ベレッタM93R

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テンプレート:Infobox ベレッタ93R(Beretta 93R)は、イタリア銃器メーカーであるピエトロ・ベレッタ社が1977年に開発した対テロマシンピストルである。

当時のイタリアでは、年々凶悪化するテロや誘拐犯に対抗するため、要人警護では高い制圧力を持つアサルトライフル短機関銃などの重火器が必要とされていた。しかし実際に警護の対象となる要人は、社会的なイメージの問題から重装備による警護を忌避する場合が多く、そのため拳銃サイズでありながら高い制圧力を兼ね備えた銃が必要となり、この93Rが開発された。

M1951Rの後継機種であり、ベレッタM92をベースとしてロングバレル化・ロングマガジン化され、フォールディングストック(折り畳み式の姿勢支持用ストック)も装着でき、セミオート(単射)・3点バースト(3点射)が切り替え可能なモデルとなっている。

口径は9mm(9x19mmパラベラム弾)、装弾数はダブルカラムマガジンによる20+1発である(通常の15発マガジンも使用可能)

特徴

ベースがベレッタM92であるため、ショートリコイルの形式、上面が切り取られたスライドなど、類似点は多い。

M1951Rの後継機種として開発された93Rには、M1951Rと同じ特徴がいくつか見受けられる。

  • テロマシンピストルとしての開発。
  • ベースモデルのロングバレル・ロングマガジン化。
  • フォアグリップの装備。

などがそうであるが、M1951Rと93Rで決定的に違うのは「フルオート機構の廃止・それに代わる3点バースト機構の組み込み」である。

拳銃におけるフルオートというのはストックがあっても制御がしづらく、また、マガジン自体が短機関銃に比べて小さい(装弾数が少ない)ため、使いこなすには非常に高度な訓練を必要とした。それに対し3点バーストは「バースト時の制御が比較的易しくなり、弾の消費も節約できてセミオート(単射)よりも高火力」という利点があった。このため93Rではフルオートが3点バーストへ変更になり、また、初弾射撃時の衝撃によって次弾の狙いがずれることを考慮し、連射サイクルが非常に速くなっている。

バレルの先端には特徴的なガスポートが開いており、ここから噴出するガスの圧力によって銃口の跳ね上がりを抑える効果がある。また、このガスポートの形状は、初期型(長方形6つ)と後期型(菱形3つ)の2種類が存在する。

93Rは3点バースト機能付きのため民間用に販売はされておらず、公的機関からの需要があった時のみ生産・供給されている。

登場作品

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関連項目