クリスチャン・ベール

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テンプレート:ActorActress クリスチャン・チャールズ・フィリップ・ベールChristian Charles Philip Bale, 1974年1月30日 - )は、イギリス俳優。身長183cm。クリスチャン・ベイルと表記されることもある。主にハリウッドで活躍している。

来歴

生い立ち

イギリスウェールズペンブルックシャーイングランド人の両親の元に生まれる[1][2][3]。そのため、「生まれはウェールズであるが、自身はイングランド人であり、ウェールズ人ではない(“I was born in Wales but I'm not Welsh - I'm English.” )」と本人も言及している[4]。父親のデイビッド・ベールは元パイロット、母親のジェニー・ジェームズはサーカスの元ダンサー、祖父はコメディアンという家庭でショウビズの世界に親しむ。姉が3人おり、エリンはミュージシャン、シャノンはコンピュータ・エンジニア、ルイスは女優兼監督である。ポルトガルアメリカなど数カ国で過ごし、1976年にイギリスに帰国。

キャリア

ミュージシャンを目指す長姉の影響で音楽の道を志すも、途中で役者志望に転向。10歳より演技をはじめ、演劇学校に入学。いくつかのCM出演を経て、1986年ローワン・アトキンソンの舞台『The Nerd』に出演。13歳の時にスティーヴン・スピルバーグ監督作品『太陽の帝国』(1987年公開)に、オーディション参加者4000人の中から選ばれ、主人公役で映画デビューを果たす。

2年間学業に専念した後、ケネス・ブラナーの『ヘンリー五世』で復帰。テレビ、映画での活躍が続いた後『ベルベット・ゴールドマイン』にグラム・ファンの新聞記者役で出演、新境地を開いた。ジョナサン・リース=マイヤーズユアン・マクレガーといった派手な登場人物の中にあって決して見劣りのしない深みのある演技でその存在感をアピール、高く評価される。

その後も着実にキャリアを重ね、『アメリカン・サイコ』では、昼間は一流企業のエリート、夜は殺人鬼という主人公を演じて注目され、2002年に主役を演じた『リベリオン』では、ガン=カタという激しいガンアクションをこなし、アクション俳優としての実績を重ねた。2005年の『バットマン ビギンズ』でバットマン/ブルース・ウェイン役を、2009年の『ターミネーター4』ではジョン・コナー役に抜擢され、大作アクション映画の主役として活躍する一方、人間ドラマを描く作品にもコンスタントに出演している。

2010年公開の『ザ・ファイター』でゴールデングローブ賞 助演男優賞アカデミー助演男優賞を受賞。

声の出演としてはアメリカ版『ハウルの動く城』ではハウル役を担当した。

2011年12月、南京虐殺を描いた主演映画『戦争の花(原題:金陵十三釵)[5]のキャンペーンで訪中した際に軟禁状態にある陳光誠を訪問しようとしたが、厳重な監視網により追い返された[6]

役作り

映画『マシニスト』(2004年)では、1年間寝ていない主人公を演じるために1日ツナ缶1つ・リンゴ1個だけの食事で過ごしたという。脚本を気に入り自ら監督に出演を申し出た本人は更に過激に痩せようとしたが、周りに止められ断念したという。それでも十分過ぎる程の病的なまでに痩せ細った身体を披露しており、2009年1月28日放送の『ザ・ベストハウス123』の「激やせ激太り自由自在!大変身を遂げた俳優BEST3」の第1位に選ばれている。最終的に63ポンド(約30キロ)減量で54キロまで体重を減らしたが、さらにそのすぐ後『バットマン・ビギンズ』の撮影が控えていたため、体格を戻す為に大量のアイスクリームなどを摂取し、6ヶ月で体重190ポンド(86キロ)までウエイトアップという過酷なトレーニングをやり遂げた[7]。2010年公開の『ザ・ファイター』では、コカイン中毒の元ボクサーを演じるにあたり13キロの減量だけではなく、実際に髪の毛を抜き、歯並びまでも変えて役作りに挑んだ[8]

私生活

2000年1月29日に元モデルでウィノナ・ライダーのアシスタントをしていたサンドラ・ブラジック( Sandra Blažić )と結婚(出会いは1994年の映画『若草物語』撮影現場)。2005年3月27日に長女(エメライン)が誕生[9]

様々なチャリティ等に参加しているようである。大の動物好きで、愛護運動にも参加している[10]。また、反捕鯨団体シーシェパードのスポンサーの一人でもある[11]。近年はバットマン役を演じたことから、バットマンファンとの交流を深めている。2012年7月にコロラド州で起こったオーロラ銃乱射事件に際しても、自らの意志でオーロラを訪問し病院の入院患者を見舞っており、同年9月にはバットマンファンの4歳の白血病の少年とその家族をディズニーランドに招待[12]、2013年には8歳の白血病の少年と電話で交流を図っていることが報じられた[13]。これらの活動は高く評価されており、ネットでは「真のヒーロー」と称賛する声も多い[12][13]

論争

2008年7月22日に母親と姉に対する暴行容疑で逮捕されたが[14]、後に不起訴になった[15]。この時クリスチャン・ベールは直接的な暴力を振るったわけではなく、二人を罵倒し、母親を突き飛ばしただけで、二人にけがはなかったと言われている。

2008年7月に『ターミネーター4』(2009年公開)の撮影で、撮影監督が本番中にもかかわらずにセット内にいたことに腹を立て、「気が散る」という理由で4分間にわたって放送禁止用語まじりの言葉を怒鳴り散らした。2009年2月にこのテープが流出してしまった[16]。後に本人はラジオ番組でこの件について、「自分でも信じられないほど、非常に常軌を逸した行動をしてしまいました。不良少年のように未熟な振る舞いをしてしまい、非常に後悔しています。おそらく、皆さんが今まで聞いたことのないようなヒドイ内容のテープだったでしょう。そのことについて、弁解をする気はありません。」と述べ、冗談の種にされるのは自業自得だと語った。同番組内でベールは「あの作品は私だけでなく、監督、スタッフの皆さんが一生懸命制作した作品です。非常に素晴らしい作品なので、私があんな馬鹿なことをしたから見たくないとだけは思わないでください」と監督、スタッフを気遣う発言をした。彼は撮影監督に謝罪し当日中に関係を修復しているという[17]

主な出演作品

公開年 邦題
原題
役名 備考
1986 アナスタシア/光・ゆらめいて
Anastasia: The Mystery of Anna
アレクセイ テレビ映画
1987 Heart of the Country ベン・ハリス テレビシリーズ
太陽の帝国
Empire of the Sun
ジム・グラハム
ミオとミラミス 勇者の剣
Mio min Mio
Jum-Jum/Benke
1989 ヘンリー五世
Henry V
少年
1990 デビルズ・パイレーツ
Treasure Island
ジム・ホーキンス
1991 高貴なる殺人
A Murder of Quality
ティム・パーキンス テレビ映画
1992 ニュージーズ
Newsies
ジャック・“カウボーイ”・ケリー/フランシス・サリバン
1993 スウィング・キッズ
Swing Kids
トーマス・バーガー
1994 若草物語
Little Women
セオドア・“ローリー”・ローレンス
Prince of Jutland アムレッド
1995 ポカホンタス
Pocahontas
トーマス 声の出演
1996 ある貴婦人の肖像
The Portrait of a Lady
エドワード・ロージア
シークレット・エージェント
The Secret Agent
スティーヴ
1998 コーンウォールの森へ
All the Little Animals
ボビー・プラット
ベルベット・ゴールドマイン
Velvet Goldmine
アーサー・スチュワート
1999 聖母マリア
Mary, Mother of Jesus
ジーザス テレビ映画
真夏の夜の夢
A Midsummer Night's Dream
デミトリウス
2000 シャフト
Shaft
ウォルター・ウェイド・Jr
アメリカン・サイコ
American Psycho
パトリック・ベイトマン
2001 コレリ大尉のマンドリン
Captain Corelli's Mandolin
マンドラス
2002 リベリオン
Equilibrium
ジョン・プレストン
サラマンダー
Reign of Fire
クイン・アバクロンビー
しあわせの法則
Laurel Canyon
サム・ベントリー
2004 ハウルの動く城
Howl's Moving Castle
ハウル 声の出演 (英語版)
マシニスト
El Maquinista
トレバー・レズニク
2005 バットマン ビギンズ
Batman Begins
ブルース・ウェイン/バットマン
ニュー・ワールド
The New World
ジョン・ロルフ
2006 プレステージ
The Prestige
アルフレッド・ボーデン
バッドタイム
Harsh Times
ジム・ルーサー・デイヴィス 製作総指揮
2007 戦場からの脱出
Rescue Dawn
ディーター・デングラー
アイム・ノット・ゼア
I'm Not There
ジャック/ジョン牧師 (ボブ・ディラン)
3時10分、決断のとき
3:10 to Yuma
ダン・エヴァンス
2008 ダークナイト
The Dark Knight
ブルース・ウェイン/バットマン
2009 ターミネーター4
Terminator Salvation
ジョン・コナー
パブリック・エネミーズ
Public Enemies
メルヴィン・パーヴィス
2010 ザ・ファイター
The Fighter
ディッキー・エクランド ゴールデングローブ賞 助演男優賞
アカデミー助演男優賞受賞
2011 金陵十三釵 ジョン・ミラー
2012 ダークナイト ライジング
The Dark Knight Rises
ブルース・ウェイン/バットマン
2013 アメリカン・ハッスル
American Hustle
アーヴィング・ローゼンフェルド
ファーナス/訣別の朝
Out of The Furnace
ラッセル
2014 エクソダス:神と王
Exodus:Gods and Kings
モーセ

脚注

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関連項目

外部リンク

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テンプレート:アカデミー賞助演男優賞 2001-2020 テンプレート:全米映画俳優組合賞助演男優賞

テンプレート:Normdaten
  1. "Christian Bale Biography (1974-)." FilmReference.com.
  2. テンプレート:Cite news
  3. テンプレート:Cite news
  4. テンプレート:Cite web
  5. テンプレート:Cite web
  6. テンプレート:Cite web
  7. 『マシニスト』 DVDコメンタリーより
  8. GAGAオフィシャルチャンネル
  9. "PROFILE" Celebrity Wonder, retrieved on 2006-06-04.
  10. Hotdog. “The Dark Knight Returns” Christian Bale – An Unofficial Appreciation, March, 2005, retrieved on 2006-05-15.
  11. テンプレート:Cite news
  12. 12.0 12.1 テンプレート:Cite news
  13. 13.0 13.1 テンプレート:Cite news
  14. テンプレート:Cite news
  15. テンプレート:Cite news
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