ウォームギヤ

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4条ウォームギヤ

ウォームギヤテンプレート:Lang-en-short)は、ねじ歯車(ウォーム)とそれに合うはす歯歯車(ウォームホイール)を組み合わせた機構である。

1段で大きな減速比が得られ、他の歯車機構に比べてバックラッシュも小さくできるのが特徴である。一般的にはウォームの回転によりウォームホイールが回転する。しかしその逆も不可能ではない。ウォームのねじり角が安息角摩擦角)より大きければ逆駆動は可能である。その要件として以下が挙げられる。

  1. ウォームの径が小さいこと
  2. ウォームの条数(ねじ山の本数)が多いこと
  3. 高性能な極圧潤滑剤の使用

ウォームをウォームホイールの曲率に合わせたものを鼓形ウォームギヤという。これは接触面積が大きいので大きなトルクを伝達できる。これに対し、標準型のウォームギヤを円筒型ウォームギヤという。

利用

  • オルゴールガバナーや自動車のステアリング・ギヤにはこの方式が採用されている。
  • 望遠鏡顕微鏡の微動装置に利用されている。
  • 弦楽器糸巻きに利用されている。
  • 鉄道模型の駆動にもよく使われている(一部製品にはウォームギヤをバネで代用したスプリングウォームもある)。
  • 1950年代以前、一部のフロントエンジン・リアドライブ式(FR式)自動車のプロペラシャフトから車軸に駆動方向を変える用途に使用された事もある(通常は傘歯車が使用される)。ウォームギヤ使用の理由としては、低速用のトラックなどで減速比を大きく取りたいケース、また傘歯車駆動に比べてプロペラシャフトの位置を低く取れる構造を活かした低床化(プジョーの1950年代末期までのモデルなど)があげられる。

外部リンク

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