アルマジロ
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アルマジロ(テンプレート:Lang-es)は、哺乳綱異節上目被甲目(Cingulata)に属する動物の総称。アルマジロ科(Dasypodidae)のみが現生する。
分布
形態
最大種はオオアルマジロで体長75-100cm。尾長50cm。体重30kg。最小種はヒメアルマジロで体長10cm。尾長3cm。体重0.1kg。
全身ないし背面は体毛が変化した鱗状の堅い板(鱗甲板)で覆われている。アルマジロ (Armadillo)という英名はスペイン語で「武装したもの」を意味する armado に由来する。敵に出会うと、丸まってボール状になり身を守ると思われているが、実際にボール状になることができるのはミツオビアルマジロ属 Tolypeutes の2種だけである。
生態
夜行性で、昆虫類やカタツムリ、ミミズ、ヘビなどを食べる。敵に襲われると手足を引っ込め、硬い甲羅で身を守る。地下に穴を掘って巣を作り、暑い日中は巣穴の中で眠って過ごす。前足には長く鋭い爪があり、穴掘りに適した体の構造になっている。
分類
- パンパテリウム科 Pampatheriidae †
- グリプトドン科 Glyptodontidae †
- ドエディクルス属 Doedicurus
- グリプトドン属 Glyptotherium
- Glyptotherium arizonae アリゾナグリプトドン
- Glyptotherium floridanum フロリダグリプトドン
- Glyptotherium mexicanum メキシコグリプトドン
- Glyptotherium texanum テキサスグリプトドン
- アルマジロ科 Dasypodidae
- スベオアルマジロ属 Cabassous
- Cabassous centralis パナマスベオアルマジロ Northern naked-tailed armadillo
- Cabassous chacoensis チャコスベオアルマジロ Chacoen naked-tailed armadillo
- Cabassous tatouay タトゥースベオアルマジロ Greater naked-tailed armadillo
- Cabassous unicinctus スベオアルマジロ Southern naked-tailed armadillo
- ケナガアルマジロ属 Chaetophractus
- Chaetophractus nationi ペルーケナガアルマジロ Andean hairy armadillo
- Chaetophractus vellerosus ケナガアルマジロ Little hairy armadillo
- Chaetophractus villosus アラゲアルマジロ Hairy armadillo
- ヒメアルマジロ属 Chlamyphorus
- Chlamyphorus retusus チャコアルマジロ Greater fairy armadillo
- Chlamyphorus truncatus ヒメアルマジロ Pink fairy armadillo
- ココノオビアルマジロ属 Dasypus
- Dasypus hybridus ムリタアルマジロ Southern long-nosed armadillo
- Dasypus kappleri ヤツオビアルマジロ Greater long-nosed armadillo
- Dasypus novemcinctus ココノオビアルマジロ Nine-banded armadillo
- Dasypus pilosus ムクゲアルマジロ Hairy long-nosed Armadillo
- Dasypus sabanicola コムクゲアルマジロ Llanos long-nosed Armadillo
- Dasypus septemcinctus ナナツオビアルマジロ Seven-banded armadillo
- ムツオビアルマジロ属 Euphractus
- Euphractus sexcinctus ムツオビアルマジロ Six-banded armadillo
- オオアルマジロ属 Priodontes
- Priodontes giganteus オオアルマジロ Giant armadillo
- ミツオビアルマジロ属 Tolypeutes
- Tolypeutes matacus マタコミツオビアルマジロ Southern three-banded armadillo
- Tolypeutes tricinctus ミツオビアルマジロ Brazilian three-banded armadillo
- ピチアルマジロ属 Zaedyus
- スベオアルマジロ属 Cabassous
人間との関係
もともとは南アメリカ大陸の生物であると思われるが、最近では北アメリカ大陸でも見かけるようになりアメリカ合衆国南部では一般的に見かけられるようになってきている。また、ペットとして飼育される事例も多く、意外と人になつく生き物でもある。一方、穴を掘るという性質から、農地や庭を荒らす害獣と認識され、駆除の対象ともなる。睡眠時間が長く一日18時間も寝て過ごす。野生では巣穴を掘って穴の中で生活しているが、飼育下では無防備にあお向けになって寝る。
南米では、アルマジロの肉を食用としているほか、甲羅はチャランゴなどの楽器の材料に使われている。アンデス地方の先住民族であるケチュア族の言葉ではケナガアルマジロを「キルキンチョ(quirquincho / kirkincho)」もしくは「キルキンチュ(quirquinchu / kirkinchu)」と呼び、ボリビアやペルーではこの名前で呼ばれることが多い。フォルクローレの里として有名なボリビアのオルロでは、自分たちのことを「キルキンチョ」と自称するほど親しまれた動物である。
オルロやラパスなどのアンデス地方の都市でカルナバル(カーニバル)の際によく踊られる「モレナダ」と呼ばれる踊りでは、手にアルマジロの胴体で作ったリズム楽器を持つことがあり、この楽器は「マトラカ(matraca)」と呼ばれる。中に鉄板をはめ込んだアルマジロの胴体に棒をつけ、棒を持って振り回すと鉄板がガリガリと音を出すようになっている。近年のカルナバルでは、本物のアルマジロを使う代わりに、同様のものを木などで作ることの方が多い。踊り手たちが所属するグループを示すものの形をしたマトラカ(運送業者のグループならばトラック型のマトラカなど)を持って踊ることもある。
アルマジロは人間以外の自然動物で唯一ハンセン病に感染、発症する動物であるため、ハンセン病の研究に用いられてきた。
テネシー州では野生のアルマジロが増えすぎてしまい、狩猟免許を持っていれば狩猟して食肉として食べて良いことになっている。
飼育方法
日本でも個人でペットとして飼育することが可能である。特に法令による規制は受けていないので、許可や登録などの義務は無い。