン・モス(吹替:塩田朋子
レナードを手助けする謎の女性。彼の依頼でとある調査を行った。
ジミー・グランツ:ラリー・ホールデン(吹替:高橋耕次郎
ナタリーの行方不明の恋人。
ドッド:カラム・キース・レニー(吹替:田中正彦
レナードと争う謎の男。
バート:マーク・ブーン・ジュニア(吹替:星野充昭
レナードが泊まっているモーテルのフロント係。
サミュエル“サミー”・ジャンキス:スティーヴン・トボロウスキー(吹替:小林勝也
レナードがかつて担当していた顧客。主人公と同様、事故により前向性健忘を患っている(ただし彼の場合、記憶を保持出来るのは2分間だけ)。
レナードは彼のことを教訓として、自身の症状に上手く対処しようとしている。
サミーの妻:ハリエット・サンソム・ハリス(吹替:吉野佳子
サミーの妻。前向性健忘を患っている夫との関係に疲れている。
レナードの妻:ジョージャ・フォックス(吹替:安藤麻吹
回想の中で登場。

物語のキーワード

「サミーを忘れるな」
レナードが口癖のように口にする言葉。レナードはサミーの二の舞にはなるまいと、反面教師的に彼の話をしばしば思い返す。
劇中では、電話でレナードが誰かとサミーについて話しているモノクロのシーンが断片的に挿入され、彼がどんな顛末を辿ったのかが徐々に明らかになっていく。
身体の刺青
レナードは、過去に起きた出来事や大切な事柄を紙にメモして記憶を補っているが、それではなくしてしまったり、誰かに書き換えられたりする恐れがある為、重要な事は身体に直接刺青をして忘れぬようにしている。そのため、彼の身体はメモした刺青で溢れている。
メモ付きのポラロイド写真
レナードは、新たに知り合った人物は顔写真を撮り、名前とその他情報を写真に書き添えて、忘れてしまっても相手のことが分かるようにしている。
ジョン・G
レナードの体に彫られた刺青にある名前。どうやら犯人の名前であるらしく、この名前を追い求めてレナードは奔走するが……。

脚注

  1. タイトルの由来はラテン語の警句。詳しくはメメント・モリを参照。

関連項目

外部リンク

テンプレート:クリストファー・ノーラン監督作品

テンプレート:Asbox

テンプレート:Link GA