オルニトレステス

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テンプレート:生物分類表 オルニトレステス(Ornitholestes)は、ジュラ紀後期の北米大陸に生息していた肉食恐竜の一種。 全長2メートルから2.5メートル程度の小型の恐竜で、2足歩行性で、トカゲ類や死肉、哺乳類を食べていたと考えられる。

特徴

1900年アメリカワイオミング州コモ・ブラフ(Como Bluff)で発見され、1903年ヘンリー・フェアフィールド・オズボーンにより記載された。名前は比較的有名であるが、知られている化石の量は少なく、ほとんどの情報はこの模式標本である一体に骨格による。

頭骨は他の小型の獣脚類と比べて比較的がっしりとしており、吻が短く、歯が大きく発達している。顎の関節も丈夫な構造をしている。顎の噛む力はかなり強かったと考えられている。また、上あごの先端には短い突起物があり、生時には短い角を形成していたかも知れない。しかしながら、近年の研究ではこの突起は化石化の段階で鼻骨が折れて変形したものを誤認しただけである可能性が指摘されている。

前肢は長く、4本の指を持つが一番外側(人間の薬指に相当)はほとんど痕跡のみであり実質は3本。前肢の3本の指のうち、一番内側の指は短く、外側の2本の指が極端に長い。内側の指は人間の親指のように他の指と完全に対向しているわけではないが、長さの違う3本の指を使って物をしっかりとつかむことができたと考えられている。 これらの特徴からしても、小形動物を襲う活発な捕食者であったといえるであろう。

学名の意味は「鳥を盗む者」・「鳥泥棒」で、この恐竜が同じ頃生息していた始祖鳥を捕食していたと考えられたためであるが、裏付ける化石資料の発見例はなく、上記の如く小型の動物を食べていたと見られる。
ファイル:Ornitholestes.jpg
チャールズ・ナイトによる始祖鳥を捕獲している古典的な復元図
また、群れで竜脚類のような大型の獲物を襲う復元図が描かれることもあるが、群れを作ったことを裏付ける証拠はなく自分より大型の恐竜を襲うことは少なかったと考えられている。

分類

初期のコエルロサウルス類である。コエルルスに近縁であり一般にコエルルス科(coeluridae)とされることが多い。また、同じく鼻先にとさかを持つ原始的なコエルロサウルス類であるプロケラトサウルス姉妹群であるとされることもある。しかしながら、分岐学的な分析では使用するマトリックスによっては側系統とされる場合もある。これら基盤的コエルロサウルス類については情報が乏しく、正確な類縁関係を結論づけることは難しい。

フィクションでの扱い

参考

  1. Osborn, H. F. (1903). "Ornitholestes hermanni, a new compsognathoid dinosaur from the upper Jurassic". Bulletin of the American Museum of Natural History 19: 459-464.
  2. Carpenter, Miles, Ostrom and Cloward (2005). ""Redescription of the small maniraptoran theropods Ornitholestes and Coelurus from the Upper Jurassic Morrison Formation of Wyoming."". Carpenter (ed.). The Carnivorous Dinosaurs. Indiana University Press.: 49-71[edit] References
  3. Osborn, H. F. (1903). "Ornitholestes hermanni, a new compsognathoid dinosaur from the upper Jurassic". Bulletin of the American Museum of Natural History 19: 459-464.
  4. Carpenter, Miles, Ostrom and Cloward (2005). ""Redescription of the small maniraptoran theropods Ornitholestes and Coelurus from the Upper Jurassic Morrison Formation of Wyoming."". Carpenter (ed.). The Carnivorous Dinosaurs. Indiana University Press.: 49-71..