パート・ド・ヴェール

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パート・ド・ヴェールテンプレート:Lang-fr, テンプレート:Lang-en)はガラス工芸の一種。

耐熱性のある鋳型にガラスの粉を敷き詰め、に入れて熔融成形する。 常温で作業できることから、バーナーワークなどにくらべて安全な技法である。

歴史

パート・ド・ヴェールは紀元前16世紀メソポタミアで発明された技法と言われているが、 紀元前1世紀にフェニキア吹きガラスが発明される[1]と、量産の効かない[2]パート・ド・ヴェールは急速に途絶えた。

1880年代にフランスの陶芸家、アンリ・クロ (Henri Cros 1840年-1907年) がこの技法を復興すると、ルネ・ラリックをはじめとする当時のガラス作家たちが数々のアールヌーヴォー様式のガラス器を制作・発表した。 型に粉状のガラスを敷き詰めるだけでいいという簡単さから製法を秘密にしたため、当時の技法の大半は失われている。

1970年代に入り、実験考古学のひとつとしてメソポタミア時代のパート・ド・ヴェールが復興された。 その後、改良が施された技法が現在に伝えられている。

著名な作家

脚注

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  1. ローマの吹きガラス(ルーヴル美術館)
  2. ガラスを取り出すためには、鋳型を壊さなくてはならないため、大量生産にはそれだけの鋳型が必要となる。