ベストエフォート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:出典の明記 ベストエフォートテンプレート:Lang-en、最善努力)とは、最大の結果を得られるよう努力することをいう。通常、委任契約等における受任者の負うべき義務を規定する場合に使われる用語で、そのような努力がなされないときは債務不履行責任を負うものの、そのような努力がなされたうえは、結果に対する責任を負わないことを定める際に用いられる。

コンピュータおよび通信の世界では、技術用語としてもベストエフォートの語が用いられる。この文脈では、ベストエフォートとは、利用者からシステムに送られる要求がその能力を超えても、それに対して明示的な対処をしない方式を意味する。通常、能力を超えた要求は、エラーの通知も再処理もされず、黙って捨てられる。

通信事業者のインターネット回線品質がベストエフォート型を標榜する場合、網の能力を超えたトラフィックが入力された場合に超過分が捨てられる仕組みを意味することが多いが、それは同時に同料金を支払っている契約者の中で大きく異なるサービスが提供される結果になるため、契約履行の公平性を失ったサービス提供が消費者トラブルの要因となることがある。いわゆるブロードバンド接続などに関連して、プロバイダー事業者などが無責任範囲を恣意的に拡大解釈し、「通信事業者がいかなる意味でも品質に関する義務を負わないこと」と解して顧客に対して回線品質の劣化や提供サービスの上げ底化を弁護する行為が典型である。こうした通信事業者の行為は、単に信義則に反するだけではなく、結果的に通信速度の広告表示内容とサービスの実態の乖離を発生させるため、景品表示法で禁止される広告の正確性も疑われることになる。