カップ戦

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カップ戦(カップせん)とは、スポーツ競技の大会のうち、リーグ戦と比較して開催期間が短い、もしくは大会に要する試合数が比較的少ない大会のこと。大会形式は、はじめから終わりまで、すべての試合をノックアウト方式(勝ち抜き)で行う方式や、数チームを1組とし、その中のチーム同士による総当りのグループステージと、グループステージを勝ち抜いたチームによるノックアウトステージを組み合わせた方式を採用する場合が多い。また、スポーツなどの主要な国際大会では、セントラル方式でなおかつカップ戦の形式をとることが多い。

ただし、「カップ戦」と言う言い方は日本語特有のものである。詳細についてはリーグ戦冒頭を参照。

カップ戦の実情

ここでは、サッカー競技を例にして記述する。

各国国内におけるカップ戦

  • 国内におけるカップ戦としては大きく分けて、その国のトップリーグのチームのみに参加を限定するリーグカップと、参加資格を限定しない(オープンにした)オープンカップの2つに分けられる。参加資格を限定しないため、日本の天皇杯では、高校のサッカー部とプロクラブの対戦もありうる。オープンカップにおいては、参加チームの数が膨大になることが多いため、完全トーナメント方式(1ステージに付き1試合のみ、もしくはH&A方式で行われるのが普通)を採用する場合が多い。また、リーグカップであっても参加チームが多い場合は同様である。参加チームが少ない場合、もしくは試合数を多くしたい場合は、3~8チームを1組とした総当りによるグループリーグを行うこともある。
  • リーグ戦と比べて試合数が少ないため、資金力や選手層が薄いチームでも何らかの不確定要素やその時の選手の体調、モチベーションなどの違いで上位に上がれることがある。そのため、上位のカテゴリーにいるチームを下位のカテゴリーにいるチームが下す、いわゆるジャイアント・キリングが起こりやすいのがカップ戦の大きな特徴である。これをカップ戦の醍醐味として楽しみにしているファンも多い。
  • 優勝チームはカップウィナー(Cup Winner)と呼ばれる。カップウィナーはリーグ戦のチャンピオンとよくシーズンの初めに行われるスーパーカップに出場できる権利を得る(但し複数のカップ戦が行われている場合はオープンカップのウィナーが優先する。)。また、欧州各地のサッカーリーグにおいては、一般に各国のカップ戦で優勝するとUEFAELに出場できる権利を得る。
  • 近年、欧州の主要なサッカーリーグにおいて国内カップ戦の重要度が低下している。これはUEFACLに出場することによって、放送権料などの莫大な収入が得られるためで、特にビッグクラブと呼ばれるチームでは、国内リーグ戦やCLに主要メンバーをつぎ込み、国内カップ戦にはリザーブ組を出場させる、という起用法が頻繁に行われる。これにより、カップ戦の魅力がそがれることがあるため、今後国内カップ戦の存在意義が問われかねない、と言う指摘もなされている。

国際大会におけるカップ戦

  • FIFAワールドカップのような、各国の代表同士による国際大会においてはセントラル方式によるカップ戦形式で行われるのが普通である。例えば、仮にW杯をH&Aで行おうとすると、移動費が高額になるばかりでなく、移動による選手、スタッフの疲労が避けられず、競技選手のパフォーマンスに多大なる影響が出る可能性が高い。そのため、大会のクオリティが最優先され、開催国の地の利については目をつぶらざるを得ない場合が多い。また、AFCの各種予選においても、セントラル方式による予選リーグを行うことが多い。これは、加盟国の中にインフラ整備が遅れている国が多く、全試合においてH&Aによる予選を行うのが困難なためである。
  • クラブチーム同士による国際大会は、3~5チームを1組とするグループリーグとトーナメントを組み合わせ、なおかつ完全H&A方式を採用した大会形式が多い。また、UEFACLやアフリカCL北中米CCにおいて、本大会への出場を賭けた予備予選を行う場合もある。

日本における代表的なカップ戦

ペナントレースの一部であるが、期間中の優勝チームやMVP選手にはスポンサーから賞金が贈られるなど、カップ戦としての性質を併せ持っている。
2007年導入のレギュラーシーズン上位3チームが日本シリーズ出場権をかけて争うプレーオフトーナメント。優勝チームはリーグ優勝とは別枠で表彰されるほか、パ・リーグでは協賛者が付くため実質カップ戦である。

各国における主なカップ戦

国際大会

オープンカップ

リーグカップ

関連項目