トニー滝谷

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テンプレート:Portalトニー滝谷」(トニーたきたに)は、村上春樹短編小説。2005年、市川準監督により映画化された。

概要

文藝春秋1990年6月号にショート・バージョンが掲載された。翌年1991年7月刊行の『村上春樹全作品1979〜1989(8)』(講談社)にロング・バージョンが収録された。1996年11月、短編小説集『レキシントンの幽霊』(文藝春秋)にロング・バージョンが収録される。

英訳版「Tony Takitani」は『The New Yorker』2002年4月15日号に掲載された。翻訳はジェイ・ルービン。同英訳版は現在、2006年7月刊行の短編集『Blind Willow, Sleeping Woman』(クノップフ社)で読むことができる。

あらすじ

トニー滝谷というのは本名だが、トニーの両親はれっきとした日本人だった。彼の父・省三郎はジャズトロンボーン奏者としてある程度の成功を収めた人物だった。孤独を抱えて成長したトニー滝谷は、イラストレーターとして才能を発揮し、その道で成功を収める。やがて、着こなしの美しい娘に恋をし結婚するが、妻の度を越した衣服に対する執着は彼女を死に追いやってしまう。トニーは亡き妻の大量の衣服を着てくれる女性を雇おうとするが、やがて部屋いっぱいの衣服は妻の存在の影に過ぎないことを感じ、女性に断りの電話を入れて妻の衣服をすべて売り払う。父の死後、その遺品である膨大なレコード・コレクションを売り払ったとき、彼は自分が本当に独りぼっちになったことを知る。

映画

テンプレート:Infobox Film 2005年市川準監督により、イッセー尾形主演で映画化された。第57回ロカルノ国際映画祭(スイス)コンペ部門審査員特別賞などを受賞。

また、メイキング・ドキュメンタリー『晴れた家』も併せて製作されている。

キャスト

スタッフ

原作との相違点

  • 原作ではトニー滝谷の妻とアルバイトに雇おうとした女性の名前は記されていないが、映画ではそれぞれ小沼英子・斉藤久子という名前がつけられている。映画では宮沢りえが英子と久子を二役で演じているが、原作ではトニーの妻(映画の英子)とアルバイトに雇おうとした女性(映画の久子)の顔立ちは似ていない(短編小説集『レキシントンの幽霊』収録のロング・バージョンによる)。

受賞

外部リンク

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