イワカガミ

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コイワカガミ(白馬大池・2006年8月)

イワカガミ(岩鏡、学名:テンプレート:Snamei)は、イワウメ科イワカガミ属多年草高山植物

特徴

常緑は丸く、光沢がある。花期は春から夏。は淡紅色で、花弁は5つに分かれ、その先端はさらに細かく裂けている。花茎は10-15cmで、5-10輪の花を横向きにつける。和名のイワカガミ(岩鏡)は、岩場に生えることと、光沢のある葉を鏡に見立ていることに由来する。

分布と生育環境

九州から北海道の高山帯から亜高山帯に分布し、草地や岩場に群生する。

イワカガミ属

近縁種にコイワカガミオオイワカガミヤマイワカガミなどがある。

コイワカガミは、イワカガミに比べ、花の数が少なく小ぶりである。 オオイワカガミは、鮮やかなピンクの花をつける。 ヤマイワカガミは、ほかのものと違い、白い花をつける。

イワカガミ属の分布と生育環境

おおまかにイワカガミ、コイワカガミ、オオイワカガミと鋸歯の少ないヒメイワカガミ、ヤマイワカガミの2つに分けると、前者は地上性、後者は主に岩場に見られやすい。

多雪地では鋸歯も多く葉も大振りのオオイワカガミが見られやすくなり、湿原ではイワカガミをそのまま小振りにしたコイワカガミが見られやすくなるが、この3つについては変化がやや連続的であり、水分環境の差などによる生態的な適応として区別しない場合もある。

顕著に鋸歯が少なくイワカガミとは葉型の印象も異なるヤマイワカガミとヒメイワカガミは分布をわけ、太平洋側の寡雪気候区に属するところでヤマイワカガミ。日本海側の多雪気候の影響の大きいところでヒメイワカガミと区別される。これら5種は便宜的に分けられるが、ただ一種の生態的適応に基づく形態のバリエーションの可能性も示唆されている。

生態の似た種

またイワカガミ類は同じような生態の同科イワウチワ属に属するトクワカソウ、イワウチワと混生することも多い。イワウチワについては多雪地域ではトクワカソウに交代し、他シシガシラが一部ミヤマシシガシラに。また、イワカガミやシシガシラがもっぱら地上に生えるのに対しオサシダとヒメイワカガミなどがセットで岩場に群生するのを見ることも多い。

多雪地域ではイワカガミ、オオイワカガミと似た生態のものに、ツツジ科イワナシなどがある。

参考文献

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