カラリオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

カラリオ (Colorio) は、セイコーエプソンが製造・開発し、エプソン販売から販売されるインクジェットプリンター(インクジェット複合機)などの一般家庭向け製品で使用される日本国内のブランド名。デジタル技術を利用した写真環境の提案を事業戦略としている。1995年よりエプソンの一般家庭向けプリンター・デジタルカメラスキャナで「カラリオ」の名称が使われ始めた。

ファイル:Epson PM-700C.jpg
フォト・マッハジェット カラリオ PM-700C

プリンター

概要

1995年に前年のインクジェット方式のマッハジェットプリンター(MJシリーズ)のヒットを受けて、1995年よりコンシューマー向け製品で「カラリオ」ブランドの使用を開始した。

1996年11月に「フォトマッハジェットプリンタPM-700C」を発売し、プリンターとしては稀にみる大ヒット製品となった[1]。このPM-700Cのヒットにより、1995年以来インクジェットプリンターのシェアトップだったキヤノンを逆転することができた。

その後、年を追う毎にカラリオシリーズは高性能化し、2002年には、褪色性や耐水性に優れていながらも発色で劣っていた顔料インクを写真向けに改良した「PXインク」を開発、「PM-4000PX」を発売した。さらに2003年には発色と耐久性を更に強化した「PX-Gインク」を開発、「PX-G900」を発売した。

一時はキヤノンの倍近くのシェアを獲得していたが、2001年以降から徐々にシェアを近づけられ、2004年以降は毎年キヤノンとトップシェアをめぐっての激しいつばぜり合いを繰り広げている。

近年のエプソンのインクジェットプリンター製品ラインナップには、光沢感と高画質に有利な6色染料タイプのコピー複合機を中心に据え、普通紙印刷に強い顔料4色タイプやそれらの単機能プリンター、写真・はがき印刷用の小型プリンター(カラリオ・ミーシリーズ)、また写真画質重視のプロ/ハイアマ向けのプロセレクションシリーズが用意されている。

プリンターとしての一般的な評価

一般的に(カラリオに限らず)エプソンのプリンターは写真画質の高さで、プロの写真家やデザイナーイラストレーターなどからも広い支持を得ている[2]。また、フチなし印刷やCD/DVDレーベル印刷、プロ/ハイアマ向けA3インクジェット製品など、他社に先駆けて新たな機能の開発・提案を推し進めている(詳細は後述)。印刷物の保存性を高めるという点にも力を入れており、空気中のオゾンによる褪色を改善した「つよインク」や人物写真を中心とした画像補正機能「エプソンカラー」など業界に対する影響は大きい。

一方で、かつては印刷速度やヘッドの目詰まりなどの面[3]で他社の後塵を拝する状況もあったが、近年は技術革新などで改善されている。

カラリオの速度

一般的に、インクジェットプリンターの印刷速度を左右する要素のひとつは、ヘッドに搭載されるノズル数である。しかし、カラリオの採用するピエゾ方式は多ノズル化にあまり向いていない。キヤノンヒューレットパッカードが採用しているサーマル方式は多ノズル化が容易[4]なため、これらのサーマル方式の製品と比較すると、特に普及価格帯の製品でカラリオは速度が遅いと指摘されることがある。

しかし、印刷速度を左右する要素は、ノズル数の他にインク吐出量制御[5]やヘッド駆動周波数など複数の要素があるため、ノズル数だけの比較では、インクジェットプリンターの速度比較は成りたたない。実際、中上位機種ではノズル数の少ないエプソン製品がノズル数の多い他社製品を上回っており、ピエゾ方式の速度の遅さというのは過去のものとなっている。

将来的には、新型の高密度ヘッド[6]搭載による、さらなる速度向上も見込む。

新たな印刷の提案

エプソンは他社に先駆けて新しい印刷機能を取り入れることが多い。四辺フチなし印刷機能や、インクカートリッジにICチップを取付けてインク残量を記録する機能など、競合他社がのちに真似をすることが多い。

フチなし印刷

それまで、「一回り大きな紙に印刷し、余白部を切り取り、望みの大きさにする」ことにより実現されていたフチなし印刷を、直接目的の大きさの用紙に印刷できるようにした。最初は左右の2辺フチなしとロール紙を組み合わせることで4辺フチなしとしていたが、後に直接4辺フチなしを可能とした。

PRINT Image Matching(PIM)

デジタルカメラの画像を最適に印刷できるように開発したエプソン独自の規格。

対応カメラと対応ソフトウェアの組み合わせにより、それまで問題とされた「ドライバの勝手な補正によって望みとかけ離れた出力が行なわれる」という事態を避けられる。

これに対してキヤノンは標準規格としてExif Printを提唱し対抗。Exif Print策定にはエプソンも関わっているが、エプソンの主張する多くの機能は取り入れられなかった[7]。そのため、エプソンは対抗的にPIM IIを展開。Exif Printもサポートしながらも、PIMの優位性を打ち出そうとする。

結果的には、サポートプリンターが限られるPIMよりも多くのプリンターで使えるExif Printが優勢となる。特に、あわせてデジタルカメラのシェアの多数を占めるキヤノンニコンの2社のカメラが対応していないため、利用できる(特にプリントの出来上がりを気にするハイエンド〜プロの)ユーザは限られている。ニコンは当初こそPIMをサポートしていたが、後にExif Printに切り替え、しかも出荷済みPIM対応カメラ数機種に対しファームウェア入れ替えでExif Print対応機に切り替える(PIMとの両対応にではなく、Exif Printだけの対応に、である)という対応を行った。その後もニコンはPIM協賛メーカに名を連ねているが、カメラでのPIM対応はそこまでである。後にPIMはさらにPIM IIIまでバージョンアップされているが、搭載されているデジタルカメラは少数である[8]

ロール紙

上記フチなし印刷の実現のために用意された機能であるが、単票紙よりも、給紙方向に対して上下端の画質低下が無い(単票紙だと給紙の関係で用紙の上下端において印刷解像度が落ちることがあったため、画質の低下が起きることがあった)、連続印刷時の給排紙速度が速くなる、一枚あたりのコストが低い、横断幕のような長尺印刷が可能というメリットがあった。

しかし、オートカッターが無い機種では一枚ずつ切り離すのが面倒(フチなし印刷の節で記載した旧来のやりかたと、結局手間がかわらない)、巻いた紙を使用するので出来上がったプリントに反りが出来るのが嫌われた、単票の写真紙の価格が下がった、などの理由で次第にサポートされなくなり、2007年現在、これをサポートするのはA3機とA4顔料機の最上位モデルだけである。他社の追随も見られなかった。

CD/DVDレーベル印刷

従来はCD/DVD表面に文字やイラスト等を印刷したい場合、専用のラベルに印刷しそれをディスク表面に貼り付ける必要があったが、CD/DVDレーベル印刷機能により、インクジェット対応のCD/DVD表面へ直接印刷することが可能になった。2000年10月に発売したPM-900Cに初めて搭載され徐々に対応機種が広がった。後にキヤノンなど他社も同様の機能を取り入れている。

スタンドアロン機能

パソコンを使わずに簡単、綺麗に写真を印刷する機能をカラリオに搭載した。ただし低価格機では、PC利用時に比べ単体での印刷時に印刷解像度が低下する。

CD/DVDレーベルコピー

複合機のスキャナを用いてCD/DVDレーベルをコピーする。いったんスキャニングする手間が省け、PCも必要としないなど利便性が高い。

手書き合成シート

USBメモリやフラッシュメモリに保存された写真に、PCを使わずに複合機のスキャナを用いて文字やイラストを合成して印刷する機能。 写真専用紙はサインペンなどで書きにくい素材でできているため、年賀状などの印刷時に便利である。

テレプリパ

PM-T990よりサポートされた。地上デジタルテレビ放送のデータ放送により提供されるコンテンツを、家庭内LAN(無線/有線)を経由してテレビから直接印刷できる機能。“PM-T”から始まる複合機で標準対応する。非対応モデルでも、一部モデルに関しては別売のPA-TCU1を組み合わせることにより、テレプリパの機能を付加することが可能。「テレプリパ」という言葉自体は、エプソン販売の登録商標(第5058215号)。

カラリオ・プリンター

  • 型番の付け方はそのつど変遷している。染料機は当初MJ、6色染料機登場後はPMが追加される。その後は(MJ/PM)-xxx(C/PT/DU/PX)の定型でxxx部の数字により型番が決められ、末尾のアルファベットによりそのプリンターの特徴(C=カラープリンター/PT=プリントン/DU=PhotoPC Linkによりダイレクトプリント可能/PX=顔料インクを採用)を示していた。
  • さらにその後(PM/PX)-(G/V/A/D/T/FA)xxxと型番のつけ方が変更となった。単機能プリンターにおいては頭のアルファベットと中間のアルファベットで搭載しているインクの種類(PX-G=8色顔料インク/PM-G=染料インク/PX-V=4色顔料インク)を示しているが、多機能プリンターでは頭のアルファベットはインクの種類(PM=染料/PX=顔料)、中間のアルファベットはプリンタに付随される機能(A=インクジェット複合機/D=ダイレクトプリンタ/T=テレプリパ搭載機/FA=FAX搭載機)を示している。
  • 2008年10月以降の製品からは、(EP/PX)-xxx(なし/A/F、なし=単機能、A=複合機、F=FAX搭載機)に変更。染料インク搭載機がEPとなり、プリンターの機能を示すアルファベットが末尾に付いた。
  • インクについては2003年秋より「つよインク」というプロモーションを開始。もともと高い耐光・耐ガス性(オゾンなど)をもつ顔料インクを採用した「顔料つよインク」、分子構造を改良して高い耐光・耐ガス性を実現した染料インクを採用した「染料つよインク」により、以前の機種よりも色あせに強くなった。現在はさらに改良されて、200年の耐久性を誇る「つよインク200(染料)」「つよインク200X(顔料)」となっている。ただし、200年の耐久性はエプソン独自の実験環境下によるものであり、しかも、エプソン純正の写真用紙を使用し、アルバムに保存した状態である。ユーザー個々の環境によっては大幅に耐久性が劣る可能性もあるので留意したい。
    つよインク200 - アルバム保存時200年、耐光性50年、耐オゾン性15年
    つよインク200X - アルバム保存時200年、耐光性80年[9]/45年、耐オゾン性30年

染料インク搭載機

MJ-500C/800C
初めて「カラリオ」ブランドを冠したモデル。このときはMJシリーズの一般向けという位置づけであった。MJ-800Cは完全に720dpi対応であるが、MJ-500Cでも擬似的に720dpi相当まで印刷可能(セミ720dpi)。インクカートリッジはブラックだけ単独で、それ以外のカラー3色(CMY)は一体型カートリッジとなっていた。
PM-700C
1996年11月発売。インクの粒子を大幅に極小化するノズルを搭載した新開発のインクヘッドにより、発売当時最高水準の720dpi×720dpiの高解像度と、従来の4色(CMYK)インクに補助色の「ライトシアン」「ライトマゼンタ」を加えた6色インクにより粒状性と階調表現力に優れたこの機種を、「超・写真画質」のキャッチコピーを売りにし発売した。家庭(個人)ユーザーでも手に届きやすい価格(メーカー標準小売価格59,800円)も相まって、後継機のPM-750C(1997年11月発売。さらなる高性能化で1440dpi×720dpiの高解像度・印刷スピードが向上した。)が発売になるまで累計売上台数約70万台を記録した。
PM-770C
PM-770CはPM-750Cと同等の1440dpi×720dpiの高解像度に加え、当時世界最小6ピコリットルのドットサイズを実現している。ノズル数も倍化し、従来比1.5倍の印刷速度を実現している。また、従来機種では用紙下端に14mmのマージンが必要だったところを、上部、左右と同じ3mmのマージンに揃えた。これによって年賀状印刷により適したプリンタになっている。
PM-800C
PM-800CはPM-770Cと同等の解像度を確保し、更にインク滴を当時最小の4ピコリットルを達成する。
なお本機の一番の特徴は、トイレットペーパーのようなロール紙を用いて、印刷後自分で不要な上下をカットすることでフチなし印刷を可能にしたことといえる。家庭用プリンターでは、紙を押さえられない最上部、最下部の印刷品質の低下が避けられず、マージンとして確保する必要があった。本機では、そうした技術的な問題を、ロール紙という形で回避し、写真屋(DPE)にあるようなフチなし印刷を可能にした初めての機種といえる。
また、後期に発売されたPM-820CではA4幅のロール紙へのフチなし印刷に追加対応し、一部印刷において赤が黒っぽく印刷されるカラーマネージメント部分を改良しているとされている。
PM-900C
PM-900Cはインク滴サイズを最小2ピコリットル(正確には2.4ピコリットルと、後にITMediaで表明されている)を達成すると共に、インクジェットで難しいとされる暗の階調表現にダークイエローを追加。合計7色と多色化される(カートリッジはブラックおよびカラー6色一体型)。
また、昨年度に続きフチなし印刷を進化。A4カット紙における四辺フチなし印刷を可能にする。
さらに、ディスプレイが苦手とする鮮やかな緑(ライトグリーン)表現などを鮮やかにする、エプソンナチュラルフォトカラーを実装している。
インクジェットプリンターとして、初めてCDレーベル面への印刷をサポート。ただし、CD-Rプリントキットを別途購入する必要があった。
PM-920C
PM-900Cのマイナーチェンジ。PIMサポート。CD-R印刷に標準対応。カラリオ主力シリーズではカラー一体型インクカートリッジ最後の機種となった。
PM-950C
インク滴サイズの変更はないものの、解像度を倍の2880dpi×1440dpiにするなど、引き続き高画質化を進める。
このPM-950Cの前モデルであるPM-930Cからカラーインクに独立インクカートリッジが採用され、キヤノンがそれまで主張していた「独立インクではインクの無駄が無い」に追従。なくなったインクだけ交換できるというメリットが生まれたが、インク一体型であった従来機に比べ、インクコストはむしろ高くつくことになった。PM-900Cのカラー一体型カートリッジから採用された「ダークイエロー」インクは独立インクカートリッジになってからも継続された。
ポンプユニット不良発生によりリコール対象となっている[10]
PM-970C
PM-970Cは2880dpi×2880dpiという超高解像度に到達。プリントヘッドが従来比2倍のノズル数となることにより、より高速化しているモデルである。これに合わせ、最高画質モードにて、MSDT(複数のインク滴サイズを打ち分ける技術)の採用を見合わせた、近年カラリオでは非常に珍しい機種の1つ。
これに加え、インク滴サイズも最小2plから最小1.8plへ改良されている。
なお、CD-R印刷機能についても改良が加えられており、従来はCD-Rを背面から挿入しなければならなかったり(PM-900C/PM-920C)、本体前面から挿入できてもCD-R印刷用のトレイガイドを本体前面に装着してからCD-Rを専用トレイにセットしてから挿入しなければならず、かさ張るトレイガイドの保管場所と共にCD-R印刷を煩雑なものとしていたが(PM-950C)、PM-970Cより、排紙トレイ部分がトレイガイドとして機能するようになり、レバー操作とCD-Rをトレイに載せるだけの簡単な操作を実現した。レーベルトレイを正しい位置に合わせる、光学式の自動位置合わせセンサも搭載し、厳密な位置合わせを手軽に実現している。この機種の段階でCD-R印刷機能は成熟したと言える。
PM-980C
2003年5月発売。従来はできなかった最高画質時の四辺ふちなし印刷を可能にし、給紙時の騒音を緩和する静音給紙モードを搭載するなど、970Cの弱点を改善した。この機種を最後にダークイエローインクは姿を消し、2013年9月現在も復活していない。
PM-G800
2003年10月発売。最小インク滴は1.5plとなり、インク滴サイズを打ち分けて高速化するMSDTを装備。
PM-G820/G720
2004年10月発売。印刷解像度が5760×1440dpiにまで到達。
PM-G730
2005年10月発売。「オートフォトファイン!EX」「純正写真用紙」「つよインク」の3つを組み合わせにより実現する写真印刷品質を、「EPSON Color(エプソンカラー)」というブランドとして展開。
PM-G850
2006年10月発売。耐色性に優れた「つよインク200」が新たに搭載され、写真の保存性能が向上した。また、インク滴サイズを打ち分けて高速化するMSDTも強化され、Advanced-MSDTとなった。
PM-G860
2007年10月発売。従来とは異なり黒い本体にスクエアデザインを採用。G850から印刷速度が向上した。
EP-301/302/4004
301は2008年10月、302は2009年10月に登場したモデル。前世代のG860と比較してオートフォトファイン!EXが強化されたが、印刷性能は同等である。302で本体デザインが若干変更された。2012年2月発売のEP-4004はEP-302のA3ノビ対応機だが、無線LAN機能とピクトブリッジ端子が追加されている。
EP-306
2013年9月発売。染料インクを搭載したA4対応の単機能モデルに新モデルが登場するのはEP-302以来約4年ぶりとなる。ホワイトボディの新デザインとなり、奥行はEP-302比49mm長くなったものの、EP-302に比べて幅60mm・高さ46mm短くなったことでコンパクト化された。無線LANに標準対応するのはもちろん、「Epson iPrint」にも対応し、スマートフォンタブレットからのプリントも可能となり、ピクトブリッジ端子も装備された。また、異なるサイズの用紙を同時にセットできる前面2段給紙+厚紙も印刷できる背面1枚手差し給紙の3way給紙方式になったうえ、自動両面印刷も可能となった。インクカートリッジは2012年秋発売の染料インク搭載・A4対応多機能モデルから採用している70番・70L番(増量タイプ)インクとなった。

顔料インク搭載機(高品位)

高品位の顔料インク搭載機についてはMAXARTの項目も参照されたい。

PM-4000PX
初めて顔料インクを搭載したモデルであり、7色顔料インク搭載機。今までにも顔料インクを搭載したプリンターは存在していたが、特定の色のみに限定していたり、光沢感を持たせることが出来なかったが、インクを均一化し、吸着性の高い樹脂コーティングを行った「PXインク」を採用。黒インクには透明感のある「フォトブラック」と不透明の「マットブラック」の2種類が用意され、印刷時の用紙設定によりどちらか一方が使用される。A3ノビまで対応。
なお、PM型番の顔料インク搭載機はこれが唯一で、以降はPXとして独立した型番となる。
PX-G900/G920/G930/G5000
PX-G900は、染料インク機のPM-970Cより劣る2880dpi×1440dpiに解像度を落としたものの、最小インク滴サイズを1.5plまで極小化したプリンター。PM-4000PXで採用された「PXインク」の改良型である「PX-Gインク」を採用し、カラーインクにはCMYに加え、補助色としてブルーとレッドが用意された。それらに加えて光沢感を補う透明なインク「グロスオプティマイザ」を搭載することにより、光沢感を持つ写真印刷を実現した。その後印刷解像度の高精細化(5760dpi×1440dpi)などを重ねPX-G920、PX-G930となっている。なおPX-G930は2006年に発売されたが、2012年12月現在、後継機となるA4サイズの顔料高品位モデルは発売されていない。PX-G5000はPX-G920のA3ノビ対応機。
PX-G5100/G5300
PX-G5000の後継モデル。G5300ではインクが53番になり、8色顔料(7色+グロスオプティマイザ)という構成は変わらないものの、肌色の再現に重点を置くためブルーインクの代わりにオレンジインクが採用されている。ピクトブリッジ端子を初めて装備している。
PX-7V
PX-G5300の後継モデルで2011年9月に発売された。「7V」という特殊な品番を持ち、カラリオブランドではあるがプロおよびハイアマ写真家向けの「プロセレクション」に分類されている。PX-G5300で採用されなかったブルーインクが復活し9色顔料(8色+グロスオプティマイザ)のインク構成となった。ただしカートリッジ装着部とノズルは8色分しか用意されておらず、ブルーインクとマットブラックインクが排他使用する形になっている。このため、マット印刷時にはブルーインクが使えない。インクカートリッジ品番『66番』は本機専用。

顔料インク搭載機(低コスト)

PX-V700/V600
4色の顔料インク「PX-Vインク」を採用した、低価格帯に位置するモデル。2003年2月発売。解像度は1440dpi×720dpi、ノズル数は黒180、カラー59×3。モノクロ印刷が速く、大容量黒インクを搭載するなど、ビジネス利用もにらんでいた。
PX-V600は2003年10月に発売されたPX-V700の後継モデル。印刷解像度は2880dpi×720dpiに引き上げられたが、黒インクは小さくなってしまった。
PX-V500
2004年2月発売の普及機。黒ノズル90、カラー29×3に削減されている。
PX-V630
2005年10月発売のPX-V600の後継モデル。印刷解像度が5760dpi×1440dpiに引き上げられた。
PX-V780/101
PX-V630の後継モデル。2007年10月発売。白い本体に、従来モデルとは異なるスクエアデザインを採用。モノクロ高速印刷に特化し、黒インクを2本使用することでレーザープリンターなみの速度を実現。
PX-V780の後継モデルであるPX-101(2008年10月発売)では、排紙トレイの仕様を変更した。
PX-201
2008年10月発売。EP-301に似た、黒いスクエアデザインを採用。PX-101と同様にモノクロ高速印刷に対応しているが、標準サイズの黒インク2本を使用するPX-101に対し、PX-201は2本分の量が入った大容量黒インクを1本使用する仕様に改められた。エンジンはPX-502Aと同等のもので、PX-101に比べるとカラー印刷も速くなっている。また、カラーインクがなくなっても黒インクだけで5日間印刷を続行できる「黒だけでモード」を搭載。有線/無線LAN対応。
PX-1001/1004
2009年7月発売。A3ノビ対応機種。4色顔料機。高速MACHヘッドを採用。高速モノクロ印刷が可能。
PX-1004は2011年9月発売の後継機種。
PX-203/204
2010年10月発売。前面給紙・自動両面印刷・有線/無線LANに対応。エンジンはPX-503Aと同等のもの。最大250枚の用紙をセットできる。
PX-204は2012年2月発売の後継機種。
PX-205/105
2012年9月発売。PX-205はPX-204の後継機種。印刷性能はPX-504Aと同等で、A4印刷時で6万ページの高耐久性を実現。PX-105はPX品番の単機能モデルにおいて新たに設定されたエントリーモデル。印刷性能はPX-435Aと同等で、無線LANを標準搭載し、A4印刷時で5万ページの高耐久性を実現。

マルチフォト・カラリオ

染料インク搭載機

PM-A850
PM-A850はプリンタ・スキャナ・コピー・ダイレクトプリントの1台4役を実現したインクジェット複合機である。前述のPX-G900と同時の2003年10月に発売された。写真画質に力を入れた複合機の先駆けとして、市場で好評を博した。それまでの複合機はコピー主体での使用が前提となっており、搭載インク数が4色であったり、L判写真印刷に非対応であったりしたが、搭載インク数を6色まで増やし、カラー液晶ディスプレイを標準搭載したことにより、写真印刷が高画質化し、パソコンを使わないダイレクトプリントもサポートし、プリントンシリーズを包含した。
PM-A900/A870
2004年10月に発売。PM-A900は、PM-A850の上位後継モデルとして登場したインクジェット複合機である。前年春に登場したPM-D1000と同様の、インクカートリッジとプリントヘッドを分離したオフキャリッジ方式により、メンテナンスの手間軽減(インクカートリッジを本体手前から交換できる)、印刷時に発生する振動の軽減を実現している。
新機能としては、手書き合成機能が挙げられる。デジタルカメラの写真と、手書きした内容をプリンター本体のみで合成し印刷する機能となっており、手書き文字を入れたオリジナル写真付き年賀状を作成することが出来る。また、CDレーベル面のコピー印刷も可能となり、レーベル面も含めたCDの複製(CDの記録内容に関してはPCで行う必要がある)を簡易にした。
PM-A870は、PM-A850の後継モデルである。基本性能は変わっておらず、ボタン改良による操作性向上や製造コストの低価格化の小改良にとどまる。
PM-A950/A890
2005年10月に発売。PM-A950はPM-A900の後継モデルとして登場したインクジェット複合機。基本設計に大きな変更は無いが、印刷パス数(ヘッドが行き来する回数)の最適化により印刷速度を高速化したモデルとなる。この年より自動画像補正のオートフォトファイン!6がバージョンアップし、オートフォトファイン!EXとなる。顔判別機能による逆光補正や色彩補正により、積極的に画像を補正するようになった。
この「オートフォトファイン!EX」、「純正写真用紙」、「つよインク」の3つを組み合わせにより実現する写真印刷品質を、「EPSON COLOR(エプソンカラー)」というブランドとして展開し始める。
PM-A890はPM-A950と同様、「EPSON Color」に対応。印刷速度も高速化している。前モデルPM-A870の弱点であったCD-Rレーベル印刷機能を搭載し、機能の死角を減らしている。これにより、上位モデルとの機能差が縮まった。
PM-T990/A970
PM-T990/A970はPM-A950の後継モデル。2006年10月発売。CD/DVDコンボドライブを搭載し、カードスロットに挿入されたデジタルカメラのメモリーカードの写真データを、CD-R/RWにダイレクトで保存可能になったモデル。T990は有線/無線LAN対応。従来のモデルでも、USB端子に対応のCD-R/RWドライブやMOドライブを接続すると、メモリーカードの写真データをバックアップすることが可能であったが、今回のモデルから本体内に搭載されることとなった。これにより、”パソコンは使えないがデジタルカメラを使いたい”という層に、撮影・印刷・保存・焼き増しまでをフルサポートできるようになった。
なお、インク滴サイズを打ち分けて高速化するMSDTが強化され、Advanced-MSDTとなった。従来はインク滴サイズを3段階で打ち分けていたところを、5段階の打ち分けとすることにより、印刷画質を落とさずに印刷速度を向上している。
また、新たに耐色性に優れた「つよインク200」が搭載された。従来つよインクでは耐光性20年、耐オゾン性10年、アルバム保存年数100年のところ、耐光性50年、耐オゾン性25年、アルバム保存年数200年となり、写真の保存性能が向上した。
さらに、カードダイレクトの写真プリントを高速化する、高速画像処理エンジン「REALOID」が搭載された。従来は、ダイレクトプリント時に写真データをプリントデータに変換する処理に時間がかかり、カタログのスペックよりも速度が遅くなってしまったり、印刷解像度を落とすことにより処理を省略して遅くなってしまうのを防止していたりしたが、この処理チップ搭載により、PC接続時と同等の速度・画質を実現している。
PM-A920/A820
2006年10月発売。Advanced-MSDT、つよインク200はT990/A970と同様。A920は従来の背面給紙に加え前面給紙カセットを採用し、オプションで自動両面印刷にも対応する。
PM-T960/A940/A840
2007年10月に発売。A920の後継としてT960/A940を、A820の後継としてA840を2007年10月に発売。それぞれ前モデルから印刷速度やオートフォトファイン!EXが向上したほか、T960では有線/無線LANおよび自動両面印刷に標準で対応。
EP-901F/901A/801A・PM-A840S
2008年10月に発売されたモデル。従来モデルとは一線を画したデザインを採用。901F/901A/801Aはオフキャリッジ方式と前面二段給紙トレイにより大幅な小型化とユーザービリティの向上を実現した。新型のヘッドを採用し、起動時に自動で目詰まりをチェックして必要があればクリーニングする機能を新搭載した。また、インク交換時の充填も全色でなく交換した色のみ充填するようになり、無駄なインク消費が抑えられている。EP-901F/901AにはADF(オートドキュメントフィーダ)と有線/無線LAN機能、タッチパネル機能を搭載、加えてEP-901FのみFAX機能を搭載している。オプションで自動両面印刷にも対応する。A840SはA840の小改良版。
これらと同時期に登場したモデルより、染料機はPMからEPとなった。CCDスキャナを搭載するモデルはなくなっている。
EP-902A/802A/702A
802Aは2009年9月、902Aは2009年10月発売。902A/802Aで新たに有線/無線LAN機能に標準で対応したほか、給紙機構に小改良があり、純正フォト光沢紙に新たに対応した。また天板にドットパターンテクスチャを施し、指紋や汚れが付きにくくなっている。702AはA840Sの実質的後継で、従来の機構をEP系のボディに載せ換えたものである。オンキャリッジ方式、背面給紙、有線/無線LAN機能はオプションで対応、自動両面印刷は非対応。
EP-903F/903A/803A/803AW/703A
2010年9月発売。操作手順に応じてその時に使えるボタンだけを点灯させることで迷うことなく目的の操作にガイドする「カンタンLEDナビ」を新搭載。903はプリンターと接続したHDDなど外部ストレージとの共有機能が搭載された。803は普及型では初の2色(803A…ブラック・803AW…ホワイト)のバリエーションが用意されている。またヘッドの素材を改良し、紙粉を付きにくくすることで目詰まり防止動作を少なくする等内部が改良されている。今回から小容量・低価格タイプのインクが新たに用意された(51番。形状は50番と同じで用途に応じて混合も可能)。
EP-904F/904A/804A/804AW/804AR/774A/704A
2011年秋モデル。904系と804系にはメモリーカードを挿入する、原稿カバーを開けるなどといった操作を行ったときに液晶画面に関連したメニューだけが表示される「先読みガイド」を新搭載し、より一層操作に迷わなくなったほか、コピーやスキャンをした後に原稿を取り忘れた時にアラーム音で知らせる「原稿取り忘れ通知」や、設定した用紙サイズとプリンターにセットされている用紙サイズが異なる場合には液晶画面で知らせる「印刷前の用紙サイズチェック」で構成される「うっかり防止アラート」も搭載し、ミスを軽減させる。さらに、スマートフォンやタブレットからプリントができる「EPSON iPrint」やプリンターにメールアドレスを設定してメールを送るだけでソフト・ドライバー不要でメール本文や添付ファイルをプリントできる「メールプリント」に対応した。804は前機種の803からのブラック、ホワイトに加え、新色のレッドを加えた3色展開となる(804A…ブラック、804AW…ホワイト、804AR…レッド)。また、804Aから無線LANをオプションに変更するなど一部機能を省略化した774Aを新設した。
EP-905F/905A/805A/805AW/805AR/775A/775AW/705A
2012年秋モデル。905系・805系は、数年ぶりにインクカートリッジをオンキャリッジとし、給紙トレイや用紙排出機構などの薄型やメイン基板の小型化を行ったことで、前機種(804系はオプションの自動両面印刷ユニットを装着した場合)に比べて約40%の大幅な小型化を実現。さらに、液晶画面がタッチパネル式となり指でスライドさせることでスクロールできるフリック操作に対応したほか、無線LAN搭載のスマートフォンやパソコンなら、無線アクセスポイントがなくても直接無線で接続できる「Wi-Fi Direct」に対応。905F/905Aにはさらに自動両面ADFを搭載したことで両面コピーや両面スキャンができるようになった。805A/805AW/805ARは自動両面印刷ユニットを標準搭載。775は無線LANに対応してコンパクト化を実現。カラーバリエーションにはホワイトを追加した(775A…ブラック、775AW…ホワイト)。併せて、705Aを除くすべてのモデルでインクカートリッジも小型化され、70番に刷新された(増量タイプの70L番も設定される)。
EP-976A3/906F/806AW/806AB/806AR/776A/706A
2013年秋モデル。本モデルではコンパクトボディでありながら手差し給紙でA3サイズまで印刷できるフラッグシップモデルの976A3を新設。これまでのA3対応プリンターの本体サイズでは設置スペースの確保が難しい場所にも設置でき、普段はA4サイズで印刷しながら、大きな文字で印刷したい学習用教材・資料や写真を大きくして飾りたい時にはA3サイズでプリントできるのが特徴である。また、スキャナ解像度は906Fと同等レベルとなる4800dpiの高画質仕様となっている。そのほか、新モデル全機種で「静音モード」が本体の操作パネルからでも設定ができるようになったほか、FAX搭載モデルの906Fは液晶画面でプレビューを確認してから送信でき、受信時でも必要なファクスのみを印刷できる「見てからFAX送信」・「見てからFAX受信」を追加。776Aは「Wi-Fi Direct」に対応し、赤外線通信機能を追加。706Aは新デザインとなり、背面給紙から前面2段給紙に変更し、インクカートリッジを他の染料インク搭載機種と同じ70番としたことで前機種の705Aに比べて約36%小型化され、背面にピッタリ設置できるようになり、無線LAN(「Wi-Fi Direct」を含む)に対応した一方、液晶サイズはPX-436Aと同じ1.44型に縮小され、赤外線通信機能が非搭載になった。また、前機種同様3色のカラーバリエーションがある806A系を除き、カラーは人気が高いホワイトに刷新された。

顔料インク搭載機

PX-A550/A650
PX-A550は2004年10月発売。プリンタの解像度は5760dpiとCC-600PXと比べて向上したが、スキャナの素子がCCDからCISに変更になり、解像度も600dpiとCC-600PXよりも低下した。インクは4色で,ノズル数は黒90、カラー90×3。
PX-A650は2005年10月発売。スキャナの解像度を1200dpiに上げ、メモリーカードなどからのダイレクト印刷を可能にしたモデル。
PX-A720/A620
このモデルより「つよインク200X」を搭載。PX-A720は2006年10月発売。PX-A650の基本性能に加え液晶ディスプレイを搭載したモデルで、従来一度オーダーシートを印刷して行っていたダイレクト印刷を画面上で行うことが可能となった。
PX-A620は2007年2月に発売された普及機で,カラーノズル数が29×3に削減されカラー印刷が遅い。インク滴サイズが4plと大きい。
PX-A740/A640
PX-A740はPX-A720の後継モデルで2007年10月発売。ヘッドのノズル数は同じだが駆動周波数を上げることで印刷速度が若干速くなっている。PX-A640は2008年2月発売でPX-A620の後継モデルであるが、PX-A740との相違点は液晶ディスプレイとダイレクト印刷方法、コピー機能のみで基本性能は同一である。
PX-501A/401A
PX-A740/A640の後継モデル。2008年10月発売のPX-501AがPX-A740をほぼそのまま継承しているのに対し、2009年2月発売のPX-401Aは2世代前のA620に近い印刷性能となっている。
PX-FA700
カラリオシリーズ初のFAX複合機で、ADFを搭載している。その他の機能はPX-A740と同一。
PX-601F/602F
PX-FA700の後継モデル。PX-601Fは2009年発売2月発売。デザインはEP-901Fに似ているが、給紙方法は背面給紙となっている。黒だけでモードおよび有線/無線LAN対応。ノズル数は黒384、カラー128×3。スキャナの解像度は2400dpiとなった。PX-602Fは2010年2月発売で、PC FAX機能を搭載している他は601Fとほぼ同じ。
PX-502A/402A
2009年10月発売。502Aは印刷機構が601Fと同等の性能となり、モノクロ高速印刷、黒だけでモード、有線/無線LAN対応である。402Aはほぼ変更なし。
PX-503A
2010年9月発売。新型エンジンを搭載し、前面給紙・自動両面印刷に対応したのが大きな特徴。給紙カセットに最大150枚セットできる。
PX-673F/603F/403A
2011年2月発売。前面給紙・自動両面印刷に対応した。673Fは大容量2段カセットで500枚、603Fは1段で250枚の普通紙を収納可能。インターフェイスはUSB2.0およびIEEE802.11b/g/n無線LAN、Ethernet。673Fには「カンタンLEDナビ」を搭載。403Aは402Aの後継機で、背面給紙のままインクが46系から62系になった他スキャン機能が強化されている。またPCからの操作で静穏運転モードが使用可能。
PX-434A/404A
2011年11月発売。PX-404AはPX-403Aの後継機で、前面給紙となり本体が小型化された。PX-434AはPX-404Aの上位機種で無線LANや「EPSON iPrint」に対応したほか、黒ノズル数を128、カラーノズルを42×3に増やしてある。
PX-504A
2012年2月発売。PX-503Aからの変更は軽微である。
PX-435A/405A/045A
2012年8月発売。PX-435A/405AはそれぞれPX-434A/405Aの後継機だが、黒ノズル数180、カラーノズル数が59×3に増えている。PX-045Aは液晶画面なし、操作パネルは電源・モノクロコピー・カラーコピー・ストップ/設定クリアの4つのボタンに絞り、基本機能であるプリント・コピー・スキャンに特化した新設のシンプルモデルで、黒ノズル数128。カラーノズル数42×3である。
PX-675F/605F/535F/505F
2012年9月発売。PX-675F/605FはPX-673F/603Fの後継機で、操作パネルを固定式にしたことで耐久性を高め、ライティングナビゲーション機能を搭載。6万ページの耐久性を実現させた。PX-535F/505Fは新たに設定されたFAX搭載モデルの最廉価機である。在宅オフィスなど限られたスペースにも設置できるコンパクトサイズで、PX-535FにはADFも搭載されている。
PX-436A/046A
2013年9月発売。PX-436AはPX-435Aの後継機で、基本性能はPX-435Aと変わりないが、無線LANアクセスポイントがなくても無線LAN搭載のスマートフォンやパソコンから直接無線接続ができる「Wi-Fi Direct」に新たに対応。PX-046Aは既存のPX-045Aをベースに、無線LAN及び「EPSON iPrint」に対応し、スキャン解像度を1200dpiに強化したモデルである(PX-045Aは2013年秋モデル発表後も、無線LAN非対応のシンプルモデルとして当面の間継続販売される)。

カラリオ・ダイレクト

後述のプリントンの後を継ぐ、カードリーダ内蔵モデル。PictBridgeや、USBストレージ(USBフラッシュメモリやUSB接続型MOドライブ等のUSBマスストレージクラス対応製品)にある写真も印刷可能。しかし、これらの機能はマルチフォト・カラリオも持っていること、マルチフォト・カラリオ(複合機)とカラリオ・プリンタ(単機能機)との価格差が小さくなり、その間を補完するカラリオ・ダイレクト(ダイレクトプリンタ)の需要が減少してきていることもあって、2006年モデルのPM-D870を最後にシリーズが終息した。

カラリオ・ライト

CL-700からCL-760までの型番“CL”から始まる製品で、主にテレビショッピングのセット商品や、初心者向けの低価格プリンターとして販売された。シリーズ全機種がインクを4色搭載しているタイプ。

型番改変時にこのシリーズは廃止され、カラリオ・プリンタのVシリーズに低価格機は引き継がれる。エプソンのCMがあまりに写真を中心に押し出していたため、写真画質の低いこのシリーズは「エプソンなのに写真が綺麗じゃない」との批判をあびる。前述のセット販売や、プリンタのことをよく知らない層が値段の安さだけで買ってしまうことが原因である。

プリントン

1998年より発売された「Printon(プリントン=PT=)」シリーズは、現在ごく一般的にみられるカラーインクジェットプリンタと・PCカードリーダーが一体となったカラー複合機の先駆けで、早くもホームDPEを模索している。(2000年にPTシリーズはカラリオ・プリンタに統合(内包)されている。)

カラリオ・コピー

2001年に発売されたCC-500Lから2003年に発売されたCC-600PXまでの、型番“CC”から始まる製品で、インクジェットプリンターとカラースキャナを組み合わせてカラーコピーを実現したインクジェット複合機がこれにあたる。

シリーズ全機種がインクを4色搭載しているタイプで、うちCC-600PXのみ独立インクを採用する。インクを6色搭載し写真画質を高めたPM-A850が発売されて以降、本シリーズのコンセプトを受け継いだマルチフォトカラリオが登場した。

カラリオ・ミー

葉書サイズまでの印刷に特化した、コンパクトな写真専用プリンタシリーズ。2013年9月現在、E-840(ワイヤレスキーボード付属「宛名達人」)とE-370P/370W(スタンダードモデル)の3機種が発売されている。

当初は6色顔料で展開が始まり、「安心して他人に渡せる(褪色しない)写真を手軽に綺麗に印刷できる」物であったが、のちのE-150では4色染料と、カラリオ・ライト並の仕様になってしまう(耐光性10年、耐オゾン性5年)。ただし、2006年モデルのE-700・E-500では、インクは4色であるが、耐光性50年、耐オゾン性は25年と従来顔料機並みの保存性能に改良されてきている。インクカートリッジは4色一体型であるため、CMYKのどれか一つでも印刷限界を下回ると、すべてを一度に交換しなくてはならない。

2009年発売のE-800・E-600ではフォトフレーム機能を搭載。非プリント時でも7.0型の大型液晶でフォトフレームとして活用できるほか、E-800以降はキーボードが付属し、ハガキの通信面・宛名面をスタンドアロンで作成し印刷が可能。「宛名達人」の副愛称がつけられている。

テンプレート:節stub

デジタルカメラ関連

カラリオ・フォト

シリーズ全体を通じ、同社のプリンタとの連携以外にとりたてて特徴を持たない。

CP-100
1996年3月に発売された、同社初のデジタルカメラ
CP-500/CP-600
CP-500は1997年7月発売[11]。81万画素で量販店での実売価格が8万円弱(発売当時)-4万円強(発売から1年経過時)程度、総画素数を130万に引き上げて1998年5月に発売されたマイナーチェンジ機種のCP-600もCP-500と同等な実売価格(メーカー希望小売価格は両機種とも同価格)であり、1998年のヒット製品であった富士フイルムの「FinePix700」(150万画素、実売価格9万円-6万円(発売1年経過時))と比べれば比較的コストパフォーマンスに優れた製品であり、雑誌などの売り上げランキングにしばしば上位にランクインしていた。
カラリオ・プリンタのMacintoshシリアルポート端子とカラリオ・フォトをMacintosh用のシリアルケーブルで接続するとパソコン無しでカラリオ・フォトの画面上で印刷指定が可能な「ダイレクトプリント」機能がCP-500から搭載され、現在市販の殆どのプリンタやデジタルカメラに搭載されているこの機能の先駆けとなった。
CP-800
1999年5月発売。1/2インチ 214万画素CCD、アルミ合金製ボディ採用、小型軽量化と品質・性能の大幅な向上が行われた。F2.4の単焦点レンズが搭載されており、記録画素数はHypict処理による約300万画素、200万画素、35万画素の3つを選択できる。オートの他マニュアル撮影モードを搭載しており、フォーカス、絞り、シャッタースピードなどを調節できた。またパソコンとの接続方法が USB に変更された。(別売りケーブルで従来のシリアル接続も可能) コンパクトになったかわりに電源が単三電池2本となり、電池の持ちはよいとは言えなかった。
CP-900z
2000年3月発売。
CP-930z
2001年4月発売。
CP-80z
2001年9月発売。
L-300
2003年4月発売。
PhotoPC DIRECT
USB DIRECT-PRINT
L-400
2003年発売。
L-500
2004年10月発売。

レンジファインダーカメラ

R-D1/R-D1s

テンプレート:節stub

フォトビューワ

P-1000
P-2000
P-4000
P-4500
P-2500
P-5000
P-6000
P-7000

テンプレート:節stub

カラリオ・スキャナ

テンプレート:節stub

関連

出典

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

外部リンク

  • テンプレート:Cite web
  • プロ写真家が“EPSONプリンタ”を選ぶ理由
  • これらは、エプソンが採用するピエゾ方式の短所に起因する。詳細はピエゾ方式を参照されたい。
  • キヤノン、BJプリンタ技術のマスコミ向けセミナーを開催
  • サーマル方式のプリントヘッドは多ノズル化しやすい反面、1ノズルにつき1サイズしか吐出できないため、広い面ではインクの吐出数が飛躍的に増える。ピエゾ方式のインクジェットは、1ノズルで複数サイズの吐出が可能であるため、1パスで効率的なインク吐出が可能である。
  • エプソンが開発した新世代マイクロピエゾプリンタヘッド | 特集記事 | トピックス | エプソン
  • IT MEDIAの記事
  • PRINT Image Matching 搭載デジタルカメラ一覧
  • 8色顔料インクのみ。
  • 「エプソン カラリオ PM-950C/PM-4000PX」で故障発生のお客様へ
  • テンプレート:Cite web