ベム
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ベム(BEM)は、Bug Eyed Monster(Big Eyed Monsterとも)の略語で、通常「大目玉の怪物」と訳される。初期のサイエンス・フィクションに登場する宇宙人あるいは宇宙怪物の総称である。
BEMは直訳すれば「昆虫の目玉を持った怪物」であり、その名の通り、昆虫の複眼のような巨大な目を備えた怪物として描かれる。20世紀前半に粗製濫造されたスペースオペラ作品においてはしばしば敵役として登場する。その類型は、主人公たるヒーローに襲いかかり、ヒロインを拉致しては裸に剥く、いかにも非人間的な、あまり知性の見られない怪物というものである。ベムの呼称は、類人猿やトカゲなど地球に見られる動物に昆虫の複眼をくっつけた、安直なアイデアによる造形から来ている。
ベムはスペースオペラの全盛期にはさかんにパルプマガジンの表紙を飾ったが、SF読者の目が肥え、宇宙人を描くにもそれなりの科学的合理性・生物学的考証が要求されるようになってからは、オマージュやパロディとして以外はあまりSF作品に登場しなくなった。