ニカイア・コンスタンティノポリス信条

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ニカイア・コンスタンチノポリス信条(ニケア・コンスタンティノープル信条)もしくは、ニケア信条(ニカイア信条)は、キリスト教会の宗教的会議(公会議)である第1回コンスタンティノポリス公会議381年)で定められた信条(信仰告白)である。第1回ニカイア公会議で定められたニカイア信条と区別するため、この語を用いる。ただし教会によってはニケア信条の名をもってニカイア・コンスタンティノポリス信条を指すことがある(日本基督教団改革長老教会協議会など)。

日本ハリストス正教会では、これを単に「信経」あるいは「ニケア・コンスタンティノープル信経」と呼ぶ。

今日、この信条を認め礼拝に用いる教派は、カトリック教会正教会(東西のキリスト教会が1054年に分裂、西が「カトリック教会」、東が「正教会」となる)、カルケドン公会議などでそれ以前に分離した東方諸教会や、聖公会を含む大半のプロテスタント教会である。ただし、東方教会西方教会は聖霊(聖神)が御父なる神のみから出るか、御子なるキリストからも出るかの解釈が異なる(フィリオクェ問題)ため、すべての教派で同一のものを用いるわけではない。また、教義上問題とされることはないが、ラテン語のもの、さらにこれに準拠して西方教会系の教派で使われる版には、ギリシア語の原文にはない句「神よりの神」が挿入されている。

またカトリックでもほとんどの教会では現地語の翻訳を用いるため、翻訳に教派独自の解釈が反映される場合もある。

本文

ギリシャ語

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ラテン語

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注:斜体部分はギリシア語原文に対応する個所をもたない部分。

日本語

キリスト教全教派に共通の日本語訳は存在しない。いくつかの訳が存在し、カトリック教会日本ハリストス正教会日本聖公会、東京基督教研究所、日本基督教団改革長老教会協議会教会研究所などが独自の翻訳を作っている。日本ハリストス正教会を除いては、定本に西方に流布するもの(ラテン語版に遡るもの)を使用している。

西方教会

カトリック教会で使用される訳文

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日本聖公会の訳文

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東方教会

日本正教会の訳文・聖書参照箇所

以下、日本正教会における信経の全文[1]を、各条につき参照される聖書の箇所を示しつつ引用する[2]

信経本文 聖書参照箇所
我、信ず、一《ひとつ》の神・父《かみ・ちち》、全能者、 創世記 17:1 - 8、申命記 6:4、マトフェイ福音 6:9)
天と地、見ゆると見えざる万物を造りし主を。 創世記 1:1 - 31、ヨブ記 38:1 - 30、コロサイ書 1:15 - 16、イオアン福音 1:3)
又、信ず、一の主イイスス・ハリストス イオアン福音 20:28、行實 16:31、イオアン福音 3:16)
神の独生《どくせい》の子、 聖詠 2:7、マトフェイ福音 3:17、イオアン福音 1:1)
万世《よろずよ》の前《さき》に父より生まれ、 イオアン福音 1:1-2、同 8:58、コロサイ書 1:15 - 17[注釈 1]フィリッピ書 2:6)
光よりの光、 イオアン福音 1:1-9)
真《まこと》の神よりの真《まこと》の神、 イオアン福音 16:27-28; 同 1:1-2)
生まれし者にて造られしに非ず、 (イオアン福音 1:1-2, 16:28)
父と一体にして、 (イオアン福音 14:10-11, 17:22-23)
万物、彼に造られ  (イオアン福音 1:3-10, コロサイ書 1:16)
我等人々の為、又我等の救いの為《ため》に ルカ福音 2:30; イオアン福音 3:16; イオアン第一公書 4:14; ティモフェイ前書 2:5-6)
天より降り (イオアン福音 3:13, 31、同 6:12-38)
聖神゜《せいしん》及び (ルカ福音 1:35)
童貞女マリヤより身を取り イサイヤ 7:14、ルカ福音 1:35-46)
人と為《な》り (イオアン福音 1:14、フィリッピ書 2:6-8、エウレイ書 2:14-17)
我等の為《ため》にポンティイピラトの時、十字架に釘うたれ (マトフェイ福音 27:24-31 )
苦しみを受け葬られ マルコ福音 15:16-46)
第三日に聖書に叶《かな》うて復活 コリンフ前書 15:3-4、ルカ福音 24:1-12、マトフェイ福音 12:38-40、マトフェイ福音 28:1-8、マルコ福音 16:16-19)
天に升《のぼ》り (ルカ福音 24:50-53、マルコ福音 16:16-19)
父の右に坐《ざ》し ロマ書 8:34、エフェス書 1:20)
光栄を顕《あら》わして 聖詠 72:9-19; イサイヤ 40:5)
生ける者と死せし者を審判する為《ため》に還《ま》た来り 黙示録 20:11-15、聖使徒行實 10:42)
その国、終りなからん、を 聖詠 145:13、イオアン福音 3:16、同 6:40-47)
又、信ず、聖神゜《せいしん》、主、 創世記 1:2、マトフェイ福音 3:16、聖使徒行實 2:1-4)
生命《いのち》を施す者、 (イオアン福音 15:26、イオアン福音 14:16-17、ロマ書 8:2、ガラティヤ書 6:8)
父より出で、 (イオアン福音 15:26)
父及び子と共に拝まれ讃められ、 (ルカ福音 10:22、マトフェイ福音 3:17、イオアン福音 4:24)
預言者を以《もっ》てかつて言いし、を (聖使徒行實 2 17:18、ペトル後公書 1:21)
又、信ず、一の聖なる公《おおやけ》なる使徒の教会を コリンフ前書 12:12-13、エフェス書 2:19-22; 4:11-16; フェサロニカ後書 2:15、ティモフェイ前書 3:1-15)
我、認む、一の洗礼、以て罪の赦《ゆるし》を得《う》る、を、 (マトフェイ福音 3:16; イオアン福音 3:5、聖使徒行實 2:38, 8:36-40、エフェス書 4:5)
我、望む、死者の復活 (コリンフ前書 15:12-58)
並びに来世《らいせい》の生命《いのち》を (ロマ書 8:17-25、フィリッピ書 3:20-21、ペトル後公書 3:13)
アミン -

注釈

  1. 参照元では1:16となっているが、コロサイ書 1:16は天地創造の際の神子(かみこ:子なる神)の働きに言及している部分であり、1:15と1:17が「万物より先」について言及している部分である。従ってここでは1:15 - 17とした。Orthodox Study Bible (正教聖書註解) , 2008 では、コロサイ書 1:15において「万物の先」についての説明が付けられている。

参照元

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:信条en:Nicene_Creed#The_Niceno.E2.80.93Constantinopolitan_Creed_of_381


fr:Symbole_de_Nicée#Symbole_de_Nic.C3.A9e-Constantinople
  1. 引用元:信仰-信経:日本正教会 The Orthodox Church in Japan、漢字の読みは時課経による。
  2. 聖書箇所参照:Holy Trinity Orthodox Church - The Creed of the Church as Supported in Holy Scripture