ダビデの星
テンプレート:出典の明記 ダビデの星(ダビデのほし)は、ユダヤ教、あるいはユダヤ民族を象徴するしるし。二つの正三角形を逆に重ねた六芒星(ヘキサグラム)といわれる形をしておりイスラエルの国旗にも描かれている。文字コードはU+2721(Unicode、✡)。
目次
[非表示]六芒星形との異同
紛らわしいが、ダビデの星と六芒星は必ずしも同じ記号ではない。正式なダビデの星は図形内部の線が必ず入っている。が、六芒星形とは突起が6つある星型をいうのだから、厳密にいえばアウトラインだけで内部の線はあってもなくてもよい。
由来・起源
このしるしは、古代イスラエルのダビデ王に由来するとされるが、歴史的に実在した実際のダビデ王とは関係がない。
三十年戦争末期の1648年、神聖ローマ帝国の側に立ってプラハを防衛していた民兵軍がスウェーデン軍を撃退した。これを受けたハプスブルク朝のフェルディナント3世は、民兵軍の武勲を嘉して各部隊のそれぞれに旗印を下賜した。
民兵の中にはユダヤ人部隊もあったが、ドイツの宮廷には、ユダヤ人の印としてどんな図柄を使えば良いか知る者がなかったどころか、宮廷ユダヤ人のオッペンハイマー家ですら何のアイディアも出せなかった。そこで、ウィーンの政府はイエズス会に何か良い知恵はないか相談したところ「ダビデ王は楯の紋所にみずからの名前の最初と最後の文字『D』を使ったに違いなく、古いヘブライ文字でDの字はギリシャ文字『Δ』に似た三角形だから、Davidのスペルの最初と最後の『D』の字二つを表す三角形を、互いに組み合わせた形にしてはどうだろうか」というアイディアを得た。こうして、ユダヤ民兵部隊に「ダビデの楯」をあしらった旗が下賜されることになった。
この印は欧州のユダヤ人社会に野火のように広がり、19世紀はじめにはロスチャイルド家の家紋にも取り入れられた。つまり17世紀に起源するものであって古代に遡るものではないため、例えば日ユ同祖論等の根拠に使うことはできない。
クロアチア
クロアチアの自治体の紋章にも多く描かれるが、これらの多くはダビデの星と六芒星が混在する。
ハンガリー
ブダペシュト・ドハーニ街シナゴーグの窓には、なぜか八芒星が用いられている。ちなみにダビデの星や六芒星は使われていない。
ドイツ
第二次世界大戦期、ナチス・ドイツはその占領地において、ユダヤ人を識別するための標識として、ユダヤ人に黄色で描いた星型紋様をつけることを義務づけた(テンプレート:仮リンク)。これは当時"Judenstern"(ユダヤの星)または"Zionstern"(シオンの星)と呼ばれており、"Davidstern"(ダビデの星)とは呼称も表記もされていなかった。ナチス・ドイツが「ダビデの星("Davidstern")」という名前を使っていないのに、戦後の文献では「Zionstern」や「Judenstern」を「ダビデの星」とわざわざ意訳したり、ドイツ語文献の場合は「Davidstern」にわざわざ言い換えをしている。
各国語での名称
言語 | 名称 | 図形名 |
---|---|---|
ヘブライ語 | מגן דוד テンプレート:En テンプレート:Smaller |
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日本語 | 六芒星、籠目(かごめ) | |
中国語 | テンプレート:Zh | |
イタリア語 | stella di David | |
スペイン語 | estrella de David | |
フランス語 | étoile de David | |
ドイツ語 | Schankzeichen, Zoiglstern, Davidstern | hexagramm |
オランダ語 | Davidster | |
英語 | Brewer's Star, Star of David, David's Star, David's Shield | hexagram |
ポーランド語 | Gwiazda Dawida | Heksagram |
ハンガリー語 | Dávid csillag | |
ペルシャ語 | ستاره داوود | |
ポルトガル語 | Estrela de Davi |
符号位置
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
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その他
マイクロソフトの対応
マイクロソフトはハーケンクロイツ(卐)とダビデの星を共に不適切な記号とし、Microsoft Office 2003に付属のフォントファイル「Bookshelf Symbol 7」からそれらの記号を削除するツールを2004年2月11日に配布した。
参考文献
- 竹元克己 「マイクロソフト、「Microsoft Office 2003」からハーケンクロイツの記号を削除」 Impress Watch、2004年2月13日。
関連項目
- マーゲン・ダビド公社
- ハーケンクロイツ-ダビデの星と同様に、政治的・歴史的なタブーとして扱われることが多い(本来は無関係で、偶然の一致で似たものも含まれる)。