シュウカイドウ

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テンプレート:生物分類表 シュウカイドウ(秋海棠、学名:Begonia grandis)は、シュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニア属)分類される多年生草本球根植物である。和名は中国名「秋海棠」の音読みヨウラクソウ(瓔珞草)とも呼ばれる。

分布

中国大陸山東省以南)、マレー半島に分布する。

日本では江戸時代初期に園芸用に持ち込まれた帰化植物#園芸を参照)である。

特徴

夏から初秋にかけて草丈 70cm 前後に生長し、扁心形で左右非対称のを互生させる。この葉は長さが 20cm 程度と大きい。葉にはシュウ酸が含まれる。

期は 8〜10月。花期になると茎の頂点から花序を伸ばし、2〜3cm 程度の淡紅色の花を咲かせる。雌雄同株異花で、雄花は花弁が開き黄色く球状に集まった雄蘂が目立ち、小さな花弁が 2枚と、大きな花弁のように見えるのはで 2枚。雌花には花弁はなく、大きな萼 2枚がわずかに開く。

花が終わると、こげ茶色がかり羽が 3枚ある楕円形の実を付ける。この種子のほか、開花後には葉腋に珠芽を付け、それでも殖える。

実を付ける頃には地上部は枯れ、球根で越冬する。

日本人とのかかわり

園芸

江戸時代初期に日本に持ち込まれて以降、園芸用として栽培されている。貝原益軒の『大和本草』に、「寛永年中、中華より初て長崎に来る。……花の色海棠に似たり。故に名付く」と記されている。[1]

シュウカイドウ属の中では耐寒性が高く、同属の中では唯一、日本の九州以北に定着し野生化している。基本的に丈夫で、繁殖も容易である。球根を植えれば屋外でも定着し、種子や珠芽を播いて殖やすことができる。直射日光が当たらない程度に明るく、湿気の多い場所を好む。

なお、近年は同属の多くの種が持ち込まれ園芸用として栽培されており、それらは主に「ベゴニア」と呼ばれているが、本(亜)種は古くから定着していたため、ベゴニアとは呼ばれない。

この他に日本に自生する種としては、沖縄県八重山諸島コウトウシュウカイドウ (B. fenicis テンプレート:AU) とマルヤマシュウカイドウ (B. formosana (Hayata) Masam.) がある。いずれも森林内の谷間周辺に見られ、コウトウシュウカイドウは茎が立って木立状になり、マルヤマシュウカイドウは茎が短く、葉は根出状になる。

俳句

俳句では季語として詠まれる。

花言葉

花言葉は、自然を愛す、恋の悩み、片思い、未熟[2]。「片思い」はハート形の葉の片方が大きくなるところからといわれる。

脚注

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参考文献


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  1. 秋海棠 和歌歳時記
  2. 花言葉 Floword