フェノバルビタール

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テンプレート:Drugbox フェノバルビタール(分子量232.2、CAS登録番号 50-06-6)は、バルビツール酸系抗てんかん薬である。略称はPB。商品名はフェノバール®第一三共株式会社)、ルミナール®純生)等。

特徴

不安・緊張状態の鎮静、不眠症てんかん痙攣発作等に用いられる。GABAA受容体に作用し、中枢神経系における抑制系の増強により興奮を抑制する。作用の発現は遅く持続的である(長時間作用型)。

フェノバルビタールは過量投薬のリスクが高く、治療薬物モニタリングが必要である[1]

バルビツール酸誘導体間で交差耐性が認められる。シトクロムP450など解毒酵素遺伝子発現を誘導する作用が強い。バルビツール酸系は治療域と毒性域が近く、過剰摂取時に致命的となりえるため、特に抗不安薬睡眠薬といった用途では、現在ではより安全なベンゾジアゼピン系に置き換えられた[2]。バルビツール酸系は、急速に耐性を生じ、離脱を急速に進めた場合、交感神経系の過剰亢進による痙攣大発作に注意が必要である[2]

2010年のてんかん治療ガイドラインにおいても、フェノバルビタールの優先度は低いため、第一選択の薬としては推奨されていない[3]。中止の際には漸減が原則であり、急な中止は、けいれん重積に注意が必要である。[4]

脚注

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参考文献

  • 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018

関連項目

外部リンク

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  1. テンプレート:Cite book
  2. 2.0 2.1 テンプレート:Cite book (HTML版 introductionが省略されている
  3. テンプレート:Cite book
  4. 同『てんかん治療ガイドライン2010』102頁。