ミルクイ

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ミルクイ海松食水松食、学名 テンプレート:Snamei)は、二枚貝綱バカガイ科の1種。ミルガイ(海松貝)、あるいはミルクイガイ(海松食貝)とも呼ばれる。季語、三冬。

形態

殻長15cmほどの大きな二枚貝で、殻表は暗褐色の殻皮で被われる。体の後ろにある水管が大きく発達しているのが特徴で、水管を殻の中にひっこめることはできない。

水管は黒い皮におおわれており、海藻が生えることもある。この水管に海藻が生えた様が「海藻を食べている」ように見えたことからこの名がついた。なお、密生した海藻がまるで松葉が集まったように見える為に海松と云われるだけで、ミル(学名テンプレート:Snamei)ばかりが水管に生えるわけではない。

生態

浅瀬の砂泥底に、深い穴を掘って暮らす。

日本における概要

分布

日本全国に分布し、主に瀬戸内海三河湾東京湾などの内湾の砂泥底に生息する。

食材

大きな水管を食用にし、刺身寿司ネタ、塩焼きなどにされる。その他の部位は捨てられるが食べられない訳ではない。日本産のミルクイは減少し今や高級食材の一つとなっており、一般に流通しているミルクイのほとんどは韓国産や中国産である。

代用食材
ファイル:2009 Mollusca in Hong Kong.JPG
中華料理屋で値札付きで飼育されるアメリカナミガイ(ミルクイではない)

ミルクイの代用食材として利用される種に、通称「白みる(白ミル)」のナミガイ テンプレート:Snamei テンプレート:AUアメリカナミガイ テンプレート:Snamei がいる(いずれも別上科のキヌマトイガイ上科キヌマトイガイ科)。ナミガイは千葉県東京湾兵庫県播磨灘山口県周防灘愛知県三河湾などが主産地で殻付きの活きたものが売られ、アメリカナミガイはカナダなどからの輸入品が回転寿司などの「みる貝」によく利用される。ミルクイはこれら白みる貝と区別する意味で「本ミル」(稀に「黒ミル」)と呼ばれるが、少なくとも20世紀末以降の流通量はナミガイ類(白みる)の方が圧倒的に多い。とは言え、代用品とされる白みる類も大変美味な貝類である。de:Elefantenrüsselmuschel en:Tresus es:Panopea abrupta fi:Geoduck fr:Panopea abrupta it:Panopea abrupta ko:코끼리조개 lt:Panopea abrupta nl:Geoduck pt:Panopea generosa ru:Гуидак th:หอยกูอีดั๊ก vi:Ốc vòi voi zh:太平洋潜泥蛤