マメ科

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テンプレート:生物分類表 マメ科 (テンプレート:Sname, テンプレート:Sname) は、被子植物に含まれる分類群の1つでいわゆるマメの仲間。階級に置くことが多いが、下位の3分類群を科にする見解もある(#下位分類を参照)。豆状の果実種子をつくることを特徴とする。

特徴

マメ科の植物は、羽状複葉になるものが多い。また「就眠運動(夜になると葉柄小葉の根元(葉枕)で折れ曲がり葉が閉じること)」をするものもある。オジギソウでは触れただけで同じような運動を起こす。托葉があり、葉と同様に大きくなるもの(エンドウ)、蜜腺になるもの(ヤハズエンドウ)、とげになるもの(ハリエンジュ)などもある。

蔓植物になるものも多く、茎が巻き付くものと巻きひげを発達させるものがある。草本も木本もあり、また立派な樹木になるものも含まれる。

花は左右対称になる傾向がある。マメ亜科は独特の形を持っており、蝶形花という。雌しべは平らで、熟すると2つに割れ、中に1列におさまる種子を放出するものが多い。いわゆる「まめ」の形である。種子には胚乳はなく巨大な子葉が栄養分を蓄えている。

生態

一部のマメ科植物は根粒もしくはに茎粒を持ち、根粒菌という細菌が共生している。根粒菌は植物からリンゴ酸などの効率のいい栄養分をもらって生活の場を提供して貰う代わりに、大気中の窒素を植物にとって使いやすい硝酸塩に転換(窒素固定)する。窒素は植物にとって必須元素であり、肥料として取り入れる成分の一つであるが、豊富に存在する気体窒素は自然界では一部の細菌と雷などでしか使用可能形態に転換できない。特に根粒ではその能力が高いため、それを持つ植物は自ら肥料を作ることのできることになり、そのような植物はやせている土地でもよく育つものが多い。

帰化植物にはマメ科のものが多い。これは上記のように荒れ地でよく育つものが多いことも理由の一つであると考えられる。

利用

種子が可食のものが多く含まれ、広義の穀物として主食並に利用されるものも数多い。日常語としての豆は往々にして種子のことを指す。ただしマメ科のなかにもエニシダクララトウアズキニセアカシアといった有毒種があるため注意が必要である。

上記のようにマメ科には根粒などを持っているものが多く、それらは自力で肥料が作れるため、荒れ地でよく育つ。これは栽培植物としての扱いやすさにもつながるが、そのために荒れ地の緑化に使われる例もある。アカシアギンゴウカンがその代表例である。これを利用してゲンゲなどは緑肥植物としても使われている。半面で、この窒素固定を自分で行なう生態のため、別の場所への人為的な移植が難しい種もある。

観賞用に栽培される種も多い。デイゴハナズオウスイートピールピナスフジホウオウボクなど、独特の花形と多彩な花色が楽しまれる。

下位分類

広義のマメ科は、74519500を含むとも[1]、650属12000種であるとも[2]される大きな科である。

花の形態により伝統的にマメ亜科ジャケツイバラ亜科ネムノキ亜科の3亜科に大別する(新エングラー体系など)。クロンキスト体系では独立の3科として、3分類群を含むマメ目を立てている。APG植物分類体系ではマメ科を広義のものに設定している[3][4]分子系統によれば、従来のジャケツイバラ亜科はマメ科の中で側系統群であることが示されており、ハナズオウ属などは別のグループにする意見もある[1]

マメ亜科(Faboideaeまたは代替名Papilionoideae)
最大の亜科、特徴的な花の形態を有する。
ジャケツイバラ亜科 Caesalpinioideae
花は左右相称であるがマメ亜科のように特殊化していない。サイカチセンナジャケツイバラなど。ハナズオウハカマカズラなどは含めない見解もある[1]
ネムノキ亜科 Mimosoideae
花は放射相称、花弁は小さく(雄しべが目立つ)、多数の花からなる花序を作る。ネムノキオジギソウアカシア(ミモザ)など。

主な種

Faboideae マメ亜科

Mimosoideae ネムノキ亜科

Caesalpinioideae ジャケツイバラ亜科

脚注および参考文献

  1. 1.0 1.1 1.2 テンプレート:Cite web
  2. テンプレート:Cite web
  3. APG II (2003)
  4. APG III (2009)

関連項目

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外部リンク

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