タイムズスクエア

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タイムズ・スクエアTimes Square)は、アメリカ合衆国ニューヨーク市マンハッタンミッドタウンにある繁華街交差点の名称。マンハッタン島42丁目7番街ブロードウェイの交差を中心に位置し、東西は6番街から9番街まで、南北は39丁目あたりから52丁目あたりに広がるが、厳密な境界はない。いわゆるブロードウェイ・ミュージカルが上演されている各シアターが所在するシアター・ディストリクトの中心とほぼ一致する。

タイムズスクエアには建物外壁へのビルボードの設置が多く、世界中の企業の広告や巨大ディスプレイ、ネオンサインや電光看板が多くあり、アメリカのみならず世界の繁華街の代表的風景ともいえる。世界中からの観光客が集まる場所でもあり、ここの交差点は世界の交差点と言われる。

以前の名称はロングエーカー・スクエア (en) であり、ニューヨーク・タイムズの本社が現在のワン・タイムズスクエア大晦日ボールドロップのイベントが行われる場所[1])に移転してきたことから、1904年4月に現在の名称であるタイムズ・スクエアに改称された。

タイムズ・スクエアの北側の三角地帯は法的にはダフィー・スクエア (en) という地名である。これはニューヨーク市"歩兵第69連隊" (en) の従軍牧師であったフランシス・P・ダフィー (en) の名前から取って1937年に名付けられた。ダフィーの記念碑、ジョージ・M・コーハン (en) の像、シアター格安チケット売り場TKTS、そして赤い階段状の座席がこのエリアにある。ダフィー・スクエアとダフィー像は2001年にアメリカ合衆国国家歴史登録財に登録された[2]

歴史

1904年4月8日、ジョージ・マクレラン・ジュニア市長により、名称が現在のものへと変更された。当時はニューヨーク・タイムズの本社ビルが42丁目の角にあり、これを元にした名称変更であった。タイムズ紙編集者の要請により、地下鉄駅も作られた。 タイムズ紙本社ビルは1913年に移転したが、タイムズ・スクエアの名称は残った。

1910年代1920年代にかけて、劇場・音楽ホール・きらびやかなホテル等により、タイムズ・スクエアは急速に発展を見せた。1930年代世界恐慌の訪れとともに、その雰囲気はガラリと変わる。いかがわしいショーや連夜のエロティック・ムービーを上演するような風俗街へと成り下がり、多くの危険地帯も生まれる。その結果、1960年代1990年代初頭まで、タイムズ・スクエア一帯はニューヨーク市の危険地帯を代表する場所、とまで言われるようになった。

1990年代半ば、ルドルフ・ジュリアーニ市長の指揮の下、その一帯からはポルノショップ等は姿を消し(ブルックリンクイーンズへと移った)、安全面を向上させ、観光客に親しみやすい地域としてタイムズ・スクエアは生まれ変わった。

カウントダウン

1904年から毎年12月31日夜~1月1日にかけてのカウントダウンは世界的に有名で、2005年度はタイムズ・スクエアにおけるカウントダウン100周年ということもあり、世界各地から約70万人が訪れた。2007年度はタイムズ・スクエア・ボールを導入してから100周年であり、初めて発光ダイオード(LED)の水晶球が導入された。

交通・地理

マンハッタン島のミッドタウンセントラルパークの南端より10ブロック程度南に所在し、マンハッタン島の東西中心からやや西によった付近に所在する。実際に住所はWest地区に属する。

ニューヨーク市地下鉄の「Times Square-42 Street」駅がほぼ直下に立地し、N・R・Q・W線(黄色)と1・2・3線(赤色)、7線(紫色)、S線(黒色)が交差する。A・C・E線(青色)の「42 Street-Port Authority Bus Terminal」駅(8番街42丁目交差点下)ともつながっている。全急行路線が停車する。 クイーンズやダウンタウンからアッパー・ウェストサイドへ向かう場合など、ここで乗換えとなることも多い。

地上や地下駅構内を含め、観光客を含め利用者が非常に多く、駅構内でストリートミュージシャンの演奏を見ることも多いなど華やかな場所であるが、混雑や構造の複雑さから乗換えなどを含め、分かりにくい面がある。繁華街一般と同様、スリなどの多発にも注意が喚起されている。タイムズスクエア周辺といえども夜は繁華街から一歩出ると街灯も非常に暗い路地がある。

タイムズスクエアの西側には、近隣空港・都市などへのバスターミナルであるポート・オーソリティ・バスターミナルが位置する。東側はオフィス街で高層ビルが建ち並ぶほか、ロックフェラー・センター五番街などのショッピングエリアが隣接する。

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タイムズスクエアの交差点

メディア

タイムズスクエアには、ABCグッド・モーニング・アメリカMTVトータル・リクエスト・ライブのスタジオがある。

ビルボード

年間5,000万人の観光客、年末のカウントダウン生中継など、アメリカ人以外の目にも触れやすい場所であることから、ビルボードの売り手市場としては世界的にも屈指の場所。2007年の掲出料の相場は、掲載場所やスペースの差こそあれ1カ月27万5,000ドル~40万ドルという高額[3]。このため1960年代のキャメル(タバコの煙が出る)、1990年代のカップヌードル(湯気が立ち上がる)といった、目を楽しませるギミックが用いられた看板も多い。

ポピュラーカルチャーにおけるタイムズスクエア

関連項目

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脚注

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外部リンク

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  1. テンプレート:Cite web
  2. Harris, Stephen L. Duffy's War: Fr. Francis Duffy, Wild Bill Donovan, and the Irish Fighting 69th in World War I, Potomac Books, 2006
  3. テンプレート:Cite news