スクリューボール・コメディ

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スクリューボール・コメディScrewball comedy)は映画のジャンルのひとつで、主に1930年代から1940年代にかけてアメリカで流行したロマンティック・コメディ映画群を指す。その特徴は、常識外れで風変わりな男女が喧嘩をしながら恋に落ちるというストーリーにある(スクリューボールとは野球における変化球の一種のひねり球で、転じて奇人・変人の意味を持つ)。

また、この時期にはヘイズ・コードと呼ばれる映画製作倫理規定によって性的描写が厳しく禁止され、男女の肉体的な愛は一切描かれなかった。むしろそこに行き着くまでの長い道のりを面白おかしく描いたのである。表現が規制されていたため制作制作)者たちは頭を振り絞り、結果、良質の作品が作られたとも言える。

スクリューボール・コメディの第1号は「或る夜の出来事」であり、この作品が成功したことによってスクリューボール・コメディと呼ばれる作品が多く作られた。しかし、1950年代頃から、徐々に映画における性的描写の規制が緩やかになったこともあって、ジャンルとしては、段々と廃れていった。現在でも、スクリューボール・コメディ的要素を持った作品は作られ続けてはいるが(特に、現在でも性的描写への規制が厳しいテレビドラマに多い)、「スクリューボール・コメディ」と言う呼称が使われることは、ほとんどない。

スクリューボール・コメディの代表作

該当する作品群は多数に上るが、ここではアメリカ版のリストを参考に、特に代表的と思われる作品の中から、日本公開された物で、現在でも日本で比較的鑑賞が容易な作品に限定して紹介する。