ホンダ・ホーネット

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ホーネット(Hornet)とは、本田技研工業が製造しているオートバイのシリーズの名称である。2012年現在日本向け車両の生産は行われていない。

広義的に250cc、600cc、900ccの排気量があり、本稿では全ての排気量のホーネットについて述べる。

概要

張り出したボリューム感のあるタンク、一本の角型パイプを剛性メンバーとしたモノバックボーンフレーム、リアテールカウル直下に配置したアップマフラーなどを個性に持つネイキッドバイク。いずれのモデルもエンジンは同社のCBRからの流用である、水冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒を搭載することから、CBR系モデルのネイキッド版の一種という位置付けである。なお Hornet は英語スズメバチを意味する。

ホーネット

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表

  • 正式名称は“ホーネット”であり、「250」を付けた呼称は後から誕生したホーネット600およびホーネット900との区別に便宜上用いられる通称。日本国内で単にホーネットと言えば、ほとんどの場合250ccモデルを指すことが多い。1996年1月発表。
  • 外観上の特徴は、シートカウル右側直下に取り付けられた1本出しアップマフラーと、同社CBR900RRと前後同サイズのホイールおよびタイヤなどが挙げられる。
  • 1987年発表のCBR250FOUR以降受け継がれてきた、水冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒エンジンを、幅広い走行条件下での柔軟性を求め低・中回転域のパワーバンドを強化し搭載。
  • その特徴はギアでカム駆動を行うカムギアトレーンで、カムギヤの駆動音が他の音源と合わさり独特のサウンドを奏でる。本来はレーサーレプリカ向けエンジンとしての出自を持ち、レッドゾーンが16000rpm-18000rpmという超高回転型パワーユニットである。そのため、排気量・気筒数による要因を除いても比較的トルクが薄く、クロスレシオ化をもっても、加減速の多い場面での乗りこなしに熟練が必要な車両となった点は、所有者にとって美点であるとも欠点であるともいえる。
  • リヤサスペンションはモノサスペンションであるが、ホンダネイキッドの御多分に漏れずリンク機構は与えられていない。
  • 2005年9月29日ホーネットDX(デラックス)発表。初のツートンカラー(黒に赤または黄)を採用。価格以外の性能諸元などに変更はなし。全車にマルチリフレクターヘッドライトを採用し、視認性を向上。メーターパネルの発光色をブルーに変更。マイナーモデルチェンジ11月28日より発売。デラックスタイプ12月24日より発売。
  • 2006年12月マイナーチェンジ、車体色が刷新された。カラーオーダープランは終了。
    • スタンダード:ブラック及びホワイト
    • デラックス:黒に青、シルバーまたは赤
  • 2007年12月生産終了発表。排ガス規制、騒音規制及び開発コストとの兼ね合いからか後継車種の発表はなく、これをもって250cc4気筒バイクは日本市場から消滅することとなった。

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ホーネット600

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表

Hornet600 PC34(1998年-2002年)

  • フレームは出力の増加に伴い補強が施されているが、基本的な構成はホーネット250とほぼ同じ。250ccの車格で大型二輪のパワーを持つ軽量な車体を低コストで実現することに成功している。
  • CBR600Fのエンジンを、主に給排気系のセッティング変更で中低速回転域を強化し搭載。
  • 日本国外仕様とはエンジン出力、フロントブレーキキャリパーなどが異なる。
  • 日本市場では1000cc以上の大型二輪自動車に人気が集中する傾向があり、販売面では苦戦、2001年国内販売終了。

ホーネットS

  • 2000年発表。コンパクトなハーフカウルを装着したモデル。17インチのフロントタイヤが装着された。

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CB600F Hornet PC36(2003年-2006年)

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表

欧州市場、特にイタリア市場では販売好調であった。2005年モデルでは、以下のような変更点がある。異形ヘッドランプおよび倒立式フロントフォークの採用。マフラーの変更燃料タンク容量の増加(16→17L)。シート、リアカウル、グラブレール、リアフェンダー、テールランプ変更(これらは外見から判断する限りホーネット900と同等のものと思われる)など。

  • CBF600/Sは、エンジンやフレームなどの基本コンポーネントを同じくする姉妹モデル

CB600F Hornet PC41(2007年-)

  • フレームはモノバックボーン式ながら材質はアルミに変更され、グラビティダイキャスト(GDC)方式の3ピース構造に進化した。
  • エンジンは2007年型CBR600RRと同型。PGM-FIのスロットルボアの変更などで、中低速重視のトルク特性に変更。
  • デザインはホンダイタリアで、販売は前作も好調な売り上げを記録した重要市場であるイタリア中心になるとみられる。
  • 2009年車体色変更。フロントフォークにプリロードアジャスターと伸び側減衰力調整機構、リアショックに伸び側減衰力調整機構を追加。車名ロゴをステッカーから立体エンブレムに変更。

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CB600F Hornet(2011年-)

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表 2010年イタリアで行われたミラノモーターショーで新型が発表された。同時にCB600Fのフルカウル版のCBR600Fも発表した。 テンプレート:-

CB900ホーネット

テンプレート:Infobox オートバイのスペック表 2001年9月発表。日本国内発売仕様としては当モデルのみ「CB」を冠する。

SC48(2001年-2007年)

  • パワーユニットには、1998年モデルCBR900RRの水冷DOHC直列4気筒918ccを選択。搭載に当たっては、PGM-FIを採用しインジェクション化、さらにバルブタイミング、ポート形状、スロットルバルブの角度などが見直され中低速域のトルクを増強、走行状況に対する柔軟性が増した。
  • シリーズ独特のモノバックボーンフレームは250および600と形状はほぼ同じであるが、メインパイプの板厚が1.6mmから2.3mmに強化された。また、ステアリングヘッドの接合剛性やハンドル位置なども見直されている。
  • 750cc超のネイキッドの中において、直列4気筒エンジンとスチールフレームという車体構成の割りに軽量・コンパクトな部類に属する。
  • 900cc版のみ盗難抑止機構イモビライザー“H・I・S・S”(Honda Ignition Security System)の搭載、燃料タンクの大容量化(16L→19L)、アルミ製リアスイングアームの採用、フロントホイールの17インチ化や専用のシート・シートカウルなどの相違点があり、車体構成上の共通点は少ない。
  • 発表当初の車体色は、「イタリアンレッド」と「フォースシルバーメタリック」の2色。のち、「キャンディタヒチアンブルー」と「フォースシルバーメタリック」の2色に変更された。
  • 2003年日本国内での販売終了。当時のメーカー希望小売価格は、82万円(消費税別)。
  • 北米仕様は日本や欧州仕様と違い、排気量である919がそのまま車両名になっている。
  • 輸出仕様と国内仕様の外観上から判断できる主な違いは
    • リアカウルに車名「Hornet」ステッカーの有無。
    • 前後ブレーキキャリパーの色(輸出仕様:黒、日本仕様:ゴールド)
    • メーターカバーの仕上げ(仕様:メッキなし、日本仕様:シルバーメッキ)。 ただし、輸出仕様も2004年のマイナーチェンジの際、日本仕様と同様に改められている。
  • 2004年マイナーチェンジが行われ、点火タイミングの変更、メーター内への時計の追加、サスペンションのアジャスト機構追加・セッティング見直し、ヘッドカバーの色変更、および車体色の変更などが施された。
  • 2007年モデルを最後に生産終了。CB1000Rが実質的な後継モデル。

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脚注

出典

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関連項目

外部リンク

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