ヤハズエンドウ

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テンプレート:生物分類表 ヤハズエンドウ(矢筈豌豆、テンプレート:Snamei subsp. テンプレート:Snamei[1])は、マメ科ソラマメ属越年草。ヤハズエンドウが植物学的局面では標準的に用いられる和名だが、カラスノエンドウ(烏野豌豆)という名が一般には定着している(「野豌豆」は中国での名称)。

特徴

本州から四国九州沖縄の路傍や堤防などのいたるところにごく普通に生育している。秋に発芽し、春になると高さ60 - 150cmに達する。には巻きひげがあり、近くのものに絡みつくこともあるが大体は直立する。茎は全体にがあり四角柱状。花期は3 - 6月でエンドウに似た小型の紅紫色の花を付ける。豆果は熟すると黒くなって晴天の日に裂け、種子を激しく弾き飛ばす。

原産地オリエントから地中海にかけての地方であり、この地方での古代麦作農耕の開始期にはエンドウなどと同様に栽培されて作物として利用された証拠が考古学的資料によって得られているが、その後栽培植物としての利用はほぼ断絶して今日では雑草とみなされている。そのため、若芽や若い豆果を食用にすることができるし、熟した豆も炒って食用にできる。

また、未熟な果実の両端を切り落し、草笛にすることができる。

一見するとソラマメの仲間とは思えないが、よく見ると、茎が角ばっていることと、豆のへそが長いというソラマメ属の特徴を満たしている。

史記伯夷叔齋が山で餓死する前に食べていた「薇」(び)は、野豌豆の類ともいい、またワラビゼンマイのことともいう。

近縁種

近縁の仲間には、スズメノエンドウ (テンプレート:Snamei)、カスマグサ (テンプレート:Snamei) などがある。この3種は、いずれも路傍に咲くごく普通な雑草であり、生育の季節も共通するため、往々にして混生する。これら3種は似ているが、カラスノエンドウは大きくて少数の花をつけ、スズメノエンドウはごく小さな花を房状に多数つける。カスマグサは小型の花を少数つける。ヤハズエンドウは托葉(葉の付け根の付属物)に暗紅色の花外蜜腺があり、他2種にはない。カスマグサの「カスマ」とは、「カラス」と「スズメ」の間(マ)の意である。

また、欧米には近縁種でより大型のオオヤハズエンドウ (テンプレート:Snamei) があり、牧草として利用されている。この種は近年日本にも帰化していることが分かっている。

ギャラリー

脚注

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参考文献

関連項目

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外部リンク

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