ステュクス

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ヨアヒム・パティニールの『ステュクス川を渡るカロン』(1515年 - 1524年)

ステュクス (テンプレート:Lang-grc-short) とは、ギリシア神話において地下を流れているとされる大河、あるいはそれを神格化した女神である。ステュィクススティクスステッィクス等とも呼ばれる。

オーケアノスの流れの十分の一を割り当てられている支流で、地下の冥界を七重に取り巻いて流れ、生者の領域と死者の領域とを峻別しているという。ステュクスの支流には火の川プレゲトーン、忘却の川レーテー、悲嘆の川コーキュートスアケローン川がある。

女神としてのステュクスは、オーケアノスとテーテュースの娘でオケアニデスの長姉である。また、クレイオスの息子パラスの妻で、彼との間にニーケークラトスゼーロスビアーをもうけている。

ティーターンの血族だが、ティーターノマキアーの際には、父神オーケアノスの勧めにより 子供達と共にいち早くゼウス側に寝返った。その功績により、彼女はゼウスから「神々を罰する」という特別な権限を与えられた。オリンポス山の神々は、誓言をする際にイーリスにステュクスの水を汲みに行かせる。神々はこれを飲んで誓言をするが、もしこの誓言に背けば、その者は 1 年間仮死状態に陥る。さらにその後 9 年間オリンポス山を追放され、10 年目にやっと罪を許されるという。

このように、ステュクスの水には神々さえも支配する特別な力が宿っており、猛毒であるという説や、逆に不死をもたらす神水であるという説が唱えられている。アキレウスも、この水に浸されて不死になったという。

関連項目

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