ビックリマン (シール)

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ビックリマンは、1977年ロッテによって発売されたどっきりシール、およびそれに続く一連のお菓子およびそれにオマケとして封入されたトレーディングカードシリーズ。

最も有名なのは社会現象を巻き起こした10代目「悪魔VS天使シール」、および物語においてその正統な後継作品であると考えられる11代目「スーパービックリマン」および14代目「ビックリマン2000」である。

歴史

1代目「どっきりシール」 - 9代目「ギャグポスターシール」

一連のシリーズの歴史は、1977年にどっきりシールが発売されたことに始まる。これは写真のようなイラストが書かれていて、見た人にそれを現物と間違えさせて驚かせることを目的としたシールである。2代目「ウッシッシール」もまた、このような「貼って驚かせる」いたずらの要素が強かったが、リアルイラストではなく漫画系のイラストとなった。この時点で同じロッテより発売されていた既存の「はりはり仮面」シリーズとコンセプトは似たようなものになり、差異はシールの大きさと形といった程度になった。3代目「まんギャシール」ではギャグをこめた漫画イラストとしての性質が強くなり、4代目「ジョーダンシール」では後のシリーズにまで引き継がれる駄洒落要素がこめられ、7代目「まじゃりんこシール」ではいくつもの名称を融合させ、それにちなんで複数の要素を合体させて一つのキャラを作るというビックリマン固有のキャラの構成法が確立するに至った。

なお、1代目「どっきりシール」は2003年に新シリーズ(復活!どっきりシール)が登場している。往年の絵柄をそのままに再現した復刻版だけではなく、携帯電話のボタンや付け爪など、時代の変化を感じさせる新規絵柄も追加された。

10代目「悪魔VS天使シール」、11代目「スーパービックリマン」

この手法を引き継ぐと共に、悪魔天使お守りの三つの種族が存在する三すくみ、悪魔と天使の二大勢力の争いの物語、そして各勢力を統括するヘッドの存在という独特の世界観を取り入れた10代目の悪魔VS天使シールが1985年に発売され、一大ブームを巻き起こした。スーパーなどではビックリマンを求める客がレジに殺到し「一人三個まで」などの購入制限がなされたことも有名である。

この一大ブームの原因は、上記の独特の世界観のみならず、種族ごとに素材の種類やシールの封入率を変えたこと、とりわけヘッドはその名称を世界各地の神話などから取り、プリズムという他のシールには見られない豪華な素材を用いて通常のシールとの格差を際立たせたことにある。また、1987年に始まるアニメの放送、『小学三年生』などの学年誌や『月刊コロコロコミック』でも漫画が連載された上に特集が組まれたことも原因としてあげられる。

しかし、ヘッドの特別扱いやシールの封入率の差は射幸心を煽る、ギャンブル要素が強いなどの指摘があり、実際にシールを目当てにビックリマンを大量に買いチョコレートだけを捨てる行為、シールの盗難や恐喝事件などが社会問題となり、PTAからの苦情もあって、公正取引委員会は「一部ヘッドシールに用いられているホログラム素材の価格がオマケとして許容される限界を超えている」「シールの封入率の格差は賭博性を疑う余地がある」という旨を指摘した。これに伴い、第17弾からは悪魔、天使、お守り、ヘッドの封入率を均等とし、素材格差も大幅に縮小した。またヘッドの枚数が12枚に増え、しかも多くの弾では発売途中でヘッドの入れ替えが行われ、ヘッドの枚数は多くの弾で24枚/弾となった。結果として、ヘッドの希少性、素材の特殊性は絶対的にも相対的にも大幅に損なわれた。それでも売上はしばらくは変化しなかったが、第25弾以降、アニメの放映終了と相俟って急激に売上が縮小し、遂に第31弾でこのシリーズは終了した。

のべ1000体を超えるキャラクターが登場し、複雑な様相を見せる「悪魔VS天使シール」だが、ストーリーを通じて中軸に位置するのは天使ヘッドである聖フェニックス(ヘッドロココ)とそれに付き従う若神子たち。そして悪魔ヘッドのサタンマリア(ワンダーマリア)である。フェニックスと若神子は新天地である「次界」を求め、そしてマリアは彼らの行く手を阻むべく暗躍する。戦いの中で幾多の出会いを重ね、そして新たな勢力「曼聖羅」の参戦。聖魔対立の構図はいつしか形を変え、和合という思いがけない結末を迎えることとなる。

一方、このシリーズの発売に並行して販売されていた11代目「スーパービックリマン」は当初悪魔VS天使シールのパロディの色彩が濃かったが、その後旧作と同様にアニメの放映や『月刊コロコロコミック』での特集・マンガの連載も行われ、悪魔VS天使シールの物語上の正統な後継作品としての地位を確立した。ホログラムの多用、近未来的な世界観など注目に値する要素はあったが、大きなブームには至らず、第10弾にて終了した。なお、シール・アニメ・漫画で展開が大きく異なり、シール上では結末が示されないまま終了している。

12代目「ドッキリダービー」 - 14代目「ビックリマン2000」

その後、12代目「ドッキリダービー」13代目「超念写探偵団」といった、ストーリーを持たないマイナーなシリーズや、悪魔VS天使シールの一部ヘッドを復刻した「伝説復刻版」を経て、アニメ・スーパービックリマンの遙かな未来の物語(旧・新のアニメ設定も取り入れられている)である14代目「ビックリマン2000」の発売に至った。

このシリーズの特徴は旧来の駄洒落合体の要素を引き継いでいる他、悪魔VS天使シールの初代ヘッドであるスーパーゼウスを登場させ、CGや従来に見られない豪華な素材を多用し、背景画も種族共通のものではなく、キャラ毎にメッセージ性を持たせたものとなっていること、従来「お守り」「次代」「お助け」とされた第三の種族属性を分割し、「悪魔」「天使」「聖守」(サポーター)「魔守」(フーリガン)の四つの種族属性を採用したことなどにある。さらに並行してアニメの放映も始まり、悪魔VS天使シール以来のヒット作品となった。

しかし、この作品は発売当初からさまざまな批判も受けた。例えば、素材が豪華となった反面、チョコレートの価格が上昇し、購入しづらくなったこと、単なる聖守や魔守のシールとヘッドシールの素材の格差が完全に消滅してしまったことや、素材やイラストの差による区別が複雑で、地域ごとにシールの種類が異なるなどの原因から完全な収集が難しいことへの批判はコレクターの間では発売当初から終了時まで常に言われていた。 また、悪魔VS天使シールやスーパービックリマンのヘッドシールに見られた神々しさや威厳が消滅したという意見も多い。

ともあれ、ブームは次第に沈静化し、またアニメの放映終了、『月刊コロコロコミック』での報道の打ち切りなどから、公式サイトでのWEB小説があったもののマイナーシリーズと大差のない状況におかれてしまい、第12弾をもって終了した。

シリーズ一覧

ビックリマンに属するシリーズとしては次のようなものがある。 ★マークがつくものは「悪魔vs天使」シリーズとして世界観を同一とするもの。

  • 21代目 ★神ビックリマン 神威転生 - 2014年。従来のシールタイプからカードへと変更されている。

関連シリーズ

以上4種に関しては、オフィシャルページではビックリマンシリーズとして紹介されている。

コラボレーションシリーズ

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ロッテによるチョコ封入もの

  • ニコ単カード - 2010年11月(第1弾)、2011年11月(第2弾)
    ビックリマンチョコの開発チームとニコニコ動画とのコラボレーション「ニコニコ動菓ウエハースチョコ」に付属。
  • ミックリマン - 2013年8月
  • ももクロマン - 2013年9月
  • 北斗のマン - 2014年2月
  • ビッ狩りマン - 2013年3月,2014年3月(2014年分はグリーンハウスデザイン)

その他 シール

2010年以降の回顧ブームにより再び脚光を浴びたことで、チョコのおまけとしてではなくつくられることが増えてきた。この場合「ビックリマンシール風」という名称で語られるが、イラストレーターがグリーンハウスではない単にデザインをまねた所謂「ものまね」デザインものと、グリーンハウス社による「リスペクト」デザインもの、の二者に分かれている。

  • タイタンシール - 2012年
映画『タイタンの逆襲』とのコラボで米澤稔と兵藤聡司のイラストによるシールを入場者先着特典として配布。
まんだらけとグリーンハウスのコラボによる、グミにつくおまけシールシリーズ。1つ500円という高価の為、コンプリートには数万円の出費が必要。
  • ご当地ヒーローシールコレクション(アサヒ)
2013年にローソンにて「十六茶」か「三ツ矢サイダー」購入時にオマケとして付属。全48種、+抽選限定5種。

類似商品

ロッテ製
ビックリマンではないが、類似したシステムを持つロッテ製のシリーズとして、次のようなものがある。
他社製
ビックリマンが大ブームとなった1980年代後半の時期には、他社からも類似したシステムの商品が多数発売され、菓子類のオリジナルおまけシール類が流行した。

また、ビックリマンシールの模倣品も出回った。

パロディ

  • ドデンマン - 秋田県ゆかりのキャラクターをビックリマン風にパロディ化したシール。「どでん」は秋田方言で「びっくり」の意味。

外部リンク

テンプレート:ビックリマンシリーズ