ホンダ・CBR1000RR

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CBR1000RR(シービーアールせんダブルアール)は本田技研工業が生産、販売を行っているオートバイである。日本国外モデルにはFireblade(ファイヤーブレード)のペットネームが与えられている。

概要

CBR1000RRCBR954RRの後継車として2004年4月20日に発売された[1]HRCのワークスマシン、RC211Vのレプリカというコンセプトのスーパースポーツモデルで、リヤサスペンションのユニットプロリンクや、市販車で初めての採用となる電子制御ステアリングダンパーのHESD(Honda Electric Steering Damper)など、RC211Vで培われた技術を数多く取り入れられた[2][1]。外観デザインもRC211Vを踏襲し[3]、左右独立のヘッドライトや[注釈 1]やシートカウル後端に排出口がレイアウトされるセンター出しマフラーが採用された。フロントブレーキにトキコ製のラジアルマウントキャリパーを採用し[4]、リアブレーキは従来通り日信工業のキャリパーを採用した。電子制御方式のステアリングダンパーはカヤバ工業と共同開発した。ユニットプロリンク方式のスイングアームを採用したことで、CBR954RRに採用されていたピポットレスフレームは採用されていない。また、CBR954RRの170kgに対し181kgと重量は増加した[注釈 2]

テンプレート:要出典範囲

1代目(SC57)

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表

歴史

ファイル:Honda CBR 1000 RR Fireblade 2004.jpg
パールフェイドレスホワイト

2004年仕様 - 3月31日にCBR954RRの後継モデルとして以下のカラーバリエーションで発売された[1]

2005年仕様 - マイナーモデルチェンジによりMotoGPワークスチーム、レプソルホンダのRC211Vと同一色が限定車として発売され、カラーバリエーションが以下のように改められた[5]。ハザードランプを標準装備した。

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2代目(SC57)

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表

2006年に初のモデルチェンジを行い、以下のような改良によって輸出用モデルで3kg、日本仕様モデルで4kgの軽量化が行われた[6]

  • サイレンサーの軽量化、デザインの変更
  • カセットトランスミッションの加速側の3-6速を逆テーパードッグ化
  • シフトチェンジドラムの軽量化
  • フレームのヘッドパイプ位置変更と専用部品化によるキャスター角、トレール量の変更
  • フロントブレーキディスクの大径化(310mmから320mm)および肉薄化(5.0mmから4.5mm)
  • フロントブレーキマスターシリンダーのオイルカップの形状変更、および素材をプラスチックに変更
  • リアブレーキキャリパーのピストン径を変更(38mmから30mm)、およびマスターシリンダーの径を変更(15.8mmから14.0mm)
  • リアホイールダンパーの材質を変更(ウレタンからラバー)
  • アルミシートレール形状の変更、および軽量化
  • カムシャフトの材質を変更、および形状変化によりバルブリフト量を増加
  • レブリミットの延長
  • ラジエータの小型、高密度化とラジエータホースの変更
  • AGCカバーのマグネシウム化など車体全体の軽量化
  • ECU(電子制御ユニット)の小型、軽量化とマップ、搭載位置の変更(右サイドからエアクリーナー上部へ移動)
  • カウル形状の変更
  • メーターパネルのデザインを変更
  • スモーククリアレンズのウィンカーを採用

歴史

ファイル:2006 Honda CBR1000RR Fireblade.jpg
2006年、キャンディーフェニックスブルー(ウィングパターン)

2006年仕様 - モデルチェンジを行い、以下のカラーバリエーションで発売された[6]

2007年仕様 - 2006年11月13日に2007年仕様としてトリコロールカラーの受注限定仕様が発売され、カラーバリエーションが以下のように改められた[7]。また、MotoGPにおけるニッキーヘイデンのライダータイトル、およびコンストラクタータイトル獲得を祝して2007年2月21日には900台の生産台数限定でレプソルカラーの限定仕様が発売された[8]

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3代目(SC59)

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表

2007年10月1日に、2008年型モデルとしてフルモデルチェンジが行われた[9]。エンジンと車体をすべて新設計として約6kgの軽量化が行われた。外観意匠はカウリングが小型化され、フロントウインカーとポジションランプがミラー内蔵式に変更された。マフラーはセンターアップタイプからショートタイプのアンダーマフラーへ変更され、これに伴いスイングアームが延長されガルアームが採用された[10]クラッチは油圧式からワイヤー式に変更されて、アシスト付スリッパークラッチが採用された。

発表当初は輸出仕様のみ生産されていたが日本仕様も2008年7月11日に発売され、9月5日に追加色としてトリコロールカラーも発売された。2009年2月17日にはスーパースポーツ車両としては初となるアンチロック・ブレーキ・システムを装備したCBR1000RR<ABS>が追加発売された[11]

歴史

2008年仕様 - フルモデルチェンジを行い、以下のカラーバリエーションで発売された[12]。また、2008年12月4日には2008年12月4日から2009年1月13日の受注期間限定でレプソルカラーが発売された[13]

2009年仕様 - スーパースポーツ用電子制御式ABSを搭載したABS仕様を発売するとともに、カラーバリエーションが以下のように改められた[14]

2010年仕様 - 走行中のトルク変動緩和を目的としたフライホイールやクランクシャフトの改良を行うとともに、カラーバリエーションが以下のように改められた[15]

2011年仕様 - カラーバリエーションが以下のように改められた[16]

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4代目(SC59)

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表

2011年9月23日に4代目となるCBR1000RRを発表し、12月15日より発売した[17]。大きな変更点としてサスペンションがビックピストンフロントフォークとバランスフリーリアクッションになり、ホイールが12本スポークタイプに換装されている。ヘッドライトは直線的な意匠となり、インストルメントパネルはタコメーターがバータイプとなり、ギアポジションインジケーターがこのモデルで初めて装備された。ショートマフラー、ウインカー内蔵型ミラーは踏襲された。

歴史

2012年仕様 - モデルチェンジを行い、前後サスペンションに新機構が採用されるとともに、以下のカラーバリエーションで発売された[18]。なお、今回のモデルは1992年の初代CBR900RRファイアーブレードの発表から20周年記念にあたり、20thアニバーサリーのステッカーが貼付される[19]

2013年仕様 - カラーバリエーションが以下のように改められた[20]。また、2012年11月12日から2013年1月7日の受注期間限定でレプソルカラーが発売された[20]

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仕向けによる仕様の違い

販売対象国によって細部に違いはあるものの、大別して欧州仕様(ED(European Direct Sales)・EU仕様)、北米仕様豪州も含む)、日本仕様、の3つに別けることができる。日本仕様と比べて、欧州仕様と北米仕様はFirebladeのペットネームを持ち、カラーパターンが異なり、車体番号の代わりに車両識別番号(VIN)が打刻されるなどの違いがある。

欧州仕様

  • ヘッドライト消灯スイッチの装備(ヨーロッパ仕様は非装備)。
  • キャタライザを装備。

北米仕様

日本仕様

  • 名称を「CBR1000RR」、車体番号「BC-SC57」「EBL-SC59」として販売。
  • 年式によりレギュラーガソリン仕様とハイオク仕様がある。(2004 - 2007に関してはレギュラーガソリン対応、2008以降がハイオク対応)
  • 日本国内環境規制に対応するため、吸排気口の絞込み、ECUの設定変更などで最大出力および最大トルクを調整。
  • 180km/hで速度リミッターが作動。
  • リアスプロケットのサイズ変更。
  • ドライブチェーンに防音材を追加。エンジン周辺に防音材(主にゴム板や樹脂)を配し、騒音規制に配慮。
  • ヘッドライトの常時点灯。
  • ハザードランプスイッチの装備(2005年モデル以降)。
  • 2年間のメーカー保証があり、全国のホンダ系販売店で車検証を見せないで部品注文が可能(逆輸入車は車検証を見せる必要あり)。
  • 車両のステッカーとマニュアルが日本語表記。

レースベース車 毎年台数限定で発売されており、欧州仕様をベースにレース走行に不要な保安部品を取り外され、エンジンやECUなどがレース用の設定に変更された仕様で、日本の自動車検査登録制度においては登録がでず、公道走行はできない[21][22][23]

リコール

  • 2004年4月7日から5月8日に生産されたモデルにおいて、スピードメーターの誤差によりリコールが行われている[24]
  • 2004年4月7日から2006年1月16日までに生産されたモデルにおいて、ジェネレーターに不具合があるとしてサービスキャンペーンとして無償交換が行われている[25]
  • 2006年2月10日から2007年10月25日に生産されたモデルにおいて、燃料タンクのエアベントパイプの構造が不適切なため、リコールが行われている[26]

参考画像

脚注

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注釈

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出典

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参考文献

外部リンク

テンプレート:Notice テンプレート:Motorcycle-stub テンプレート:Sister

テンプレート:ホンダのオートバイの車種
  1. 1.0 1.1 1.2 2004年3月31日プレスリリース スーパースポーツバイク「CBR1000RR」を発売
  2. テンプレート:Cite web
  3. テンプレート:Cite web
  4. テンプレート:Cite web
  5. 2004年10月20日プレスリリース スーパースポーツバイク「CBR1000RR」をマイナーモデルチェンジし新たに「CBR1000RR・Special Edition」を限定発売
  6. 6.0 6.1 2006年2月22日プレスリリース スーパースポーツモデル「CBR1000RR」をモデルチェンジし発売
  7. 2006年11月13日プレスリリース
  8. 2007年2月21日プレスリリース
  9. 2007年10月1日プレスリリース 欧州向け二輪車 2008年型モデルを発表
  10. Honda・CBR1000RR Factbook 2008.7
  11. 2009年2月10日プレスリリース 「CBR1000RR」に世界初のスーパースポーツモデル用電子制御式“コンバインドABS”を搭載した「CBR1000RR<ABS>」をタイプ追加し発売
  12. 2008年6月20日プレスリリース
  13. 2008年12月4日プレスリリース
  14. 2009年2月10日ニュースリリース
  15. 2009年11月26日ニュースリリース
  16. 2010年12月3日ニュースリリース
  17. NewsRelease 2011 The new Honda CBR1000RR Fireblade
  18. 2011年11月29日ニュースリリース
  19. ホンダ CBR1000RRファイアーブレード 新型発表
  20. 20.0 20.1 2012年11月12日ニュースリリース
  21. 「CBR1000RR レースベース車」を発売
  22. ロードレース競技専用車「CBR1000RR レースベース車」の2005年型モデルを発売
  23. ロードレース競技専用車「CBR1000RR レースベース車」の2006年型モデルを発売
  24. CBR1000RRのリコール(平成16年5月24日届出)
  25. CBR1000RRのサービスキャンペーン
  26. CBR1000RRのリコール(平成19年11月21日届出)


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