デフォルト (コンピュータ)

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コンピュータ・ソフトウェア分野でデフォルトテンプレート:Lang-en-short)は、主に「初期設定値、工場出荷時値、標準値」などの意味で使われることが多く、特に説明がなければ「標準(の)」という意味で使われる。

デフォルト値

デフォルト値 (テンプレート:Lang-en-short) は、「何らかの値の入力[1]が必要なプログラム処理において、値が未入力だった場合に対応するためにプログラム側であらかじめ準備された設定値」のこと。例えばユーザからの入力値を使用して処理を行うプログラムにおいてユーザが値の入力を省略した場合、プログラムはあたかもデフォルト値が入力されたものとみなして動作する。

名称の由来は、幅広い機種やさまざまな環境で動作させるための環境設定が、システム管理者や開発者にとって(特にINIファイルの新規作成においては)面倒な作業であるため、最善な設定値ではないが概ね幅広い環境で動作するであろう暫定的かつ汎用的な設定値を準備することで、環境設定入力作業を一部又は全部省略することが可能となった。この準備された設定値を「無作為」「怠る(おこたる)」等の意味を持つ「デフォルト」を用いて「デフォルト値」と呼ばれ、システム関係者の間では略して「デフォ値」と呼ぶ事もある。

デフォルト値の決定については、システムの互換性重視や使用頻度重視を配慮し、システムエンジニアがシステム設計段階で決定される値もあれば、プログラマがコーディング段階で決定される値もあり、場合によってはユーザーのニーズによって決定することもある。

「デフォルト・バリュー」、「初期設定値」、「標準値」、「既定値」、「工場出荷時設定」、「暗黙値」、「省略時値」などともいう。Macintoshでは「省略時設定」という訳語が用いられたこともあった。

なお、「デフォルト設定」は、設定群(≒全ての設定項目)がデフォルト値にセットされている状態(あるいはユーザ指定が全く為されなかった場合)のことを指す語であり、ある単一の設定値の状態について述べる際には適当でない。

派生語としての「デフォルト」

コンピュータに慣れ親しんだ者同士の会話では、コンピュータ分野以外の一般的事象についてもこの語をしばしば流用する[1]。特に口語では、略して「デフォ」と言うこともある。さらに最近では、ゲームの設定を初期状態にする意味で利用されることもある。

但しこの場合は、本来の「デフォルト」の意味である「無作為」「怠る」等の意味ではなく、「基本」、「通常」、「普通」、「標準」、「一般的」、「当然」、「当たり前」、あるいは「やって然るべき当然の行動であること」[2]等、正反対の意味として用いられているようである。

関連項目

脚注

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  1. ここでいう「値の入力」とは、ユーザ(人間)による手入力のみならず、外部装置から受信する通信データのパラメータなども含まれる。
  2. 「目玉焼きには塩がデフォだろう?」などと自らの慣習や趣向を他人に主張する場合などにも用いられる。