ファンタシースターオンライン

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ファンタシースターオンライン』(Phantasy Star Online)は、セガが運営するオンラインゲーム。「PSO」と略される。開発はソニックチーム

2000年12月21日ドリームキャスト用ソフトとして初登場した。日本で初めて成功した家庭用ゲーム機用オンラインゲームと言える作品で、第5回日本ゲーム大賞を受賞した。後にバグの修正や難易度・レアアイテムなどが追加変更された『Ver.2』や、ドリームキャスト生産終了以降はプラットフォームを変えてバージョンアップ版が多数発売された。

ロールプレイングゲームファンタシースターシリーズ」の一つであるが、ストーリー内容については具体的に過去作との繋がりは薄いため、プレイしていなくても問題は無いように配慮されている。

なお、2010年12月27日24時を以て、Windows版をはじめとする一連の『PSO』シリーズは全ての(オフィシャル)オンラインモードサービスが終了した(#オンラインサービス廃止の歴史を参照の事)。2012年7月4日より新作『ファンタシースターオンライン2』がサービスを開始した。

概要

本作は後述の『ファンタシースターオンライン ブルーバースト』(以下、ブルーバースト)を除いて、基本的に「ネットワーク対応RPG」であり、オンラインプレイ専用ではなく、ゲームのプレイには必ずしもインターネットの接続は必要ない。『ブルーバースト』以外のタイトルにはシングルプレイ用のオフラインモードが搭載されている。

オンラインモードは大規模な世界を多人数で共有するゲームではなく、比較的小さな空間を最大4人の比較的少人数で冒険するゲームである。一時期は海外のユーザーとも共にプレイできるサーバーも存在した。ドリームキャスト時代は最盛期で同時接続者数2万6000人(国内)、登録者数30万人(国内外)だったといわれている。

当時としては珍しくタイトルに「オンライン」が付いていたため、内容をよく知らないユーザーやオンライン環境が整っていないユーザーに敬遠される傾向があった。しかし、ネットワーク環境が本格的に整備される以前に公開されたタイトルという事もあり、オフラインモードも充実しており、「オンライン通信で協力プレイもできるアクションRPG」という表現が当てはまる作品といえる。これは、近年のオンライン対応ゲームソフトに見受けられる、オフラインモードが存在していると明記されていてもネットワークに接続してプレイしないと本格的に楽しめないのとは対称的である。

アクションゲーム要素の強さもあり、比較的短いプレイ時間でも楽しめるボリューム内容やゲーム構成であるが、一方で容量の問題からストーリーに関する表現はかなり淡白な作りになっている。特に普通のロールプレイングゲームと違い、街は最低限の機能をもったものがひとつだけしかない。後のGC版、Xbox版に追加された新マップの拡張に伴い街が1つ追加されているが、機能的にはほぼ同一である。

ネットワーク接続することで追加クエストをダウンロードが可能となるなど拡張性を意識した作りだったが、追加されたシナリオのバリエーションとクオリティはあまり高い物であるとは言いがたく、特定の地点まで行ってアイテムを取ってくるといったお使いクエストが大半を占める。「ドラゴンクエストシリーズ」のような直接的な物語性を重視するプレイヤーよりも、『ウィザードリィ』『不思議のダンジョン』といった黙々とレベルを上げたり、アイテム探索を行うことが好きなプレイヤー寄りの内容といえる。また、時間の概念として現地時間ではなくインターネットタイムを導入しており、インターネットタイムによって一部の武器の攻撃力が可変するといったギミックが搭載されていたが、いわゆるマップの天候や昼夜が変わるといった仕様は盛り込まれていない。

セーブデータは、ゲーム機本体やメモリーカードなどに保管されるローカル保存形式(『ブルーバースト』より前のバージョン)であったが、そのためセーブデータの改造による不正行為が非常に多かった。

なお本項目では、注記が無い限り基本的に「ドリームキャスト版Ver1」「ドリームキャスト版Ver2」「PC版Ver1(DC版Ver2同等)」について記述されている。また、続編である『ファンタシースターユニバース』ではロボット系のキャラクタを「キャスト」と呼んでいるが、『PSO』の世界観に基づき本項目ではあえて「アンドロイド」の表現を用いる。また、以降使われる「DC」はドリームキャスト、「GC」はニンテンドーゲームキューブを、「EP1」はドリームキャスト版Ver1・Ver2・PC版を、「EP2」はゲームキューブ版・Xbox版、そしてブルーバーストの一部仕様を指すものとする。

世界観

ファンタシースターオンラインの世界観はサイエンスフィクションで、特に映画「スター・ウォーズ・シリーズ:の影響を強く受けており、「ライトセーバー」のような概観の剣やエネルギーの弾丸を発射する銃などが基本の武器アイテムとして用意されている。実弾を発射する銃器や金属の刃物なども多少存在はするが、希少なレアアイテムの一部としてのみ登場する。

作品中に登場する種族はヒューマン(人間)と、その遺伝子を改造したエルフのようなとんがった形状の耳を持つニューマン(新人類)、そして頭脳を含む全身を機械で作られたアンドロイドの3種族が一つの宇宙船「パイオニア2」に混在する形で同居している。ゲーム中ではオフラインクエストでニューマンについての種族差別やアンドロイドに対する規制について軽く触れるが、深いところまでは立ち入らない。

本作ではヒューマンが一番地位が高く、次いでニューマン、アンドロイドといった関係にあるようである。特にアンドロイドは、感情的な差別とは違って「社会的地位(のある職業)を持つ事」「人工皮膚を着用(して人間に近い外観を)すること」を禁じられており、明確に区別されている。

ヒューマンとニューマンの地位の差については、NPCキャラクターでもニューマンでありながら相当の権力を持つと思われるキャラクターが何人か存在するためそこまで大きな差が無いのだが、アンドロイドについてはせいぜい「実力が高く同業者からの信頼が厚いハンター」程度であり、権力的な立場を持っている個体は一切登場しない。それどころか、完全な自立型ではなくヒューマンの隊長などの指示によってのみ動く半自立型のロボットのようなキャラクターも多数存在しており、扱いはヒューマン・ニューマンと明らかに異なる。

もっとも、前述の通りこれらは基本的にオフラインクエストで軽く触れられるのみであり、本筋のストーリーには一切関与しない。これらの背景を知った上で登場するNPCを観察していると「なるほど」と思える程度である。 この種族設定は本作の後継作品『ファンタシースターユニバース』の差別部分を強く全面的に押し出した世界観および、『ファンタシースターZERO』以降の「絆」を前面に押し出したもののいずれとも大きく違う相違点である。

初の日本製コンシュマーネットワークRPGだが、海外展開も視野において作られており、絵柄こそ明るめであるものの、キャラクターの顔の造形やシルエットはアメリカンコミックのテイストが濃い。ただし、あるステージを境に音楽も暗く、危機感をあおり始めるようなものになり「頭や腕などを破壊されても黙々と近寄って襲ってくるロボット集団」や「倒すとなんとも形容しがたい声で消滅する敵」など、ゲーム序盤とは打って変わり軽いホラー調も盛り込まれている点もある。

これまでに発売されたバージョン

これまで以下のバージョンが発売されている。冒頭で述べた通り、オフィシャルのオンラインモードは全て終了している(オフラインモードのプレイは可能)。

PHANTASY STAR ONLINE(DC)
2000年12月21日発売、6800円。いわゆる「無印」と呼ばれる最初期バージョン。テクニック修得は一律Lv15までで、ゲームランクはベリーハードまでしかない。また『ソニックアドベンチャー2』の体験版も同梱されていた。
PHANTASY STAR ONLINE Ver2(DC)
2001年6月7日発売、4800円。無印のセーブデータを引き継いでプレイできる。無印とVer.2は一部の状況下を除き、一緒にオンラインモードで冒険することも可能。
バトルモード、チャレンジモード、最高難易度のアルティメットモードが追加され、レアアイテムも増えた。その他、フォースのみテクニックをLv30まで修得できる。
PHANTASY STAR ONLINE(Windows)
2001年12月20日発売、6800円。パソコン版、Ver2と同等内容だが、グラフィック面やロード時間はドリームキャスト版に比べ多少向上している。また、ドリームキャスト版とは別のサーバーで取り扱われた。後述する『BlueBurst』サービス開始に伴い2004年1月1日にネットワークモード終了。特に大規模な拡張更新などは行われなかった。
PHANTASY STAR ONLINE Episode1&2(GC)
2002年9月12日発売、6800円。通称『EP2』。ゲームボーイアドバンスのジョイキャリーシステム対応。
新マップと新ストーリーの『EP2』が追加、選べる職業にヒューキャシール、レイマール、フォーマーが追加。
また、職業別にテクニックの修得制限が分けられる。以降のシリーズは、この分別を踏襲する形で固定される。
DC版でダウンロード配信にて提供していた一部クエストを実装。
ハードの性能を活かしオフラインモードにおいてGC1台で画面分割による最大4人のパーティプレイが可能。
PHANTASY STAR ONLINE Episode1&2 Ver1.1(GC)
2002年12月12日発売・交換開始、6800円。アイテムを無限増殖できるバグがあり、リコールで修正・配布されたバージョン。一部ゲームバランスの修正もあり、先に発売されたEP2のプレイヤーと同一のサーバーでプレイすることはできない。旧版のセーブデータを引き継いでプレイできる。
PHANTASY STAR ONLINE Episode1&2(Xbox)
2003年1月16日発売、6800円。"Xbox Liveスターターセット"同梱。オンライン・オフラインにかかわらず、Xbox Liveに会員登録しなければゲームをプレイできなかった。ボイスチャットに対応、声質を変化させる機能が搭載されている。その他は基本的にゲームキューブ版と同等だが、互いに干渉できない別サーバーで運営された。2008年3月31日(月)をもって、オンライン、オンラインサービスに関する各種BBS・みんなの広場・サポーターズリンク全てが終了した。
PHANTASY STAR ONLINE Episode1&2 Plus(GC)
2003年11月27日発売、3980円。ゲームキューブ版Ver1.1にオフラインモード用のステージを追加した最終バージョン。
ゲームバランス変更や新規アイテムの追加は行われておらず、ネットワークモードについてはVer1.1と同等である。
『EP3』を除き、現在家庭用ゲーム機として最後に発売された作品となっている(2009年5月現在)。
全オンラインサービスが終了した後、プレイ可能なオフラインの最終バージョン。
GCだけの特徴、オフラインでも画面分割により最大4人まで同時にプレイできる。
前作同様ゲームボーイアドバンスのジョイキャリーシステムにも対応しており、前作まで全てを網羅した作品になっている。
生産量も少なく現在でもオークションや店頭では高値で取引されている。
PHANTASY STAR ONLINEシリーズ完全版と位置づけられる事が多い。
PHANTASY STAR ONLINE Episode3 カードレボリューション(GC)
2003年11月27日発売、6980円。アクションRPGではなく、カードゲームとしてリリースされた。
ストーリーの時間軸はゲームキューブ版EP1&2とWindows版Blue Burst EPIVよりも後である。
PHANTASY STAR ONLINE Blue Burst(Windows)
2004年4月9日クローズドβテスト、同年5月21日~7月5日までオープンβテスト、7月8日正式サービス開始。無料ダウンロード(レベル20に達するかアカウント登録から15日以降もプレイする場合は別途料金が発生)の他、パッケージ版は30日利用権付きで2079円、追加利用料金が30日で1260円。
オフラインモードは廃止されたが、オンラインでプレイする1人用という形で残っている。セーブデータはサーバーに保存されるので今までの作品と比べてチートされにくくなっている。1アカウントにつき4キャラまで作成可能。他にも、キャラ名に日本語等の全角の名前を付けることが可能になり、チームシステムの導入(これにより、以前は部屋名をチームと呼んでいたがパーティに変更となった)、数字キーによるアクションパレットの拡張、メインクエストの導入によるストーリー性の強化など、様々な機能がパワーアップしている。
2010年12月27日をもってサービスが終了した。
PHANTASY STAR ONLINE Blue Burst Episode IV(Windows)
2005年2月3日発売。上記「BlueBurst」の拡張パック。パッケージ版は3990円、サントラCDと専用レアアイテム交換チケットが付属。サントラCDの付かないダウンロード販売版は当初は3000円だったが、2008年6月に1000円に値下げされた(特典レアアイテムチケットは価格改定後も継続)。30日利用権は含まれておらず、レベル20に達するかアカウント登録から15日以降もプレイする場合は別途料金が発生。
現在この拡張パックは無料でダウンロードできるようになっており、以前にパッケージを購入したユーザーには追加で専用のレアアイテムが配布された。これ以降、新規で購入した場合は当初付属していた特典と追加特典の両方が貰えるようになっている。
エピソード4ストーリーはエピソード2とエピソード3の間を補完するものとなっている。
2010年12月27日をもってサービスが終了した。

キャラクタークリエイション

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ステージ制度

本作はバージョンによってエピソード1と2の二部構成に分かれている。各種DC版とPC版にはエピソード1のみしか含まれていないが、GC・Xbox版にはエピソード1と2の両方が含まれる。また、『ブルーバースト』ではそれに加えエピソード4が追加されている。エピソード3は本作のようにアクションRPGではなく、カードゲーム形式として発売された。

ゲームの大まかな進め方

冒険用のマップは、大小様々な部屋と通路が複数繋がって一つの大きなダンジョンとなっている。それぞれの小部屋には扉が設置されており、隣の部屋に移動するには扉のロックを解除する必要がある。ロックの解除には条件があり、基本的に扉のロックがかかっている部屋のエネミーを殲滅すれば開くようになるほか、スイッチを切り替える事で解除されるものもある。エネミー殲滅のパターンでも殲滅対象のエネミーはその部屋内にいるケースばかりとは限らず、またスイッチのパターンでも1個だけのスイッチで解除されるものもあれば、複数箇所のスイッチを全て切り替えて初めて解除となるものもある。オンラインだとさらに上に乗って踏んでいる間しか切り替えられないスイッチが登場し、複数人で同時にスイッチを操作しなければならないものもある。このため、オンラインでは一人ではクリアできないマップも多い(裏技によってクリア可能な場合もある)。

また、マップ中には様々なトラップや、スイッチ切り替えで解除されるレーザーフェンスが設置されていたり、真っ暗な部屋の場合は電灯をONにしないと視界がほぼゼロといった多彩なギミックが仕掛けられており、それをうまく活用してゲームを進める形になる。こうしたギミックやエネミーの攻撃をかいくぐり、マップの最深部に到達すると、次の階層(エリア)へ移動するためのワープポイントがあり、それに入ることで次階層へと進入することができる。最深部に居るボス敵を倒すことで、そのステージをクリアしたとみなされ、次のステージへ進むことができる(オフラインでは、総督との会話が必要な場合もある)。

これを繰り返し、それぞれのエピソードの最終ステージにいる最終ボスを倒すと、「ノーマル」→「ハード」→「ベリーハード」→「アルティメット(ドリームキャストのVer2以降)」と、さらに敵の強さがあがった高難易度のゲームモードが開放される(基本的なストーリー展開に変化はない)。オフラインモードでは上記の通りラストボスを倒す事だけが次の難易度の出現条件だが、オンラインの場合は個別に設定された制限レベルを満たしている必要があるため、オンラインになると次の難易度に挑戦できなくなる場合がある。

オフラインで一度クリアしたステージとその次のステージはゲームを終了してもまたプレイできるほか、オンラインでも行けるステージは前述の通りである。このため、オンラインしかプレイせずに育成したキャラでは、高難易度で部屋を作っても最初のステージしかプレイできない。それでも順番にクリアしていけば次のステージに行けるが、オフラインでクリアしない限りリセットされる。また、オフラインで遺跡エリアにいくためには、それ以前の各々のステージのエリア2のどこかにあるモニュメントのスイッチを全て押さねばならない。オフラインクエストに関しては、オフラインでの進行度に加え、それまでのオフラインクエストのクリア状況によって、プレイ可能なクエストが変わる。但し、ダウンロードクエスト、オンラインクエストに関しては、オフラインの進行度に関係なく、全てのエリアをプレイできる。

ストーリーとステージ構成

エピソード1

人口増加と環境破壊により母星「コーラル」は衰退し、人類は外宇宙へ移住する「パイオニア計画」を敢行。 長年の調査により移住可能な惑星「ラグオル」を発見、ただちに本格的移住の準備をすべく、先行艦パイオニア1が旅立つ。

数年後、一般移民船「パイオニア2」がラグオルの衛星軌道上に到着し、パイオニア1(セントラルドーム)との通信回線を開こうとした瞬間、ドームを中心に広範囲を被い尽くす謎の大爆発が発生し地表との通信は途絶えた。 惑星ラグオルに何が起こったのだろうか……。

エピソード1に登場するステージは初心者~中級者向けを意識した難易度調整になっており、一人で冒険したとしても、比較的テンポよくゲームを進行させることができる。 しかしこれは単に難易度がマイルドな仕上がりになっているわけではなく、絶妙なゲームバランス調節による物であり、上級者でも存分に楽しむことが可能である。

森 "Forest"
〈ストーリー〉
謎の爆発から交信を絶ったパイオニア1を捜査すべく、ハンターズとして地表に降り立つ。
地表は既にテラフォーミングされており緑豊かで美しかったが、衛星軌道上からも容易に確認出来るほどの大爆発があったにも関わらず、地形も植物も一切破壊されておらず、とても静かであった。
しかしながら人影は全く無く、異変直前まで人がいた事をしめす数々の遺物が世界の異常を知らせている。
遠くには半壊したセントラルドームが冒険者を迎え、最初の試練が彼らを襲う。
〈ステージの特徴〉
物語上、プレイヤーが最初に降り立つステージであり、短めの構成でトレーニング的意味合いの強いステージ。あちこちにパイオニア1の遺物が残り、美しい景観とは裏腹に異様な雰囲気を醸している。
MAPは二面構成で、MAP1ではドーム外縁を、MAP2では雨天のなか沈黙のセントラルドームへと近づく。
登場するモンスターの属性はNative(原生動物)。
BOSS/ドラゴン(シル・ドラゴン)
ドーム地下の大空洞に巣食う伝説の幻獣ドラゴンに似た巨大生物。巨体を活かした体当たりと火炎を用い攻撃してくる。
洞窟 "Cave"
〈ストーリー〉
セントラルドーム地下に発見された空洞は、さらに巨大な洞窟へと続いていた。これらの地下施設は、事前にパイオニア1より送られてきていた開拓記録に記載されていないことが判明。
パイオニア1の人々は此処で何をしようとしていたのか…。
薄闇の中では異様な怪物たちが跋扈し、探索は危険度を増してゆく。そして彼らハンターズが最深部で見たものとは。
〈ステージの特徴〉
ここから悪質な状態異常攻撃をもつモンスターが出現し、道中には数々の罠が張り巡らされている。
MAP構成も三面と増え、冒険者最初の難関である。MAP1は人の手が加わった溶岩洞。MAP2は静かな地下水脈。MAP3はラグオニウム採掘所となっている。
登場するモンスターの属性はA-Beast(変異獣)。
"BOSS/デ・ロル・レ(ダル・ラ・リー)"
最深部で発見された地下水路に現れたおぞましい姿の巨大な長虫。生体弾と鋭利な触手を使い攻撃してくる。
坑道 "Mine"
〈ストーリー〉
水路から流れ着いた先は巨大な地下の研究施設だった。今でも稼動するそれは、まるで意思を持つかのように探索隊に牙を剥く。
監督する主のいなくなった廃墟では、今も狂った機械たちが新たな犠牲者を求め彷徨っていた。
〈ステージの特徴〉
MAP数は2となったが、癖のあるエネミー達がプレイヤーに襲い掛かる。MAP1は現在も稼動する工場のような施設で、MAP2にはいると、爆発の爪あとの残る廃墟の研究練となっている。
登場するモンスターの属性はMachine(機械)。
BOSS/ボル・オプト(ボル・オプトVer2)
地下施設を統括する巨大コンピューター。ウィルスか何者かに乗っ取られており、多数の迎撃システムを駆使してハンターズを苦しめる。
遺跡 "Ruin"
〈ストーリー〉
伝説的なハンター・リコの軌跡を追う冒険の旅はついに終着へと至った。
最深部の採掘現場で発見された遺構の扉には、道中に散見された謎の構造物が関係していた。
封印を解いた彼らは、自分たちとは違う文明の存在を知ることになる。パイオニア1の人々、そしてリコはここへ来たのだろうか…。
〈ステージの特徴〉
MAPは三面構成。内部はコーラル文明とは明らかに異質のもので、調査の結果巨大な宇宙船であることが判明している。
そこでは生命とも無機物ともつかない深海に潜む生物のような異形の怪物が放たれていた。
MAP1、2は異星人の宇宙船だが、MAP3になると、何かに浸食され全体が巨大な生物の体内になっているかのように壁面が脈打ち胎動する。
登場するモンスターの属性はDark(闇)。
最深部では中央に巨大なコンピューターが変異したような脳を持つ構造物が立つホールがある。その先で冒険者が知る真実とは…。
BOSS/ダークファルス
遺跡は宇宙船であると共に、この存在を封印する巨大な棺であった。
辿り着いた先は青空から陽が差し、六人分の謎の墓碑と巨大なオベリスクの屹立する不思議な花園という、地下奥深くであったはずの遺跡内とは思えない空間であったが、突然一転して地獄のような世界に変貌する。
前哨戦としてダーバントという怪物が大量に発生し、それらを退けると本体のダークファルスが登場する連戦である。
「ファンタシースターシリーズ」における禍の根源であり、本作ではその姿を大きく変えたが、胸元には歴代シリーズにて確認されたDFの姿がある。
これを打倒すると仮初の肉体を脱ぎ捨て、ついにその本質を顕わにする。封印空間での最後の戦いに勝利したとき、一つの悲劇の幕が下りた。

エピソード2のステージ

詳細は「ファンタシースターオンライン エピソード1&2#ステージ」、「ファンタシースターオンライン エピソード1&2 Plus#ステージ概要」を参照。

エピソード4のステージ

詳細は「ファンタシースターオンライン ブルーバースト#ステージ」を参照。

コミュニケーション

各種家庭用ゲーム機版の本作ではキーボード入力による日本語変換は独自の物(Xbox版はモバイルWnnを採用している)を用意しており、「なか」と入力して変換すると「中裕司」「社長」に変換できるといったジョークも組み込まれている。この独自辞書には変換ミスも多く、有名なものではゲームに登場するキャラクタ"リコ"のニックネーム「赤い輪のリコ」を最後まで無変換で入力し 最後に変換すると「赤岩紀子」と表示されるものなどがある。

最初に発売されたドリームキャスト版はキーボードが別売りのオプション(ドリームキャストにはPS2のようにUSB端子が付属しておらず、独自規格のコネクタしかなかった)だったため、プレイヤー間でコミュニケーションをいかにして行うかが開発時に問題となっていたようである。画面にキーボードを表示して文字をカーソルで選択する「ソフトキーボード」も用意されているが、このゲームではそれにとどまらず、以下のキーボードを必要としないコミュニケーション手段が用意されている。

ワードセレクトシステム

画面で必要な文型と単語を選択することで文章を構成することができる。この時に表示される定型文は現在の状況を多少反映しており、他のプレイヤーが最後に使ったワードセレクトの内容などによってトップに来る定型文が変わる事がある。できあがる文章は機械的でぎこちなく、独特である。

例:(助けてくれ、死にたかねえよ>みんな)(ツインブランド+99欲しい>みんな)等

本作では発売された地域に関係なく表示言語を「日本語」「英語」「フランス語」「スペイン語」「ドイツ語」にそれぞれ変更することができ、ゲーム中のあらゆる表記(キャラクタの台詞やアイテム名など)が設定した言語のものになり、外国のゲームをプレイしているような雰囲気を味わう事もできる。ワードセレクトで作った定型文もこの設定によって自動的に翻訳されて表示されるので、簡易ではあるが 異国のプレイヤーとのコミュニケーションを行うことができた。(Xbox版、BB以外)。

シンボルチャット

外形(丸や四角)に線や点、吹き出しのマークや効果音などを組み合わせて表情などを作っておいて 簡単なショートカットから感情表現として表示することができる。 作れる画像は顔に限らず、組み合わせの自由度が高いため、「ねそべっているドラえもん」や「を背景に佇むのシルエット」など 想像力次第で様々なアートワークを作り出す事が出来、手の込んだシンボルを作る事を目標とするシンボルチャット職人と呼ばれるプレイヤーも存在した。

ゲームシステム

本作は非常にシンプルな作りになっている反面、ネットワークRPGにしては奥が深いゲーム性を持つ。近年の量産型MMORPGと比べる事自体が不毛であるが、現在プレイしても その操作性や(一部を除いた)ゲームバランス、システムは水準が高く いまも名作と言われ続ける所以である。 なお、以下の説明は多くがGC版以降に基づいており、特記無い限りはDC・PC版とは異なる事が多い。

アクションパレット

本作が初めてリリースされたドリームキャストのボタンは4ボタン、スタートボタン+LRトリガーで、メインで使うボタンは4つの色(赤・青・緑・黄)に着色されていた。

画面の右下にはそれと同じ配列と同じ色の"パレット"が表示されており、そこに"アクション"を振り分けて「同じ色のボタンを押す=そのアクションを起こす」といった視覚的なユーザーの誘導が行われている。

この「アクションパレット」は一部を除いた3つのボタン プラス特定のキーを押しっぱなしにしているときだけ姿を出す「裏パレット」にも登録する事で 最高6個のアクションを登録する事ができる。 例えば従来のRPGであれば「メニューを開いて回復薬を選択し、使う」という三重構造だったが、アクションパレットにあらかじめ回復薬を登録しておけば ボタン一つでいつでも回復アイテムを使う事ができるようになる。アイテムを使い切ってもパレットからは消去されないので、同じ回復薬を冒険中に拾えば またアイテムを登録しなおす事はない。

しかし複数の特殊能力を使う「フォース系」のキャラクターには絶対的にボタンとパレット数が足りないといった問題があり、赴くステージによって いちいちパレットをカスタマイズする手間があった。

この問題は、続編のドリームキャスト版Ver.2において裏パレットを開いた状態で上パレットボタンを押してショートカットウィンドウを開くことができるようにすることで改善された。その後、最新バージョンであるWindows版「ファンタシースターオンライン ブルーバースト」ではキーボードの数字キー(設定次第ではテンキー)にアクションパレットを割り当てる事でさらに拡張されている。

通常攻撃

本作では「ノーマルアタック」「ヘビーアタック」「エクストラアタック」の3種類攻撃方法を使い分けて戦いを進める。

「ノーマルアタック」は命中率が高いが威力が弱く、「ヘビーアタック」は攻撃力が高い代わりに隙が大きく命中率が低い。「エクストラアタック」は後述するエレメントの発動に使い、隙が大きく命中率は非常に低い。

通常攻撃はタイミングよくボタンを押すと最高3連続攻撃を出す事ができ、段階を踏むごとに命中率に補正がかかるようになっている。 基本的に初段はノーマルアタックで牽制(けんせい)し、さらにノーマルアタックに繋げるかヘビーアタックに繋げる事になる。 もちろん初めからいきなりヘビーアタックやエクストラアタックで攻撃を仕掛けても良いが、攻撃を外してしまうと反撃を受けるリスクがあるためギャンブル的な戦いになってしまう。 堅実に戦うのなら初段はノーマルアタックが基本となる。

また、武器によって攻撃速度や回数が異なり、種類によっては同じタイミングでボタンを押しても敵に割り込まれたりするため、一種類の武器に固執して戦うのではなく、相手や状況によって武器を素早く切り替えて戦うのが武器戦闘の基本である。

テクニック攻撃

テクニックとは他のゲームでいう「魔法」にあたる能力で テクニックポイントを消費して発動する。これらを得意とするのはニューマン系の種族である。

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トラップ攻撃

トラップはDC版Ver2では難易度アルティメットでのみ、それ以降のGC版・Xbox版では全ての難易度において、アンドロイド系のキャラクターだけが使えるようになった特殊攻撃で、Ver1には存在しない。"テクニックが使えない代わり"の機能である。

トラップには「ダメージトラップ」「フリーズトラップ」「コンフューズトラップ」の3種類があり、一度の冒険で使える個数には限りがあるが 冒険途中にある回復ポイントに立ち寄るか 一度 街に戻ってメディカルセンターで回復すれば最大値までチャージされる。 また、自分のレベルが上がれば、トラップを持てる最大値があがって行く。これらは設置するとプレイヤーキャラクターの頭上に現れる。起爆反応後一定時間が経つか 自分、もしくは仲間がそのトラップを破壊すれば効果を発動させる事ができる。EXアタックやテクニックと違い、効果は100%発動するので重宝する(ただし、キャラクタ特性によって効果の無い相手もいる)。

これとは別にダンジョンに最初から設置してあるものも存在し、こちらは反応後時間経過で起爆した場合は敵味方関係なく効果を及ぼすが、攻撃して破壊した場合には誰にも影響を及ぼさない。また至近距離に近づくまで隠れて目視できないようになっている。これを遠距離から見破るにはトラップを見破る効果を持ったアイテムを使用するか、そういう効果を持った装備品を身につけるかする必要がある。目視出来る状態にならなければトラップに攻撃して破壊・除去する事も出来ない。 なお、アンドロイドにはその機能が標準搭載されているため、特に何もしなくても隠されているトラップを見破る事が出来る。

トラップとは名ばかりで、ゲームのシステム上、乱戦状態で相手の目の前に置く→即自分で攻撃して発動させる、というのが基本的な使い方である。特に高難易度のステージにおける「フリーズトラップ」と「コンフューズトラップ」の利用頻度は高く、アンドロイド系のキャラクターならば扱いこなせるようになるのは必須であると言える。また、混乱と凍結は同時にかからないため、パーティにアンドロイドが複数いる時はお互いの意思の疎通ができないとトラップが無駄になる可能性がある。

上記のアンドロイド用トラップに加え、バトルモードでは「スロートラップ」「ソナートラップ」の2種類が存在し、ダメージトラップを除いた残りの2種類と合わせた4種類を、全てのキャラクターが使う事が出来る。スロートラップは通常冒険でダンジョンに設置してある物と同様で、作動すると範囲内のキャラクターを一定時間スロー状態にする。ソナートラップは作動すると音が鳴る警報機のようなもので、どこに隠れているか分からない相手の居場所を知る手がかりになる。

状態異常

何らかの有害な物質を体の中に送り込まれた状態。徐々にHPが減っていく。ただし、減少は1で止まり、毒によって死亡はしない。アンティドート、ソルアトマイザー、アンティで治療可能。アンドロイド系の種族には無効。麻痺と同時にはかからず、後からかかった状態異常が優先する。
感電
痺れて移動とアイテム使用しか出来なくなる。ソルアトマイザー、アンティ(GC版以降はLv2以上)で治療可能の他、時間経過でも治る。アイテムが無いと自力治療が出来ないが、放っておけばすぐ治るので、余程切羽詰った戦闘中になったりしない限り、さほど支障は無い。DC版ではアンドロイド系のみなった状態異常だが、以降のバージョンで他の種族もなるように変更された。エネミーの場合はmachine属性のもののみに有効で、一定時間一切の行動が不能になる。
麻痺
体が思うように動かない状態。麻痺毒や超音波、強烈な打撃など要因は様々であるが、状態異常としてはどれも同じで、移動とアイテムの使用しか出来なくなる。アンティパラライズ、ソルアトマイザー、アンティ(GC版以降はLv3以上)で治療可能。感電と異なり時間経過では回復しない。性質上、ソロプレイ時にこれにかかり、回復アイテムを持っていない場合シティまで戻る(テレパイプも無い場合歩いて引き返す羽目に)事になる地味に嫌らしい状態異常。なお、麻痺にかかる寸前にアンティを詠唱し、かかった直後に効果が発動するようにすれば、自力で治療することは可能。アンドロイド系の種族には無効。毒とは同時にかからないのでポイゾナスリリーから麻痺を受けた場合、わざと毒を食らってアンティをかける手もある。エネミーにかかった場合は凍結と同じ効果で一定時間行動不能になるが、時間経過で回復してしまう。ボス及びマシン属性、浮遊中のエネミーにはかからない。
混乱
目が回って真っ直ぐ歩けなくなる。ソルアトマイザー、アンティLv4以上で治療可能。時間経過でも治る。武器攻撃も見当外れの方向になるが、対象の位置を中心に発動するタイプと全方位攻撃タイプのテクニックは影響を受けずに攻撃出来る。凍結と同時にはかからない。また、エネミーにかかった場合は一定時間、一番近くにいる対象を敵味方関係なく攻撃する。エネミーの攻撃力が高いアルティメットでは混乱での同士討ちを狙うだけで難所を超えられる場合もあり、重宝する。ボスエネミーにはかからない。
スロー
動きが鈍くなった状態。移動や武器(素手)攻撃の動作がゆっくりになってしまう。ソルアトマイザー、アンティ(GC版以降はLv5以上)で治療可能。時間経過でも治る。アンドロイド系の職業には無効。
シフタ
攻撃力が上昇した状態。厳密には状態「異常」ではないのでアンティなどで治療されてしまう事は無い(ただし、メディカルセンターでは消されてしまう)。時間経過で元に戻る。(GC版以降では、より高レベルの)ジェルンをかけられる事で上書きされて消える。(GC版以降では、より高レベルの)シフタでも上書き可能。
デバンド
防御力が上昇した状態。厳密には状態「異常」ではないのでアンティなどで治療されてしまう事は無い(ただし、メディカルセンターでは消されてしまう)。時間経過で元に戻る。また、より高レベルのザルアをかけられる事で上書きされて消える。(GC版以降では、より高レベルの)デバンドもで上書き可能。シフタとデバンドはセットでかける事が多いため、シフタとデバンドをひとまとめにして「シフデバ」と呼ぶ場合がある。
ジェルン
攻撃力が低下した状態。ソルアトマイザー、アンティ(GC版以降ではLv6以上)、(GC版以降ではより高レベルの)シフタによる上書きで治療可能。時間経過でも治る。
ザルア
防御力が低下した状態。ソルアトマイザー、アンティ(GC版以降ではLv6以上)、(GC版以降ではより高レベルの)デバンドによる上書きで治療可能。時間経過でも治る。プレイヤーに対する異常としてかかる事は少ないが、プレイヤーがエネミーに対してかける場合はジェルンとザルアがセットである事が多いので、ひとまとめに「ジェルザル」「ジェザル」などと呼ばれる場合がある。
凍結
一切の行動が出来なくなる。アンティ(GC版以降ではLv7以上)でのみ治療可能、一定時間が経過しても回復するが、コントローラーのアナログキーを振ること(所謂レバガチャ。4往復)を行うと即座に回復できる。この状態で攻撃を受けた場合、ダウンせず、自動防御も起きず、ダメージ後に無敵時間も発生しないため、複数のエネミーに取り囲まれた場合、一気に倒されてしまう可能性がある。混乱と同時にはかからない。また、ボスエネミー、ナノノドラゴ及びエピソード4で登場するドルフォン、ズーなど一部エネミーにはかからない。
拘束
グラスアサッシンの吐く糸に絡みつかれた状態で、移動、ショートカットウィンドウからのアイテム使用、武器変更、攻撃/テクニック以外での方向変更ができなくなる。他の状態異常と異なり、それを示すアイコンは表示されない。時間経過で治る。
テクニック使用不可
全てのテクニックが使用不可となる。他の状態異常と異なり、それを示すアイコンは表示されない。クエスト内の特定の状態や、特定の攻撃を受けた場合にのみに起きる。その状態を抜け出すか、固有の回復ポイントに到達した時に治る。

デスペナルティ

ゲーム途中で死んでしまうとその場にとどまるか、パイオニア2へ戻るか選択を迫られ、パイオニア2へ戻った場合はメディカルセンター(病院)に戻される。ステージ内の進行状況はそのままであるため、死んだ場所まで歩いて戻れば続けてプレイが可能となっている。ネットワークモードならば、その場にとどまり続けてテクニックやアイテムで蘇生してもらえばその場で復活する事もできる。

ドリームキャスト版Ver1・Ver2・PC版
「装備していた武器をその場に落とす」「メセタを全額その場に落とす」
メセタについては容易く大量に手に入っていたため、例え手持ちの全額を失っても大した痛手ではなかったが、武器を落とすという事は他プレイヤーが即座に拾える状態になるという事であるため、落とすのを狙ってわざと足を引っ張り、死んだところで武器を回収してゲームを終了させ、持ち逃げを図る者が散見され、またバグを利用した技によって直接他プレイヤーを攻撃し文字通りの強奪をする者まで現れたため、後に修正される事になる。
GC版(Ver1.0、Ver1.1、Plus) Xbox版
詳細は「ファンタシースターオンライン エピソード1&2#デスペナルティー」を参照。
Blue Burst
詳細は「ファンタシースターオンライン ブルーバースト#デスペナルティー」を参照。

BGM

本作にも他のゲーム同様にBGMが流れているが、本作では一つのミュージックデータに複数のループポイントが設定されており、エネミーとエンカウント(近寄ったり、攻撃を受けたり)するとシームレスに戦闘用にアレンジされたBGMに切り替わるという特徴を持つ。BGMのシームレス変化は『時の継承者 ファンタシースターIII』の時点で存在した演出で、それを踏襲したものである。

ビジュアルロビー

オンラインモードのサーバー(本作ではSHIP、船と呼ぶ)に接続すると最初に降り立つ場所はパイオニア2の街中ではなく、ビジュアル・ロビーに転送される。このビジュアルロビーはバージョンによって異なるが、一度に数十人のプレイヤーが混在することができ、プレイヤーが満員だった場合は同じサーバーの別の階層に転送される。また、階層ごとにロビーのグラフィックと形状は微妙に異なる。

季節別ロビー

GC版以降、季節によってビジュアル・ロビーの装飾が変更されるようになった。装飾の内容や装飾の続く期間はバージョンや年度ごとに若干違う。また、ネットワークモードに接続している場合のみ、パイオニア2のシティ(ビジュアルロビーではなく、冒険エリアに突入するための準備用エリア)にも雪だるまといった装飾がされる。

  • お正月…平均1月1日~正月飾りがされる。
  • バレンタイン…平均1月29日~バレンタインの装飾がされる。
  • ホワイトデー…平均3月8日~ホワイトデーの装飾がされる。
  • 春装飾…平均3月22日~ビジュアルロビーに桜の木が植えられ、花びらが舞う。
  • 紅白装飾…平均3月29日~桜に加え、紅白の垂れ幕が下がる。
  • イースター…平均4月5日~聖誕祭仕様。色つき卵が装飾される。
  • ウェディング…平均6月7日~ロビーの音楽が変わり、装飾がされる。
  • 紅葉…平均9月27日~ビジュアルロビーが紅葉装飾される。
  • ハロウィン…平均10月11日~ハロウィン装飾がされ、音楽が変わる。
  • クリスマス…平均12月1日~クリスマスツリーや雪だるまが装飾され、音楽が変わる。

DC版では、パイオニア2のシティにオブジェが現れるだけとなっている。

ゴーゴーボール

一部の階層にはボールが出現してサッカーをプレイできるサッカーロビーが存在する(Ver2以降)。このサッカーロビーは厳密に決められたルールの元に稼動しているわけではなく、単に玉(プレイヤーが触れる事で蹴って転がせる)とゴール(玉を重ねるとスコアが加算されるポイント)が設置されているだけであり、どのように遊んでも基本的に自由である。玉には数種類のパターンがあり、形状によって飛距離が異なる。また、しばらく蹴らないでほうっておくか、一定時間がたつとマップの中心にリセットされる。しかしゲームシステムの仕様上、ボールやプレイヤーの位置などに同期ズレが発生しやすく、多少遊びにくい。

武器の種類

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防具とスロット

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属性とエレメント

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テクニック

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ゲームモード

オンラインモードでは通常の冒険のほかに、いくつかのゲームモードが存在する。 なお、バトルモードとチャレンジモードは通常冒険とは別のオリジナルマップで行われ、マップ中で手に入れたアイテムは基本的に手元に残らない。

『ブルーバースト』において追加されたゲームモードについては、ファンタシースターオンライン ブルーバースト#ゲームモードを参照。

通常冒険

通常同様ゲームをプレイする基本モード。同じ難易度の同じエリアでも、オンラインでは複数人による協力プレイが前提となっているため、オフラインよりもエネミーが多少強化されている。一度に出現するエネミーの数もオフラインの同場面に比べて多い。

また、オンラインでは「複数人が同時に踏まないと作動しないスイッチ」が登場する。オフラインでも複数のスイッチを踏んでロックを解除する扉はあるが、オンラインではこれの一部が踏んでもスイッチの上から退くとスイッチが戻ってしまい、全ての箇所のスイッチを同時に踏まないといけないようになっている。 洞窟エリアと遺跡エリアでは、次のエリアに進むために必ず通る事になる扉の開閉スイッチに「複数人で同時に踏まなければならないスイッチ」があるため、一人では最後までエリアを踏破出来ない。

バトルモード

Ver2以降に導入された、他のプレイヤーと戦うことのできるゲームモード。現在のレベルやアイテムを持ち越して戦うモードや、全員特定のレベルまで一時的に戻って同じ敷布で戦うモードがあり、互いに当たり判定がある状態でラグオルを冒険する事もできる。

単純なバトルのほか、マップ中に落ちているお金を拾って、もっとも所持金額の多い者が勝つなど ルールも多様である。

チャレンジモード

Ver2以降に導入されたモードで、全員が限られたレベル、装備、アイテムで出された課題をクリアーするゲームモード。誰かが一度でも死ぬとその場でゲーム終了になり、また、ゲームバランスや謎解きなど、通常冒険とは大きく異なる。マップのグラフィック自体と、ダメージ後の無敵時間の長さはアルティメットのもの、エネミーは基本的にオンラインのノーマルのものとなっている。 合計クリアタイムでランクが変わり、タイムを一定以下にすると専用のレアアイテムがもらえる。また、タイム制度という特徴と各ステージごとの最速タイムも記録されるようになっていたことから、より短い時間でクリアを目指す"タイムアタック"も盛んに行われていた。後継作品である「ファンタシースターユニバース」では素の状態でこのチャレンジモードに近いルール設定がされている。 また、チャレンジモードのステージを一つでもクリアするとビジュアルロビー中、名前が表示される部分に専用の称号が表示されるようになる。この称号は到達したステージの数によって変化するため、もしも自分と同じ称号のプレイヤーがいれば、それは自分と同じステージまで到達したプレイヤーであると言える。

チャレンジモードで手に入るアイテム

チャレンジモードで最高のSランクを取ると、刃の部分が金色の通常グラフィックの武器、通称「S武器」がもらえるようになっている。また、S武器は「プレイヤーが自由につけられる名前+武器名」となっており、たとえば名前を「PSO」にし、ソード系の武器(SWORD)を選んだ場合は「PSO SWORD」となる。

またGC版以降では、S武器は一部のオンラインモード用クエスト中で条件を満たせば用意された中で好きなエクストラアタックを一つだけセットすることもでき(武器の種類によってセットできるエクストラアタックは異なり、エレメントの種類によって付加条件も異なる。又アンドロイドは精神・TPに関連したエレメントをセットすることは出来ず、セットした武器を装備する事も出来ない)、ある意味で完全オリジナルの自分専用武器を作ることが可能である。 基本的には、金色のフォトンの付いた汎用武器のグラフィックなのだが、一部にはレア武器のグラフィックもある。見た目が通常クエストで入手できる武器と同じでも、職業制限が異なる場合があるので注意が必要である。

オフラインチャレンジでは、景品としてランクに応じて防具が貰える。EP1では盾、EP2ではリングとなっている。

特殊防具「マグ」

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主な登場人物

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エネミー

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用語

フォトン
新しく発見された、非常に高いエネルギーを持つ粒子。そのままでもエネルギー源として有用であるが、収束させることで物理的な影響力を持たせる事が可能であり、結晶化させることも出来る。
空間に存在する未知のエネルギーをフォトンジェネレータによって1つのエネルギー粒子に変換することによって得られ、その性質上無限に近いエネルギーを得られる。本星では行き詰まりかけていたエネルギー問題を一挙に解決する画期的な新技術だったが、「エネルギーとして利用する技術」だけが先んじて発見・発展してしまったため、更なる新技術の開発で国家が競争する構図を生み出す原因ともなった。
最初期は特定の鉱石をフォトンジェネレータの触媒として使用していたが、次第にもっと効率が良く扱いやすいジェネレータが開発されて行き、今では鉱石を使用したフォトンジェネレータは伝統工芸として僅かに残すのみとなった。なお、ラグオルにもフォトンジェネレータの触媒に適した鉱石が存在するようである。
パイオニア1
人間を未開の自然豊かな異星に移住させる「パイオニア計画」のため建造された超大規模の宇宙船とその艦隊の第1陣。先住者の可能性を考慮し軍人と武器が豊富に搭載され、また環境開発のための技術者が多数搭乗していたとされており、これらを考慮すればゲーム中ラグオル地表で豊富に手に入る武器やアイテムはパイオニア1の人々が残したものと考える事ができる。
パイオニア2
パイオニア1と同じく、大規模移住計画「パイオニア計画」における超大規模宇宙艦隊の第2陣。パイオニア1によってある程度以上開発され安全が確保された星に向かうと言う前提であったため、移住する一般民間人が多数搭乗している一方で軍人の搭乗者数は少なくなっており、有事の際にはすぐに戦力不足に陥った。
ブルーバースト
エピソード1のパイオニア2着陸直前に発生した大爆発に対して、後に名づけられた。衛星軌道上からでも確認できるほどの大爆発だったにも関わらず、地形や建造物に一切の被害が見られない事から、その詳細は一切不明。オープニングムービーでは爆発の瞬間、半透明なダークファルスの姿が見える。
D因子
フォトン技術における国家競争が激しくなっていた頃に飛来した隕石から発見された因子。高いエネルギーを保持する粒子であり、フォトンと非常に良く似た性質を持っている。が、フォトンと決定的に違う点として、それ自身が意思を持っているかのように、他の生命体に対して侵食・融合を行うという点である。因子自身が融合することによって侵食をするのは生命体だけであるが、非生命体であるコンピューター等に対しても何らかの影響力を持つようである。
D細胞
D型寄生細胞とも呼ぶ。D因子によって侵食された生物細胞の事。マグは、これを核にして作られている。飛来した隕石より発見されたD因子は絶対量が少なく、マグ等の「パーツ」になるような細胞しか作られなかったが、人間などのある程度の大きさを持った生物を侵食しつくしたりすればD因子の意思によって生命体が活動し始める。その生命活動は極めて特殊であり、ヒースクリフ・フロウウェンをして「奴らは死という概念自体がない」と言わしめるほど強靭な生命力を持つようである。
エモーショナルAI
D因子の働きを制御する事を目的として開発されたシステム。
MOTHER計画
D因子の飛来に始まり、D因子の解明からその技術利用を目的とした一連の計画。オスト博士とモンタギュー博士が先頭に立って推し進められてきたが、二人が目指す方向性が一致せず、パイオニア1の出発を機に計画が分裂する。
オスト博士はD細胞を利用した新生物の創造を目指し、その過程でデ・ロル・レを生み出し、ガル=ダ=バル島の施設では同じく超高性能AIオル・ガとD細胞の融合を果たし、プロトファルスを倒した際、D因子による「生きた傷」に侵されたフロウウェンの体を媒介に新たな侵食遺伝子を生み出すに至る。
モンタギュー博士はD因子の動きを制御するシステムの開発を目指し、エモーショナルAIを完成。試作機が製作されたところで軍の介入がありモンタギュー博士が失踪したため、頓挫している。

受賞歴

他、計18個の受賞。[1]

備考

  • 家庭用初のブロードバンド対応ゲームでもある。ただしDCはアナログモデムが標準であり、プレイヤーの大多数もその環境で遊んでいた。それほど通信基盤が整っていない時代の作品にも関わらず、最盛期にはDC版のみで同時接続者2万6000人(国内)、登録者数30万人(国内外)ものユーザーを集めた。PCゲームを含め、当時のトップクラスである。
  • 後発の作品にも大きな影響を与え、ゲームシステムを模倣した作品が多く生まれた。モンスターハンターのスタッフもこのゲームを参考にしたと発言している。
  • それまで、大規模なアップデートが期待出来ないMO型ネットワークゲームは、規模と商売上の問題から、無料提供が主流だった。しかしDC版PSOでは、他のDCソフトでも行われていた月額サービス路線から、1ヵ月400円/3ヵ月1000円の課金を行っていた(北米版Ver.1とヨーロッパ版は課金無し)が、この作品の成功により、以後のネットワークRPGでも料金を徴収するゲームが増えた。これを本作の功罪とする声もあるが、ビジネスモデルとして月額課金を成り立たせたことは、パッケージ売り切りではなく、長期運営による利益が計算可能ともなり、またASCII24の開発者インタビューでは、本作は相当なパケットが流れる事による回線使用費を主要因としているため、HDD搭載によるアップデート有無のみで語れるわけでは無いようだ[2]
  • 厳密に言うと、DC版無印は「家庭用ゲーム機初のネットワーク対応RPG」ではない(2000年8月にハドソンから発売されたDC用ソフト『ルーンジェイド』が「家庭用初」に該当する。ただし「全世界対応」を考慮するとDC版PSO無印が「家庭用初」である)。
  • GC、Xbox版発売の時点で他機種混在でのオンラインプレイも予定されていたが、チートの多さにその案は見送られた。
  • 上記の理由や当時の風潮もあってか、アイテムのRMT取引はごく初期を除いてあまり活発ではなかった。
  • DC版Ver.1を極めたユーザーに再度刺激を与えるために、DC版Ver.2のアルティメットのバランスは極めて凶悪に設定されており、アルティメットで発掘した武器でなければ、ほぼ通用しない。通用しない理由の大半が「命中力が足りなくて当たらない」だった。加えて、エネミーの防御力が跳ね上がるため、シフタ・デバンド・ザルア・ジェルン等の補助テクニックをフルに活用しなければダメージを与えるのも困難となっている(特にアンドロイドレンジャーのソロプレイは、かなり過酷)。もっとも、この極端なまでの難易度差は単なるバランス調整失敗との批判の的になることが多いが、「やる事がなくなった人のための、"挑む"難易度」と発売前から語られていた通りのもので、これがゲーム最終段階のバランスであるとすれば、それも考慮の上であるかも知れない。
  • 以降の機種で緩和されたものの、ベリーハードまで非常に良好なゲームバランスであるのに、アルティメットで落差がある(敵の回避力が高いため、ハンターなどは高いヒット属性の武器がなければ通用しない)ことは継承された。基本的には、武器の能力以前にヒット属性が無ければ始まらないため、本来、ショップ販売品などから、ベリーハードまでで発掘される初期レア武器に切り替えて戦うべきなのだが、低い難易度で発見されたレア武器は補正ボーナスの発生率が低い上に補正数値も低いため、結局、高ヒット属性のチャージ系など、特定のショップ武器が役に立つという逆転現象が起き、アルティメットランクのレアが出るまでやりくりを強いられる形になってしまっている。
  • そうした事情のため、DC版では、マグやキャラクター能力を好みに育てても問題なかったが、GC版以降はある程度一貫した育て方でないと、アルティメットモードで苦戦する可能性が高い。特に攻撃力のあるフォースであるはずのフォーマーは命中の成長限界が極端に低く、アルティメットでは高ヒット属性なくして、牽制すらままならない。またテクニックは確実にHITするが、テク自体、打撃の連続攻撃と比較にならないほど威力が乏しいため、フォース系は、アルティメットオンラインでは味方強化と敵弱体化、回復に徹し、他の職業が殴るという役割分担が常套となる。
  • 当然のことながら、この命中率バランスはNPCにも適用されるので、アルティメットにおけるNPCは、ほぼお荷物。
  • 非推奨、および利用規約では禁止されているが エミュレーターサーバーに接続すれば、サービスを終了した機種でもオンラインプレイをすることが可能である。ただし、そういった非公式のサーバーに接続するには特殊な改造が必要な場合がほとんど(設定を変更するだけで済む場合もある)で、なにか問題が発生しても(そのサーバーに該当する規約が無い限り)誰にも苦情は言えないし、正式なサーバーとは若干挙動が違うなど、接続する場合はあくまで自己責任である。
  • ソニックチームが開発を手掛けていたことから、追加配信クエストの中にはソニックテイルスナックルズがNPCとして登場するクエストもあった。また武器やマグの中にもこれらにちなんだデザインや名前を持つものも存在する。

オンラインサービス廃止の歴史

  • 2004年1月1日  Windows版「PHANTASY STAR ONLINE」
  • 2007年4月1日
    • ドリームキャスト版「PHANTASY STAR ONLINE」
    • ドリームキャスト版「PHANTASY STAR ONLINE ver.2」
    • ゲームキューブ版「PHANTASY STAR ONLINE EPISODE I&II (Ver1.1)」
    • ゲームキューブ版「PHANTASY STAR ONLINE EPISODE I&II Plus」
    • ゲームキューブ版「PHANTASY STAR ONLINE EPISODE III C.A.R.D. Revolution」

※当初は2007年3月31日23時59分にサービス終了とアナウンスされていた。最終的には少し遅れ、4月1日0時10分に終了。

  • 2008年1月31日(23時59分) (初代)X-BOX版「PHANTASY STAR ONLINE EPISODE I&II」
  • 2010年12月27日(24時00分) WINDOWS版「PHANTASY STAR ONLINE BLUE BURST」

※当初は16時00分にサービス終了とアナウンスされていた。その後、同年12月14日に上記時刻に終了時刻の変更が告知された。

関連する有名人

多数の著名人がPSOをプレイしていると公言していた。下記はその一部。

  • 永野護 - 本作を「バーチャファイター2と並ぶ傑作だ」と評価。DC初期からのユーザーで、本作における最も有名な廃人。Ver.2では永野氏デザインの武器が登場。各プラットフォーム毎にFSSロビーと呼ばれる永野ファンが集うロビーがある。DC版Ver2発売において、自信満々でアルティメットに乗り込み、コテンパンにされて平謝りする日記を公開していた。
  • 田中理恵 - 20時間連続プレイの経験有り。そのことで見吉ディレクターと意気投合。見事、オーディションで次作PSUヒロインの声優に選ばれる。PSO発売5周年を迎うイベントであるPSO5周年記念大感謝祭では、ストリーミング番組「ゲストとPSO BB!」に出演し、PSOBBをプレイする様子を披露した。

以下はその他にもプレイしていた著名ユーザー。

関連項目

脚注

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  1. PSO受賞内容 『PSOが今まで受賞させていただいた各賞(ノミネート含む)』
  2. 参考アドレス ASCII24 国産オンラインゲームの先行者「PHANTASY STAR ONLINE」成功を支えたバックエンド(後編)[1]
  3. 2009年2月26日電撃PlayStation Vol.442、DENGEKI COLUMNS「ターゲット・ロックオン!!」より。

外部リンク

テンプレート:ファンタシースターシリーズ