セックスレス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

セックスレスとは、日本性科学会によれば、「病気など特別な事情がないのに、1か月以上性交渉がないカップル」と定義されている。しかし、便宜上「カップルのうち、どちらかがセックスをしたいと望んでいるのに、長期間それができない状態」を総じて「セックスレス」と呼ぶのが一般的な解釈である。セックスが無い、あるいは回数が少なくても、カップル双方が不満や苦痛を感じず、関係が良好ならば「セックスレス」という言葉を使って問題として顕在化する必要がないからである。

また、アメリカ合衆国においては性交渉が1年に10回を下回る夫婦をセックスレスとし、20%の夫婦が当てはまるとされる[1]

セックスレスの実情

年齢が上がるにつれて、セックスレスのカップルは増加する傾向にある。伝統的に日本では夫婦は歳を重ねると性的に積極的であることがよくないこととされる風潮が根強くあり、現在でも、夫婦ともに「高齢者となってなお頻繁に性交渉があることは恥ずかしい」という感覚があるためである。朝日新聞の調査[2]によると、 セックスの回数が「この1年まったくない - 年数回程度」と回答したカップルは世代毎に、20代で11%、30代で26%、40代で36%、50代で46%という結果になっている。しかし、実際問題、男性の生理学的な性欲自体は80歳くらいまでは衰えず、女性は年齢が上がるほど性に積極的になるという傾向があるため、世代が上がるほどセックスレス問題の根は深く、深刻なものになっている。また、若い世代のセックスレスの比率も、海外と比較して決して少ない割合ではない。

原因

厚生労働省の研究班のアンケート配布による統計では、「仕事で疲れている 男性24.6%、女性15.1%」「出産後何となく 男性13.6%、女性21.0%」「面倒くさい 男性9.3%、女性18.8%」となっている[3]。以前は、出産後、男女から両親へと役割が変化する中、複数の原因が重なって徐々に回数が減っていき、最終的にセックスレスに陥るという見方が多かったが、現代では各カップル毎にその原因は固有のものであり、一元的に語れる問題ではないと考えられている。

脚注

  1. 全米保健社会生活調査、1994年。
  2. 「夫婦の性1000人に聞く」朝日新聞の2001年7月4日付
  3. 時事通信社 2009年1月3日

参考文献

外部リンク

参考サイト

関連項目