ネチケット
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テンプレート:WikipediaPage ネチケット(netiquette)とはネットワーク(network)とエチケット(etiquette) を組み合わせた造語で、「ネットマナー」、「ネチケ」などとも呼ばれる。
現実世界でのマナーを基本に、ネット上の特性を追加したエチケットなので、ネチケットの中には一般的なマナーも含まれるが、本項では特にインターネット上のネチケットについて解説する。
概要
ネチケットは、インターネット上でコミュニケーションを行う際や、ウェブサイトや電子メールなどを利用する際など、様々な場面で必要とされている。
ネチケットは厳密に定められている規則ではなく、他人への配慮を心がけるなど、社会で最低限必要とされていることに基づいたものが多い。また、コンピュータネットワーク特有の技術的な問題を防ぐ(後述)ためのネチケットも数多く存在する。
ネチケットの例
- アクセシビリティ
- 環境によって表示や動作が異なることを無くし、すべての環境で同様に扱えるようにする配慮。
- 荒らし
- 掲示板などのネットワークコミュニティにおける荒らしに対する対処。
- 他人に対する配慮
- インターネットは自分のみが使用しているわけではないので、他人への配慮が非常に重要になってくる。
- 調べてすぐにわかることを他人に質問しないで、まずは自分で調べる - ネット上では俗に「教えて君」と呼ばれ、嫌われる対象となる。教えて君に対して、むやみに教えるのも駄目である。自分で調べるように促すのが、周りの人間が行える配慮である。
- 不必要に巨大なデータを送らない - サーバがダウンして機能しなくなる場合がある
- 場の空気を読む - 現実世界と同様
- コンピュータウイルスやトロイの木馬に感染した状態のPCをネットワーク上で使い続けない - ネットワーク上にウィルスをばらまいて他人が感染しやすくなるため
- 相手の許可なくHTML形式のメールを送らない - セキュリティ上の理由から、利用者によっては受け取り拒否の設定にしてある場合がある。
- Microsoft Outlook・Outlook ExpressまたはWindows Mailなど一部メーラーのデフォルト設定(リッチテキスト形式やHTML形式になっている)でメールを送る、携帯電話からデコレーションメールを送るなどもネチケット違反に該当する。
- 同報メール(同報メールとは一度に複数の相手にメールを送信すること)のあて先をTo:やCc:に記述しない - 個人情報の漏洩に繋がるため。通常、複数のあて先に同報メールを送る場合は、To:に自分自身のアドレスを記述し、Bcc:にあて先を記述するようにする。
- 「~~までに返信ください」「必ず返信ください」など、返信することを強要しない - 郵便にも郵便事故があるのと同様に、電子メールは届かなかったり読まれないことも多々ある。返事が本当に必要ならば、電話や直接会う約束を取り付けるなど、確実に相手とコミュニケーションが取れる手段を使う。
- 上記の項目が理解できない間は、メールや掲示板を利用しない - ネット上では「無知は罪」とされる。ウイルス蔓延や個人情報流出などの事件の大半は、コンピュータ初心者の無知に起因するものである。
言葉遣いなどについては、一般的なエチケットと同様である(但し、普通の手紙では定番である長いあいさつ文は、ネットでは逆に嫌われる傾向にあるため、率直に要件のみを簡潔に記述するのが望ましいとされる)。 2ちゃんねるなどのように、特定のコミュニティ内ならば許可されている内容や、既に時代遅れになっているものも数少なくない。ただし、それらも時と状況と場合において使い分ける必要があるので、結局は自分が情報を送る相手の性質を理解しておく必要がある。
関連項目
外部リンク
- RFC 1855 - RFCに明文化されているネチケットについての規定。下記邦訳版のオリジナル。ダイヤルアップ接続が主体であった1995年策定のため、一部内容はブロードバンドインターネット接続が主体になった現状とそぐわない部分もあるが基本的な項目は現在でも十分に通用する内容となっている。
- ネチケットホームページ(千葉学芸高等学校、旧・東金女子高等学校)
- インターネットにおけるルール&マナー検定 - 財団法人インターネット協会主催
- 電子メール社会のエチケット