ココ山岡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

株式会社ココ山岡宝飾店(ここやまおかほうしょくてん)は、かつて横浜元町にあったダイヤモンドの販売会社。並びに同社が日本国内にチェーン展開していたダイヤモンドの販売店。

概要

1967年昭和42年)設立。当初は一般的な宝飾店であった。元町本店から事業拡大につれて北海道から沖縄まで全国各地の繁華街やショッピングビルの中に出店していった。しかしその後ダイヤモンドを購入時と同額で5年後買い戻すという5年後買い戻し商法(後述)を展開するようになった。販売方法にはマニュアルがあり独身男性をターゲットとしていた。店前改札前や1階のエスカレーター前など、カウンター内の店員(主として女性)が通行人(主として独身男性)に呼びかけ、立ち止まった通行人にデザインアンケートと称して写真に写された数点のダイヤモンドネックレスを提示し、どのデザインが優れているか選ばせた上でその実物を持って来て安物のダイヤモンドを、あたかも高級ダイヤモンドであるかのように説明し高額で販売していたとされる。また、モニター制度と称して普段から装着することで知名度を高めてもらおうと、特別価格と称して販売していたこともあった。

宣伝

全国的知名度を高めるとともに購買者に信頼感を与え販売に活かすため、積極的にクイズ等の視聴者参加型テレビ番組の賞品を提供することで。テレビ朝日の『100万円クイズハンター』や、フジテレビの『志村けんのだいじょうぶだぁ』における商品提供で知られた。「あなたのハート、好きです」というキャッチコピーを使用していた時期もある。

5年後買い戻し商法

販売にあたっては購入の決断を促すために、婚約指輪へのリフォームや一定期間後に販売価格で買い戻すという特約をつけて将来投資要素を強調していた。この特約が成り立つためには価格が上がることが前提であったが、実際には販売当時は不況などの影響もあり相場が下がり続けていた。また、ココ山岡のダイヤモンド鑑定書は独自のものであり、世間の鑑定とは大きな開きがあった。特約は当初機能していたが、やがて売上よりも買い戻しが上回るようになった。

ココ山岡は債務超過に陥り、1997年平成9年)1月9日自己破産を申し立て、翌日に破産宣告が下り、全店舗(98店舗)が閉鎖された。この際の負債総額は、約526億円であった。この後、消費者の手元には、価値の低いダイヤモンドしか残らず、加えて人によっては多額のローンも残るという事態を引き起こした[1]

ココ山岡は経営難であることを認識しながら、買い戻し特約付でダイヤモンド販売を行なっていたことが詐欺罪にあたるとして、捜索を受けた。

自己破産した直後に放送された日本テレビの『ザ・サンデー』で、司会の徳光和夫が「(山岡)会長を知っているので、顔を出して何らかの謝罪をして欲しい」と促した。

なお、破産手続は2007年2月19日付で終結している。

刑事裁判

一審(横浜地方裁判所)

二審(東京高等裁判所)

  • 森下展男(元社長)懲役一年六ヶ月実刑(上告)
  • 原義邦(関連会社社長)、懲役三年実刑(上告)

 森下を減刑した理由を、裁判長原田國男は「被告に実権はなく、特別背任の刑事責任はほかの被告より相当軽い」とした。

民事裁判

全国各地域で弁護団が結成され、10,000人近い被害者が、クレジット未払金の債務不存在確認と既払い金の返還を求めて信販会社などを提訴した。2000年11月、原告らの未払金債務の全部免除と、弁護団が信販会社から約25億円(既払い金の約4割)の返還を受けて、全国の原告に統一基準で分配するという内容で和解が成立した。

関連項目

出典

  • 『消費者法講義 第3版』日本弁護士連合会、日本評論社、2009年
  1. 詳録・会社はこうして潰れていく 帝国データバンク情報部 中経出版 1997年12月1日

外部リンク

テンプレート:Asbox