クイーン II

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クイーンII』(QUEEN II)は、イギリスロックバンドクイーンの2作目のアルバムである。本国では1974年3月に発表され、日本では3か月後の6月に発売された。

解説

彼ら最初のコンセプト・アルバムであり、前作『戦慄の王女』によるプレスからの酷評に対する回答でもあった。

レコード発売当時は、ギタリストのブライアン・メイ中心の「サイドホワイト」と、ヴォーカルのフレディ・マーキュリー作の曲のみの「サイドブラック」の2つに分けるという形式がとられた。この「白と黒」というコンセプトは、メドレー形式の曲の収録方法、アルバムジャケットの裏表や見開きの写真にも貫かれており、片面ずつのトータル性や「白と黒」が対になったコンセプトを1枚のアルバムとして押し出していた。 ライヴにおいても、ライティングの効果を無視してこのコンセプトが用いられた。しかし、CD化に際して上述のようなコンセプトも失われた。ただ、できるだけこのコンセプトを守るため、「Ogre Battle」の冒頭には長めの空白が挿入されている。

デビュー当初から、ルックス面におけるグラムロックの影響、作品にみられるクラシックの影響や組曲的、メドレー的な曲構成、レコードのA面B面をトータル・コンセプトの元に作る作風などから、一部ではプログレッシヴ・ロックの要素をアルバムに取り入れたともいわれた。

メインジャケットはフレディ以外のメンバーは白の衣装を着た写真を希望していたが、フレディの強い要望で黒のジャケットが採用された。また、「グレイテスト・ビデオ・ヒッツ1」のジャケットにも流用された。

また、ガンズ・アンド・ローゼスアクセル・ローズは、「オレが死んだらクイーンIIのアルバムを棺に入れてくれ」と述べたという逸話がある。

発売日

チャート最高順位

収録曲

注:曲の長さはCDにおけるものをそのまま記述しているため、挿入された空白などは考慮していない。

サイドホワイト
  1. プロセッション - Procession (May) - 1:12
  2. 父より子へ - Father to Son (May) - 6:14
  3. ホワイト・クイーン - White Queen (As It Began) (May) - 4:33
  4. サム・デイ・ワン・デイ - Some Day One Day (May) - 4:21
  5. ルーザー・イン・ジ・エンド - Loser in the End (Taylor) - 4:01
サイドブラック
  1. オウガ・バトル - Ogre Battle (Mercury) - 4:08
    イントロは、エンディング部分を逆再生したものである。
  2. フェアリー・フェラーの神技 - The Fairy Feller's Master-Stroke (Mercury) - 2:41
    比較的短い曲だが、曲調も歌詞も非常に複雑に入り組んだ形になっている。細密画で有名なリチャード・ダッドによるの同名の絵画をテイト・ギャラリーで見たフレディが、強く影響を受けて出来上がった曲で、プロデューサーのロイ・トーマス・ベイカーをテイト・ギャラリーに連れて行き、実際に絵を見せたというエピソードが残っている。
  3. ネヴァー・モア - Nevermore (Mercury) - 1:17
  4. マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン - March of the Black Queen (Mercury) - 6:33
  5. ファニー・ハウ・ラヴ・イズ - Funny How Love is (Mercury) - 2:48
  6. 輝ける7つの海 - Seven Seas of Rhye (Mercury) - 2:48(シングルカットA面)

レコード発売当初は、「サイドホワイト」「サイドブラック」と、各面が分かれ、「A面」「B面」という区別がなかった。ジャケットは表裏がブラック、見開きはホワイトが、それぞれ基調とされた。

テンプレート:Queen