バーサーカー (セイバーヘーゲン)

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バーサーカー』(テンプレート:En)は、フレッド・セイバーヘーゲンの代表作のSF小説シリーズである。

異星の殺戮機械「バーサーカー」と人類との戦いを描く。「バーサーカー」の名は北欧神話の(人間の)狂戦士ベルセルク (berserkr、英語では テンプレート:En) を由来として人類側が命名したという設定である。

ストーリー

恒星間文明を築き上げた人間のもとに、宇宙の果てから何者かが襲いかかってきた。

遥か太古、いずことも知れぬ星域で滅び去った星間帝国が残した遺産、自己増殖と進化を繰り返し、生あるものをすべて滅ぼすことを至上命令としてプログラムされ、何度撃退されても再び襲来する、死そのもののような無人の殺戮機械軍団――それがバーサーカーである。人類はこのバーサーカーと遭遇したのだ。

あるときは巨大無人戦艦が、あるときは潜入用の小型機械が…あらゆる姿で襲来するバーサーカーに対し、あるときは力押しの正面決戦で、あるときは知略を尽くした頭脳戦で…あらゆる様式のバーサーカーと人類の存亡を賭けた闘争が繰り広げられる。

書籍リスト

訳書

日本ではハヤカワ文庫SF(白背)から加藤直之のイラスト(カバー表紙口絵挿絵)で、3冊目までが刊行されている。

バーサーカー 皆殺し軍団

岡部宏之訳。1973年刊。

シリーズ2冊目で初長編。日本では刊行順序が変わり、1冊目となった(ただし短編の雑誌掲載よりは遅い)。惑星サーゴルでの戦いを描く。また、惑星サーゴルはタイムトラベルが可能な惑星であるため、タイムトラベルSFでもある。

短編の雑誌掲載時のイラストレーターは異なるので、本書は加藤直之による初のバーサーカーである。カバーにはバーサーカーの本体が大きく描かれている。

なお、本作のみバーサーカーが「狂戦士」と訳されている。

バーサーカー 赤方偏移の仮面

浅倉久志岡部宏之訳。1980年刊。一部は『SFマガジン』初出。原書では初の単行本だが、日本では刊行順序が変わり2冊目となった。

シリーズ最初期の短編を収録しており、最初の作品「無思考ゲーム」テンプレート:En を1作目に収録している。『If』誌の別冊アンソロジーテンプレート:En1963年1月号に テンプレート:En として発表され、短編集収録時に改題された。日本では『SFマガジン』1969年7月号に訳出され、日本語でも最初の作品である。

  1. 無思考ゲーム テンプレート:En (1963、雑誌掲載時 テンプレート:En)『SFマガジン』1969年7月号
  2. グッドライフ テンプレート:En (1963)『SFマガジン』1977年6月号
  3. 理解者 テンプレート:En (1965)『SFマガジン』1969年9月号
  4. 和平使節 テンプレート:En (1964)
  5. 宇宙の岩場 テンプレート:En (1965)『SFマガジン』1978年10月号
  6. Tとわたしのしたこと テンプレート:En (1965)
  7. 道化師 テンプレート:En (1966)
  8. 赤方偏移の仮面 テンプレート:En (1965) 『SFマガジン』1970年3月号
  9. 狼のしるし テンプレート:En (1965)
  10. 軍神マルスの神殿にて テンプレート:En (1966)
  11. 深淵の顔 テンプレート:En (1966)

バーサーカー 星のオルフェ

浅倉久志・岡部宏之訳。1990年刊。一部は『SFマガジン』初出。

  1. 微笑 テンプレート:En (1977)
  2. 圧力 テンプレート:En (1977)
  3. アンコール・アペイロンの消滅 テンプレート:En (1977)
  4. 機械の誤算 テンプレート:En (1974) 『SFマガジン』1989年2月号
  5. テンプル発光体事件 テンプレート:En (1979)
  6. 星のオルフェ テンプレート:En (1968)『SFマガジン』1970年6月号
  7. スマッシャー テンプレート:En (1978)
  8. ゲーム テンプレート:En (1977)
  9. 心の翼 テンプレート:En (1974)

他作品への影響

本作シリーズでセイバーヘーゲンが産み出した古代宇宙文明の殺戮機械「バーサーカー」は、魅力的な存在であり、類似の設定の存在が(あるいは「バーサーカー」という名称のまま)、のちのSF作品にもさかんに用いられるようになった。SFゲームにおいても、敵や第三勢力としてしばしば登場する。

バーサーカー(あるいは類似の存在)が登場する作品